甲武信ヶ岳への山行を共にした、高野鮎美、内村理沙、水原悟、井川房恵、飯豊昇、堀井文彦の六人の周辺で次々に起こる事故、事件を五話の短編で連ねた推理小説。
第一話 スパイト
高野鮎美は、高校時代からの親友二人と共に、南アルプスの鳳凰三山の山行を
計画する。その二日目の観音岳の頂上直下で、友人の望月愛と池永由加が転落し、池永由加が死亡してしまう。雨中の転落事故として処理されたものの、疑問を抱いた兄が知り合いの探偵の空木健介に、調査を依頼する。空木の調査によって、由加に何者からかの嫌がらせの手紙が送られていたことが分かる。空木は、高野鮎美が以前の甲武信ヶ岳登山で遭遇した、同様の転落事故を調べると、疑惑が浮かぶ。
第二話 未必の山
武蔵国分寺病院で入院治療中の患者、岩松兼男が点滴投薬中に急変死亡する。病院長の植草は薬の副作用での死亡だとするが、担当医の水原は、検査数値の中のカリウムの異常を知って、理事長の麻倉に内密に調査を進言する。調査は、外科看護師長の内村理沙の紹介で空木に依頼される。
第三話 悪酌
武蔵国分寺病院での患者死亡の被疑薬とされた、制吐剤「セロン」の製薬会社である、オーシャン製薬では、副作用の扱いで緊急情報を出すべきか、役員協議がされる中、機密データを奪われる事件が起こり、データを奪われる失態をした社員の兄から、空木にその調査依頼がされる。その調査の最中、オーシャン製薬社員の死亡事故が起こる。
第四話 白獣
中央線の跨線橋の下で、武蔵国分寺病院の副院長青山が生死不明状態で発見される。武蔵国分寺病院の理事長の麻倉は、病院で続けて起こる事件に、病院内部に問題がないのか、空木に調査を依頼する。調べにより、青山の転落にはある男の欲望と保身が潜んでいた。
第五話 死者のアベンジ
山で転落死したオーシャン製薬の木内範夫の妻、香織は、夫の犯した罪の真相を知りたいと、探偵の空木に調査を依頼する。空木はオーシャンの製薬営業本部長と対決する。その最中、オーシャン製薬から懲戒解雇が通知された桑田は吉祥寺駅で、何者かに突き落とされる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-14 15:20:37
154580文字
会話率:52%
※『がんばってカンストすると魔皇になります~うろ覚えHow to 知識から始まる能力チート生活~』のリメイクです。
大変なことをしてしまった。
倉木瞳は初め、自分が引き起こした事の大きさに不安を覚えた。
発端は研修を終え、配属された営業
部初日。
ある上司とのトラブルが原因だった。
「荒木さん、止めてください。セクハラですよ」
上司のセクハラを咎めた。
その日から倉木瞳は異常な量の仕事が回されるようになった。
新卒で覚えが悪い。要領が悪いと罵られながら、仕事に忙殺された。セクハラも犯罪まがいに悪質化していった。
上司の荒木はある日懲戒解雇の上、会社から訴えられた。
倉木瞳は我慢の限界を越え、労働基準監督署と本社に訴え出たのだ。
調査が始まり、横領が発覚した。
倉木瞳は報復を恐れた。
訴えたのが自分だと知られれば何をされるか分からない。
そんな不安を抱き、荒木のいない会社に出社すると同僚からとんでもないことを聞かされた。
「え? 荒木課長に殺された? 喜多村先輩が?」
報復されたのは自分では無かった。
「なんで‥‥‥? あ!」
倉木瞳はすぐに思い当たった。
荒木がクビになったあと、酒の席でつい喜多村にだけ、自分が告発したと言ってしまったのだ。
「まさか、喜多村先輩、私の代わりに‥‥‥?」
喜多村誠一25歳。
倉木瞳と同じくパワハラを受けていた一人だ。
彼女はそんな彼にシンパシーを感じていた。
彼も、整った容姿の彼女に好感を抱いていた。
荒木に問いただされ、自分がやったと言ってもおかしくない。
倉木は後悔した。
最後に話した時、喜多村に対し言ったことを。
『告発するなら喜多村さんからして欲しかったです』
身代わりになった一番の理由は、きっとあの恨み言だ。
取返しのつかないことをしてしまった。
後悔し、罪悪感に苛まれる倉木瞳にできることは彼の冥福をただ祈るのみだった。
―――そんな彼女の気持ちを他所に、異世界で始まった喜多村誠一の新たな人生。
パワハラに耐えるだけの冴えない人生とは打って変わって不正を許さず、見逃さず。
付いたあだ名は『陰謀潰しのバリリス侯』
その『記憶の神殿』に蓄積された詳細な記録を元に、人生を振り返る追想劇。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-19 23:00:22
355792文字
会話率:36%
うっかり、列車の中で寝過ごして、違う駅で降りただけの筈だった。
何で、そんなことから、勤め先を懲戒解雇され、家族から縁を切られ、10年も刑務所に僕は入ることになったのだろう。
僕のどこが悪かったのか、誰か教えてほしい。
最終更新:2020-07-11 06:45:50
2994文字
会話率:35%
株式上場の1か月前に乗っ取り騒ぎにすべての財産と夢を失って、立ち直るのに4年、ようやくある会社の総務部長になりあまりにも遅すぎる挽回に全力を注ぎました。それが2年後に役員候補となった時点で懲戒解雇。何と再びどん底に転落してしまいました。その
最中に膀胱癌が発見されその上手術検査で腎不全が判明、遂には透析人間に!私はそのどん底から生きるために不当解雇の裁判を始めました。それは先の見えない長い長い戦の記録です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-06 06:52:57
198043文字
会話率:49%
第5回オーバーラップWEB小説大賞に応募しました。
https://ncode.syosetu.com/n1029ez/1/
よろしければ、こちらもご覧下さい。
本作のパラレル設定の話です。
西暦2042年。
京都府警で働いていた28歳
木崎はひょんなことから懲戒解雇となる。
受け皿として転職できた職業は
「女の子を捕まえる仕事」ということらしい。
なんともいかがわしい…。
現場に向かうとマンガ世界から飛び出してきた刀を持った『真佐』という少女と闘うはめに。
木崎の同僚の善行寺や大町は彼女たちをビッグアイと呼んでいる。
なんとかビッグアイ真佐を保護した木崎だったが、次なるビッグアイが現れる。
仲間となった真佐とともに新たなビッグアイとの戦闘が始まる。
なぜ彼女たちは現実世界に、そしてどういった方法で…
今とは少し違う近未来の日本で、彼女たちはどう扱われ、木崎たちはどう生きていくのか。
異世界転移SFバトル小説となることを筆者自身が望む。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-09 07:54:43
113424文字
会話率:48%