「わたしの前世を悪霊呼ばわりしないでくださいっ」
少女エレーナは幼い頃に目覚めた前世の記憶のせいで「悪霊憑きのエレーナ」と呼ばれていた。
前世の記憶といっても日本という国の平凡な会社員のおっさんが、毎日一人暮らしのアパートと職場を行っ
たりきたりするだけ。スマホ、漫画、ゲーム、コンビニ。
何の役にも立たない記憶であった。
しかも前世の話をしたら周囲からはまるで相手にされず挙句に悪霊憑き扱いされてしまう不遇の日々。
なお転生に際して神様土下座されたり特別な能力を授かったりはしていない。
(転生しただけかよっ)
やがて月日が流れ、現在はしがない勇者を名乗る一行の下でアイテム管理という地味な能力で華々しい活躍もなく、旅の日々を送っていた。
どうせ途中リストラ必至の凡庸職。ほどほどに頑張ればよい。神や魔王なんて遠い存在。
だがts転生娘エレーナは、その前世の記憶があることにより神々や魔王その他やばい連中に狙われていることを知らない。
自分が世界を揺るがす戦いのど真ん中に立っていることもまだ知らない。
「わたしが世界の運命を握ってる? 冗談でしょ」
※世界観、設定は非常に適当です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-10 12:00:00
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会話率:28%