電車は、まだ来ない。
旅人は、日本海を望む小さな駅の待合室で時間を持て余していた。
壁際の古びた本棚に、背表紙の擦れた一冊の詩集がある。
なにか特別な気がして、旅人はそれを手に取った。
ページを開いた瞬間、一枚の手紙がふわりとこぼれ落ち
る。
和紙のような紙は黄ばみ、折り目は薄く裂けかけていた。
ところどころインクが掠れ、いくつもの言葉が黒く塗りつぶされている。
手紙は、どこか遠くへ旅立ってしまった愛する人へ宛てたものだった。
満州の風景を感じさせる遠回しな言葉。
珈琲の香り、夕暮れの街角、秋の風の記憶。
そして最後の一文——それは滲んで読めなかった。
旅人は静かに手紙を戻し、ふと詩集の頁をめくる。
そこには、一篇の詩が書かれていた。
「たとえ遠くても、君の影はこの頁にいる。」
旅人は、詩集をそっと本棚に戻す。
夜の海は暗く、波は静かだった。
遠くで、電車の音が微かに響いた——。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-15 16:14:09
2515文字
会話率:0%
前略籠絡中道反対全後退
最終更新:2025-01-14 23:06:24
1518文字
会話率:0%
手紙から始まる結婚生活
最終更新:2023-07-25 19:00:00
13658文字
会話率:0%
届かなくても手紙を書くよ。
最終更新:2022-05-04 15:29:19
7424文字
会話率:0%
2022年コロナ禍、14歳の私は24歳の私に手紙を書く。
(この物語はmonogatary.com等のサイトに天野つばめ名義で掲載しています)
最終更新:2022-04-21 20:00:00
2150文字
会話率:27%
小説『大都会のセイレーン』で小説新人賞を受賞した覆面作家・朝海愛(あさみ・あい)の素性は謎に包まれていた。ベストセラー小説となった『大都会のセイレーン』の文庫版のあとがきは世間を騒がせた。
(この物語はmonogatary.com等のサイ
トに天野つばめ名義で掲載しています)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-20 14:00:00
3088文字
会話率:25%
遥か東方のカイラス山の破壊神を信仰する苦行僧が自身の苦行のために訪れた日の没するところの国々を破壊して回ったことを報告する書簡を主題として始まり、その地に住まう人々の記録から破壊の歴史の全貌に迫るオムニバス形式の手記・書簡体小説。
そのため
、作中の出来事はそれぞれの作者ごとの事実や関心に基づいた回想として記録されているため、所々で他者の記憶や記述と食い違うところが多々ある。
特に、主題となる書簡を書いている破壊神の苦行僧の価値観が非常に独特で、異国の習俗や世事に疎いことに加えて他者の名誉のために書いてないことが多いことに留意されたし。
また、信仰しているカイラス山の破壊神は決して正しい者の味方ではないので、絶対的な勧善懲悪にはならないため、
読む順番によって登場人物の印象が様変わりしていくはずなので、様々な意見や感想を寄せてもらいたいと思っているし、
オムニバス形式で1つの世界観を構築していくサイクル小説の実験作としても見てもらいたい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-27 07:30:14
67504文字
会話率:38%
一途な少年が愛する女の子に送る最初で最後のメッセージ。
※涙できる内容ではありません。少年に共感できる方ならもしかすると泣けるかもしれませんが……。
最終更新:2021-12-23 10:33:14
1019文字
会話率:0%
『月夜の甘棠』の続編!
