伯爵家には男の跡継ぎがおらず、子は姉妹二人だけ。姉は家を継ぐ為に、妹は他人に愛され良いところへ嫁げるように、それぞれ区別して育てられた。ところが二人が成長したあと、姉の婚約者を妹が奪ったのだ。それを知った姉の行動は素早かった。専属執事と共に
父の書斎に乗り込んだのである。
姉の名はアザレア。薄い毒を有した華やかな花の名を持つ彼女は周りから「女傑」と呼ばれている。
※アザレアの一人称で語られるお話です。
※神崎 月桂様主催、「バチクソにカッコいい女の子を寄こせ杯」企画に提出した作品を加筆したものです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-15 10:53:35
4773文字
会話率:65%
リック=ハリソンは花屋の息子である。
『この花が開くとき、咲かせた者の心からの願いが叶うだろう』
はるか昔、花の女神ヨナハルが授けた種の謎は、数々の植物学者が挑戦し、敗れた難題。
興味深いとは思いつつ、「心からの願い」が何か、リッ
クはいまいちわからない。
決めたことは絶対曲げない生真面目一途ヒーローと、ヒーロー大好きふわふわ強かヒロインの、花に彩られた恋の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-27 19:19:58
13550文字
会話率:36%
「エレオノーラ、お前みたいな血も涙もないような冷酷な女を王妃には出来ぬ。王妃とは慈愛を持ち、国母となるのだ。私はお前との婚約を破棄し、新たに心優しく我が伴侶に相応しいヘンリエッテと婚約を結ぶことにする」
第二王子ジークフリートは自身の成
人を祝う宴の場で公爵令嬢エレオノーラにそう宣言した。王子の隣には花のような微笑みを浮かべる伯爵家の養女、ヘンリエッテの姿がある。
エレオノーラは冷や水を浴びせられたかのように固まる。今まで懸命に王妃教育を受け、冷酷と言われようとも静かに耐えてきたが、最愛の人からの言葉に今なら氷のようになってしまえるとすら思っていた──。
衆人の前で晒し者になってしまったエレオノーラは最後な力を振り絞り、毅然と対応する。
「私から婚約者を奪って満足ですの、ヘンリエッテ嬢? 奪って得たものはいずれ奪われるもの。真に価値あるものは自分の中にあるものですわ」
婚約破棄の意趣返しに、ジークフリートなど価値あるものではないと言い切り、ヘンリエッテも人のものを欲しがるだけの空っぽな女だと侮辱して皮肉げに笑って見せたエレオノーラ。
しかしヘンリエッテは笑顔を崩さずこう告げた。
「まあ、私もこんなバカ王子なんて要らないんですけどね」
(※設定はゆるゆるです。倫理的にアウトな表現・不快な表現があるかもしれませんがあくまでフィクションです)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-18 12:00:00
13947文字
会話率:45%
異世界トリップしてきた敬語娘と、獣人の青年の異類婚姻譚。価値観って色々あるよねっていう話です。
最終更新:2015-03-04 21:47:57
3467文字
会話率:31%