2055年、世界はフェミニスト型巨人によって再編されていた。彼女たちはかつての人間とは異なり、圧倒的な力と知性を持ち、男性優位の歴史を粉砕した。そして新たに築かれた「ネオ・女性の人権国家」は、女性を至上の存在とし、肉体の性別がすべてを決定づ
ける社会を生み出していた。
かつての国家はほぼすべて陥落し、唯一、日本だけがその均衡を保っていた。だが、それも形式的なものでしかなく、日本の社会構造は女性優位へと完全にシフトしていた。男性は人権を得るために毎月2リットルの穢れた血を抜かれる義務を負わされ、女性はあらゆる特権を享受する。飲食店「ネオ牛角」においてさえ、女性は半額で食事を楽しめる一方で、男性は彼女たちのために支払わねばならなかった。
ナオコ・ブラッドリーは、この世界の中で最も宙ぶらりんな存在だった。彼女は肉体的には女性だったが、心は男性として生きていた。しかし、この社会では肉体の性が絶対であり、ジェンダーアイデンティティなど存在しないものとされていた。
ギロッポンのタワーマンション254階の自宅で、ナオコは男の奴隷「ギガデーモン」の背に跨りながら考えていた。男の奴隷は全員、脳が改造され、絶対服従するようプログラムされている。しかし、ナオコの前にひざまずくギガデーモンはかつて「ナカイ」として知られたスターだった。彼はかつての栄光を失い、今や従順な存在となっていた。
「世界を変えよう」
ナオコは静かに語りかけた。ギガデーモンは一瞬動きを止め、やがてその目から一筋の涙がこぼれ落ちた。プログラムされたはずの彼の心が揺らいだ瞬間だった。
ナオコは決起した。男の人権を取り戻すために。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-02-16 00:41:39
2059文字
会話率:34%
階層世界エルトミーナ国。そこでは、不老不死の機械女王がアナログ・コンピュータで国民を管理していた。王宮のある第一階層では、アイアンメイデンズと呼ばれるアリス達と、そこから選抜された王女・近衛が女王を守っていた。ここは完全な女系社会だった。
幼い頃に廃棄された元アリスのルイスは、心は男性にうまれついた、トランスジェンダーだった。男性による社会管理を夢見るジョンにそそのかされ、第一階層に侵入し、爆破テロを試みる。
女王の心臓とアナログ・コンピュータを停止させることに成功はしたが、社会は特に何も変わらなかった。ルイスは変わらず「運び屋」として飛空艇を操り、日々の糧を得ることに励んでいた。
ルイスの暮らす第三階層(富裕層)に現れた、アルビドゥスと名乗る少女機械技師。2人はすれ違いを続け、ようやく出会った時には、互いが互いの敵となっていた。
蒸気機関で工場が動き、公害汚染もひどく、人々は病魔と闘いながら、体を部分的に機械化して生活している世界です。スチームパンク&レトロフューチャーな世界を表現したくて、執筆に挑戦してみました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-08 10:26:24
18819文字
会話率:20%
先日、お仕事から帰宅してテレビをつけた時に、某テレビ番組で『オネエ』がテーマになってたのをたまたま見たんです。
今の日本で『オネエタレント』が出ない日って無いくらいよく見ますよね。
特にマツコ・デラックスさんってキー局のレギュラーが8本
あるんですって!
ちなみに、アメリカだと『オネエ』みたいなタレントさんはいないそうです。
そんな現代日本で愛される『オネエ』について、一般的な認識とゴリラ系TS女性の認識との違いについて語ってみました。
結局『オネエ』って何やろ?と思ってる方にとっては参考になるかもです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-11-06 08:00:00
2508文字
会話率:0%