とある小説投稿サイトに『異界のおみくじ』という短編怪奇小説が投稿された。
実際に語り継がれる京都の伝承を元にしたこの作品では、文壇を目指す栗彦という名の男が、夢を叶えると言われるおみくじの内容を不服とし、底が着くまで引き明かした挙げ句、最
後にはその肉体を狐に奪い去られるという結末を迎える。
ある日“怪奇蒐集家”であり骨董屋の店主であるメザメの元へと、栗彦の妹だと名乗る女が、兄の魂を取り返して欲しいと依頼に来る。
ツユと名乗った女曰く、『異界のおみくじ』はフィクションではないという事である。
怪奇に目がないメザメは興味を示し、ツユの依頼を受ける事に決めた。
ツユはメザメの助手だというフーリという男と共に、怪奇を追う旅に出るのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-30 20:00:00
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会話率:41%