多田賀鍬《ただ がすき》はハイポ野郎である。
国民のモラル低下に危機を感じた日本政府は、現状を打開するため
海外で実用されている「信用ポイント制度」を導入し、
日本独自のアレンジを加え運用を始めた。
善行ポイント
模範ポイント
慈愛ポイ
ント…など
様々な数値を設定し、それらを総合した数値により国民ランクを決定
ランクに応じて様々な恩恵《サービス》を提供する事で
国民の意識を変える試みを行うが、
足の引っ張り合いを好む日本人は
「どうしたら自分のランクを上げられるか?」
ではなく
「どうしたら人のランクを下げられるか?」
に執着してしまう。
その傾向が多くみられる「通報ポイント」にて稼ぐ者たちは
小悪事を探して、時には誘発して稼ぐ姿から
「ハイエナポイント野郎」、ハイポ野郎
と呼ばれていた。
多田賀鍬《ただ がすき》は他のポイントで稼ぐことを諦め、
通報ポイントを極める事でポイント上位者に与えられる
生活が一生保証されるという「楽園住居権」を目指す中、
高ランクのある少女と出会う事で人生が大きく動く事となる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-10 18:00:00
1534文字
会話率:24%
遠い遠い昔、二つの王国は世界の覇権をかけて争いを始めた。奪い合い、潰しあいその争いは熾烈を極めた。
1000年後、ご永遠に続くと思われた争いは突如として終わりを告げた。
そしてそれは敵よりもより強く賢く優れた存在であろうと望む時代の終りを意
味していた。
一方、その世界とは違う世界で一人の心が空虚で満たされて望みを忘れた少年がその短い生涯を終えた。
二つの終わり。それらは決して交わることはない物語であるはずだった。
しかし天の神様が運命の糸を操ったのか、二つの終わりは出会い。そして新しい始まりを迎えたのだった。
果たして、望みを失った少年は望みを失った世界で何を望むのか。或いは世界は彼に何を望むのだろうか。
これは世界を打ち破る物語。これは望みを望む物語。
そしてこれは終わりを迎えて始まる物語。
水面に投じた一つのちっぽけな小石が波紋を作る様に。
注意:この物語を完結まで描くことを私はこの場で誓います。2020年9月14日。波積 形り。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-26 20:00:00
285698文字
会話率:49%
創生歴1556年。世界は混沌としていた。先の大戦で大国同士で潰しあい、小国は通り道として大国の餌食に、中級国は周囲の国家と手を結ぶことで大国と対峙、緊張状態を続けていた。しかし大戦が終結すると共に、中級国の結束は次第に緩んできた。
西方に
位置する大陸、ブラスケス。中央にそびえる山脈、ソルムント山脈により東西に分断されていた。東にはラルガンド帝国、西にはカインドルト王国…大陸とはいえ、大国一国程度の面積である、島の様な存在となっていたため、両国の関係は良好であった。が、数年前よりラルガンドは東方の大国・大和帝国に、カインドルトは西方のヘルメス帝国にそれぞれ支援を受け始め、両国の関係にも亀裂が生じ始めた。
ラルガンド帝国の学生・セイガトラスト。両国に友をおく彼を、残酷な運命が襲う。本当の「世界」を彼は受け入れられるのか。
これはpixivにも投稿予定です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-07-15 21:18:52
12019文字
会話率:55%