山伏が目視している目標に、護符(アムレット)を利用した誘導部品を取りつけた迫撃砲弾・航空爆弾が正確に命中する世界。1943年時点の大日本帝国は連合国相手に優勢を保っていたが、ドイツの戦況は思わしくない。もともと神仏分離令や廃仏毀釈を快く思っ
ていない山伏の中でも、さらに朝敵藩とされた一派の一団を潜水艦でドイツに送りこむことになった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 21:00:00
13174文字
会話率:34%
比較宗教学を専攻する米国人大学院生マイケル・ジョンソンは、静岡市の浅間神社で行われる廿日会祭を見学中、意外な光景に出会う。黒い袈裟を着た若い修行僧たちが神社の境内で屋台のケバブを楽しんでいたのだ。地元の老人・田中との対話を通じ、マイケルは日
本独特の宗教観に触れていく。神仏習合の伝統、そして明治時代の廃仏毀釈という断絶を経てもなお、日本人の中で神道と仏教が共存する不思議。臨済寺の住職との会話は、この宗教的共存がDNAのように日本人に受け継がれていることを示唆する。マイケルは、日本の成り立ちと大陸からの多様な文化の流入が、異なる宗教の共存を可能にし、西洋には理解しがたい「しなやか」な宗教観を育んだのだと悟る。政治による分断の試みを乗り越え、調和を求める日本人の精神は、海外から見れば異質だが、日本の歴史と文化の本質を映し出している。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-04-06 06:23:46
3484文字
会話率:58%
明治になったまもないころ。できたばかりの内務省に秘密裏に妖怪鬼神気障専門の特別案件対策課ができた。仏門界と神道界の異能によるエキスパートの集団である。別称トッケン。
廃仏毀釈のまだ残るような時期。仏門界をなくそうとする一派に虐げられ寺嫌い
になった風来僧侶、壇宮寺永世(だんぐうじえいせい)は、神道の相棒も持たず、ふらりと任務をこなしながら旅をする。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-06-08 08:54:13
11556文字
会話率:24%
水亀カウンセリングルームの代表カウンセラー水亀信乃は神社でアルバイトをしている。アルバイトをしていたある日のこと。魂の終わりを迎えようとしている一人の化物と出会う。その者は、百五十年ほど前になる廃仏毀釈の際には、かつて、円昌寺という寺の住
職だった。
「誰にでも悩みはある。神様も、化物も、人間も」に登場する真のクライアント円覚とのカウンセリング談話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-20 00:03:43
19051文字
会話率:57%
中央集権を目論む明治政府は、大規模な霊的技術の接収、霊能者の粛正を目的とした通称「呪(まじな)い屋処分」を断行した。
後に「廃仏毀釈運動」の名で徹底偽装されたこの破壊工作の一部隊を指揮したのは、一瀬伝八。
無敵の剣と称された元新撰組三
番隊組長・斉藤一その人であった。
僅かに斬り残した式神使いを、彼は追い続ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-03 23:00:00
11096文字
会話率:42%
時は明治三十九年。淫祠邪教と迷信がこの国から廃滅されようとしていた時代。古より何かが祀られ続ける山に入り込んだ男は、そこで小さく奇妙な“神”を見た。
最終更新:2017-05-20 00:41:09
10845文字
会話率:35%
冬の京都の町に、はるばる群馬県の高崎からある依頼を受けて盲目の巫女『布施美夜子』がやってきた。その依頼とは「伏見の稲荷社をお護りすること」。
明治の廃仏毀釈運動によって伏見稲荷から取り払われた『愛染寺』。それは職能集団の手によって上野の
国高崎まで運ばれて、再び立て直されていた。美夜子はそこから派遣された『祓い巫女』であった。
同じ頃、武蔵国国立にはもうじき高校を卒業する『等々力観名』がいた。実家の事情で、高校を卒業すると祖父の神社に巫女として就くことが決まっているのだ。なので、観名はすでに人生が詰んだような諦めの気持ちで残り少ない高校生活を送っていた。
伏見の稲荷社、京の民衆の信頼と欲望に支えられて1300年が経つ。その間何度となく焼失しているが、民と巫女と修験者と、それに神霊の働きで再びよみがえってきた。
しかしそこには多くの因縁と怨念がからみつき、1000年の時を経て強大な怨霊となって21世紀の伏見稲荷に今襲いかかった。
奇妙な事情で京都までお使いに出された観名は、美夜子と出会って巨大な『野狐祓い』の神事に巻き込まれる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-01-03 13:12:14
189457文字
会話率:63%