両親からの虐待にあって、人々に心を閉ざしている姉の香久夜と弟の照司。二人は保護された施設から逃げ出してさまよう中、不思議な世界に迷い込みます。
見ず知らずでありながらどこか懐かしい世界。そして二人をはぐくむ人々のことも、何故か姉弟は知って
いました。二人はいくつものトラブルを経ながら、人々に受け入れられていきます。でも、二人がどこか心を開ききれないのは、この世界に馴染むにつれて、自分たちが何のためにこの世界に来たのかということ。
二人にはおぼろげながら、この世界の狂ってしまった造物主スエラギ様を救う事が自分たちの使命だと自覚し始めます。ただし、それは危険に満ちた旅を意味しました。意思を持った鎧、この世界で最後の一頭になった孤独な牝の龍が加わって、姉弟はスエラギ様の元へと旅を始めます。旅の途中で出会った人々とのふれあいで二人の心は成長してゆきます。やがて聖域を囲む迷いの森ウナサカの縁に到着した彼女たちに賢者のフクロウが案内者として加わった。
危険な旅を共にいる彼女たちは、いつしか家族という意識が目覚めていた。元の世界で香久夜が得られなかった家族がここにはあった。しかし、せっかく作り上げた家族を、狂ったスエラギ様との戦闘で失ってしまう。
でも……、
そんな姉弟を最後に包んで訪れた優しい奇跡は?
「血の繋がりやて? ちょっと違うわ。家族って、きっと、思いを一つにした人たちのことやねん」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-15 08:10:44
170949文字
会話率:37%
とある川で目撃された最後の一頭の二ホンカワウソ。
彼は一体何を想い、どこへ向かって泳いでいたのだろうか。
絶滅した二ホンカワウソの心情に想いを馳せた短編小説です。
最終更新:2017-11-02 19:43:30
609文字
会話率:0%
深い森で、そのドラゴンは暮らしていた。鉛色の鱗を持ち、勇を誇る。やがて人が森へ立ち入るようになると、ドラゴンは否応なく戦いへ身を投じることになった。
最終更新:2011-08-07 02:47:12
2146文字
会話率:0%