昔むかし、あるところに強く優しい一匹のドラゴンがいました。
ドラゴンは仲の良かったたった一人の人間に頼まれ、人の街を守り続けました。
ですが、あまりに強すぎるドラゴンだったために、街の人からは恐れられ、嫌われていました。
そして、命懸けで街
を守るため、最期にその身を犠牲にしたドラゴンは思いました。
もし、次があるなら人間になって、友達をつくって、仲良くなりたい、と。
そして、二度と目を覚まさないはずの彼が意識を取り戻した時、彼の願いは叶い、人間の姿になっていたのです。
「やった! これなら人間と仲良くなれる!」
能天気に喜ぶ彼ですが、目を覚ましたのはどこともしれない洞窟の中。
ここはどこ? 人間はどこ? 守っていた街は? そもそも、どうしてドラゴンの自分が人間になっているの?
わからない事だらけの元ドラゴンの少年は、しかし、元ドラゴンらしい圧倒的強者の余裕で歩き出します。
人間の友達を探しに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-31 11:32:51
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会話率:32%