甘棠の木を奪還することに成功したが……
最終更新:2021-05-02 15:02:00
1377文字
会話率:38%
燕という中国に存在した国の二人の君主を題材にした話。
これは「書簡体小説」!二人の書簡によって、
ストーリーが展開していく。
最終更新:2021-05-02 14:19:29
879文字
会話率:32%
書簡体小説を書こうと思ったのだが、どうにも書ききることができないという不安に襲われたので、とりあえず公開。一番言いたいことは、こういうこと(幸せの永続不可能性に対する拒絶)なのかもしれない。
他にも書きたい風景はあるが、それはぼくの人生の根
本問題ではない。しかし、もし書きたい風景を書けたら、それはとても素敵だと思う。
それに一番近いことができた作品は、「先天性ブルーチョコレート」なので、ぜひ読んでほしい。
他にも書きたい思考があるような気がするのだが、それは自分の苦しみを終わらせる役には立たないんじゃないだろうか、という不安がある。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-25 00:38:53
1961文字
会話率:0%
まだ誰も住んでいない家にこの手紙をおくります。
※ 恋文企画 参加作品です。
【企画概要】指定キーワード;恋文企画/お題;書簡体小説、ラブレター/開催期間;2018.2.10~17
最終更新:2018-02-10 19:00:00
2680文字
会話率:0%
「恋文企画」参加作。
勢いよく感情に任せて綴った恋文! の筈です……。
最終更新:2018-02-10 00:09:11
351文字
会話率:0%
「理系のおっさんが物理と魔法で異世界チート」シリーズからのスピンオフ。
魔族と人間の和平が成立して18年後、今度は魔王の娘ナーリンが、人間社会を学ぶため魔族の身分を隠して王都の学園に留学することになりました。
その学園生活をダラダラ
と日常風に綴ります。
話数は多いのですが一話一話はとっても短いのでお気楽に読めます。
たまに長かったりしますけど。
※完結しました! 新作連載始まってます!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-26 19:00:00
134002文字
会話率:11%
クリスマスの夜、『私』は廃ビルから街を眺めていた。
時刻は深夜二時。憂鬱な感情を抱えつつ、『私』は恋人に送った手紙を思い出す――。
愛と哀れみと執着について。
書簡体小説(手紙形式)です。
※カクヨムにて同時掲載中。
https://k
akuyomu.jp/works/1177354054884740835折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-24 03:27:38
9227文字
会話率:0%
旅行に出かけた妻から届いた一通の手紙。
笹川は浮き浮きしながらそれを読み始めるが、そこには……。
最終更新:2017-06-22 20:13:18
6424文字
会話率:0%
同じゼミの先輩“ゆきさん”に淡い想いを抱く女子大生、“鼎(カナエ)”。
ようやく“ゆきさん”の連絡先を知った彼女は知人の"いずみ"に恋愛の相談をする。
最終更新:2017-07-14 01:09:13
2112文字
会話率:4%
男は文通をしていた。しかし、相手が結婚式の準備にハネムーンと忙しい時期を迎え、返事が貰えなくなってしまった。
文通をしたいが、その相手もいない男は、架空の相手や自分自身に手紙を書き始める。
独り相撲の文通は、すぐに鬱屈とした心情の吐露へと変
わり、自身を見直す手段になる。
彼は、二十代後半にして未だ童貞だった。
自らの勇気の無さと無駄に高いプライドを認め、職場の美女と仲良くなろうとする。
回り道をしながら、何とか話しかけ、次第に仲良くなって、一緒に飲みに行ったりするようになるのだが。。。
机に積み重なっていく、宛先の無い手紙を綴る、書簡体小説。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-01-22 21:37:50
16058文字
会話率:2%
とある少女の最後の望みくらい聞いてあげようかなぁと思った、とある青年が書いた手紙。(書簡体小説習作)
最終更新:2014-06-15 23:37:20
1535文字
会話率:0%
電話はつながらなかったらしい。
※「小説ストーリーテラー」さまで「第五回一時間小説祭」に投稿したものです。
お題は『書簡体小説』
最終更新:2014-04-04 01:00:00
548文字
会話率:12%
おませな少女、春呼さんのはじめてのお便りです。
※自サイトからの転載です。
最終更新:2013-08-26 11:36:48
3725文字
会話率:0%
恋に敗れた女子大生のミユキ。ある日、誰もいない砂浜で一人佇み海を見ていた彼女は、ある一つの煤けたビンが流れてくるのを見つける。そこに入っていたのは、住所と一言のメッセージが書かれた一枚の紙だった。
そこから始まった手紙のやりとりを通じ、イオ
リと名乗る年配の男性と徐々に心を通わせていくミユキ。しかしイオリにもまた、未だ癒えない心の傷があった……。
これはとある男女の間で交わされた手紙と、彼らの周りを取り巻く人たちによって紡がれた物語。
※『カクヨム』様に重複投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-03-08 18:31:35
78208文字
会話率:6%
書簡体小説。ファンタジー。友情と嘘と文房具の話。
最終更新:2011-11-20 00:24:59
13064文字
会話率:9%