ケイン、私はこのように何もないのに頭からワインを零してしまうような不出来な人間です。どうか断罪してください。
ケイン、私は手を滑らせてスープを頭から被ってしまうような不注意極まりない人間です。どうか断罪してください。
ケイン、私は風邪を引い
て何日も寝込み、人に迷惑をかけてしまうような人間です。どうか断罪してください。
エイデン王国の第一王子であるケイン・エイデンは婚約者であるシャルロッテ・トレンシアに頭を悩ませていた。事あるごとに断罪を迫るシャルロッテと、どうしても彼女を手放したくないケイン。シャルロッテとケインがする選択とは。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-10 17:36:31
6505文字
会話率:40%
「まずは急な婚姻に感謝する、ユリアーネ・ベルンバッハー伯爵令嬢、いや、これからはユリアーネ・アードルング伯爵夫人となるな」
「?…はい」
彼女の目の前にいるのはこの伯爵家の当主を務めているカミル・アードルングで、ユリアーネとの婚姻はベルンバ
ッハー伯爵への資金援助を誓約とした政略結婚だと説明した。ユリアーネを娶った理由は高位貴族の身分を持つ令嬢を妻に迎えたかったからとし、さらにユリアーネとの誓約は、平民である愛人ロッテと入れ替わりロッテは妻として本邸で、ユリアーネは離れで生活を送るというものであった。
離れでの生活は衣食住が保証され、ただここに住まうだけで良いという。夫や社交に気を遣うこともなくマナーも気にせず好きなことを嗜み日々を過ごす。これってストレスもなく快適だと彼女は前向きにこの入れ替わり生活を謳歌するのだった。
平民の愛人が身籠ったことにより急遽企んだこの策は、うまく行くかと思いきや無自覚なロッテにより綻び始める。中身は平民のままなのに伯爵夫人として振る舞い始めたロッテの所為で、アードルング伯爵夫人となったユリアーネ・ベルンバッハー元伯爵令嬢の評判は王都中で地に落ちるのであった。
そもそもなぜユリアーネが婚姻相手に選ばれたのか。そこから全てが間違っていたとは誰も知る由もなかった。
そして、カミルが出した妻の両親への出産報告から事態は大きく動き出す。
「これはどういうことだ…」
周囲の結束により彼女の知らないところで、カミルらに罰が下され始めたのだった。
「あら?皆さんお揃いでいかがなさったの?」
離れから出てきた彼女を見た瞬間、一同は驚愕した。
1つの婚姻がとんでもないことを仕出かしていたのに、本人は至って幸せだったし、その後も幸せに過ごす、そんなお話。
このお話はカクヨムでも掲載中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-08 20:00:00
20601文字
会話率:53%
悪役令嬢に転生してしまったけれど、断罪後は幽閉されるだけ。
しかもゆるっと幽閉は理想の引きこもり生活!心置きなく悪役令嬢に徹しましょう。
冤罪を仕立て上げ私を断罪する予定の、義弟は思う存分嫌がられるまでかわいがる。
婚約破棄を宣言する予定の
皇太子には、思いっ切り冷たく接する。
「おい豚!」……はい?豚肉料理なんて、ありましたかね?もぐもぐ。
一時は豚と言われたけれど、見事ダイエットに成功して学園に入学。
「おい豚!」……いや、だから、私、痩せたよね?ってか、またお前か!皇太子殿下め!
は?美味しそうだなって、知りませんよ。誰がお前に前世知識で開発した絶品料理を食べさせるものですか!
ちょっ!食うな!お前に食わせる飯は、ねぇ!
短編連載「ぶたぶたこぶたの物語 ~悪役令嬢は断罪されたいので我儘に生きることにした~」長編版となります。こちらは学園生活がメインです。冒頭流れは同じですが、お茶会後から殿下の行動は変わっています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-12 12:19:43
163253文字
会話率:35%
前世の記憶を取り戻したレイナは、前世で自分と家族を惨殺した暴虐公爵への復讐を決意した。魔剣のスキルで不死身の力を持った公爵、倒すには魔剣が必要だ。
奴を殺せる魔剣を製作するため、レイナは魔剣鍛冶を志す。
やがてレイナは鍛冶職人として頭角
を現していき、個人の工房を持つまでに成長していく。
そんなある日、工房を訪れた貴族令嬢リリエラの発した一言が、レイナの運命を大きく変えることとなる。
「私にふさわしい魔剣を作ってくださらない?」
復讐に必要な魔剣、それを扱える者もまた必要だった。レイナはリリエラと復讐の契約を結ぶことを決意する。
「私の鍛えた魔剣で暴虐公爵を断罪してください」
「Sランク剣聖の私にお任せくださいまし。そのかわり恋人になってくれませんか?」
復讐が繋ぐ、鍛冶職人と貴族令嬢の魔剣ダークファンタジー。
※今作は短篇版です。好評であれば連載版として、後日連載を開始する予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-19 16:31:03
42736文字
会話率:46%
先輩は悲しそうな、困ったような顔をしていた。かわいそうなくらいに情けない表情だ。どうしてそんな顔をするのだろう? 今かわいそうなのは間違いなく私のはずなのに。 私は怒りとも、悲しみとも言えない感情をどこにぶつけたら良いのか分からなかった。大
声を出して泣いたり、ものを投げたりすればすっきりするのかも知れないが、そんなことはしなかった。ただ、右手でセーラー服のスカートを強く握っただけだった。 「倉田さん」 そのとき先輩の静かな声が響いた。同時に再び腕を捕まれる感覚。先ほどとは全く異なる強い力で引っ張られる。 気が付くと私は山辺先輩に抱き寄せられる格好になっていた。今までで確実に一番山辺先輩に近い位置だ。耳元で聞こえる呼吸や、心臓の鼓動がひどく現実離れしているように感じた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-01-09 18:32:33
77047文字
会話率:27%