浄化の力を与えられ魔女になったフジコ09ことウヅキ・ウィステリア。
情勢が安定した途端、お払い箱となった彼女は、僻地の島の灯台守として派遣される。
その島の入江には、名もなき黒い一つ目の泥の獣が住んでいた。自らの醜さから彼は綺麗なものが好き
だったが、新しく赴任したウィステリアの歌声に惚れ込んでしまい、密かに彼女の歌を聴きにくるようになる。
そんな夢見る獣はどこか"彼"に似ていた。
かつて廃墟のテーマパークでウィステリアを守ってくれ、一緒に旅をした、彼女の初恋の相手の黒騎士に。
過去と現在が交錯し、やがてひび割れた約束が浮かびあがる。
※2022年文披31題参加作品です。
SFファンタジー風味。『霜月は雨、楽園廃墟の観覧車』(シリーズよりどうぞ)の続編ですが単体でも読めるかと思います(ただ前作のネタバレはあります)。
また「U-RED in THE HELL ーナラクノネザアスー」と世界観が共通しています。
それにより丹下左膳をオマージュ・モチーフにした部分が含まれます。(オマージュしました作品は著作権保護期間が終了したものでありますが、問題があれば対応いたします)
カクヨムと重複投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-25 07:06:23
284177文字
会話率:43%
主人公である蝶野コウジは、暗い山道を車で走っている際に事故を起こし、崖下へと転落してしまう。
そのせいで怪我を負い、スマホが壊れてしまう。
助けを求めようと真っ暗な森を進んでいると、とある廃墟へとたどり着いた。
どうやらそこはテーマパークの
廃墟で、中にはいるとひとりの女性が気を失い倒れていた。
蝶野が女性を起こすと、その女性は自分が誰で、どうして自分がここにいるのかわからない、と言う。
女性は頭を怪我しており、そのせいで記憶喪失になっていた。そのせいでスマホの暗証番号がわからず、助けを求める電話もできない。
女性の記憶を喚起させるために、彼女の持ち物だと思われる落ちていたビデオカメラの中身をたしかめることにする蝶野。
ビデオカメラには大学のサークルであるミステリー愛好会による、ドキュメンタリー映画の撮影の様子が記録されていた。内容は蝶野たちがいまいるこのテーマパークが廃墟になる前に、ここで起きた未解決事件の謎を探る、というものだった。
その事件の内容は、何者かによって謎の遺骨がテーマパークに遺棄され、その際にそれを遺棄した人物が逃走し、片足の靴を残した。そのため事件は『シンデレラ事件』と呼ばれていた。
ビデオを観終えるも、女性の記憶はもどらず、しかたなしに出口へ向かうと廃墟の扉は何者かによって閉ざされ、閉じ込められていた。
困惑するふたりは、女性のサークル仲間もここにまだいるはずだと結論づけ、彼らを探して助けを求めようと廃墟をさまよう。
すると男の死体と、そのかたわらに落ちていたビデオカメラを発見するふたり。
いったい何が起きたのか知るためにビデオカメラの中身を確認すると、そこにはレインコートを羽織い、狼マスクをかぶった殺人鬼が映っていた。
そいつは連続誘拐殺人犯として巷で有名な殺人鬼で、通称『ウルフ』と呼ばれていた人物だった。
やがてふたりは悟る。危険な殺人鬼がいる廃墟に閉じ込められていることに……。
こうして命がけのサバイバルがはじまる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-17 19:33:57
142526文字
会話率:60%