多田賀鍬《ただ がすき》はハイポ野郎である。
国民のモラル低下に危機を感じた日本政府は、現状を打開するため
海外で実用されている「信用ポイント制度」を導入し、
日本独自のアレンジを加え運用を始めた。
善行ポイント
模範ポイント
慈愛ポイ
ント…など
様々な数値を設定し、それらを総合した数値により国民ランクを決定
ランクに応じて様々な恩恵《サービス》を提供する事で
国民の意識を変える試みを行うが、
足の引っ張り合いを好む日本人は
「どうしたら自分のランクを上げられるか?」
ではなく
「どうしたら人のランクを下げられるか?」
に執着してしまう。
その傾向が多くみられる「通報ポイント」にて稼ぐ者たちは
小悪事を探して、時には誘発して稼ぐ姿から
「ハイエナポイント野郎」、ハイポ野郎
と呼ばれていた。
多田賀鍬《ただ がすき》は他のポイントで稼ぐことを諦め、
通報ポイントを極める事でポイント上位者に与えられる
生活が一生保証されるという「楽園住居権」を目指す中、
高ランクのある少女と出会う事で人生が大きく動く事となる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-10 18:00:00
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