「では皆さん、私の目をよく見てください。あなたたちはこれから一年間、私の思い通りに動いてもらいます」
高校の入学式の日、教壇に立った女教師はそう言い放った。彼女の催眠術にかからなかったのは、どうやらクラスの中で俺一人だけらしい。
催眠
術が使える怪しい担任と、情緒不安定なクラスメイトたち。そして、人間不信からくる幻覚症状を持つ俺。問題児だらけのこの教室には、ある重大な秘密が隠されていた。
心を病んだ高校生たちの、再起の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-13 20:17:56
102904文字
会話率:35%
若くして難病《マラド・ムスターシア》に侵された結城内乃介《ゆうきないのすけ》。母を21歳の時に亡くし、資産家の父はその2年後に愛人と再婚。内乃介は父に1億円の小切手で縁を切られる。そのカネでひとり豪邸に住んでいた時に、フリーランサーの神経内
科医・ドクター丘乃《おかの》に生涯治る見込みのない難病であると宣告される。
振戦(手足の震え)、筋固縮(筋肉が固まること)、無動(身体が動かなくなること)、失禁など病状は急激に悪化していき、やがて車イス生活を送るようになり、なぜ生かされているのかひとり悩むことに。
そこに突然現れたのがクスリの副作用でもある幻覚症状から生まれた幻覚少女ホリー。
ホリーは毎日のように内乃介の前に現れては内乃介の心の闇を消し去っていくのである。
やがて、内乃介は現実世界《ラ・リアラ・モンド》と異世界《マルサーマ・モンド》の境目を喪失し、ホリーを心から愛してしまうことに。
そして、2030年に時間と空間を超越し、内乃介の愛によってホリーは人間となるのである。
しかし、2人が辿り着いたのは2018年で、時空は逆行してしまう。
それは内之介にとっては健常者であった時代。本当であれば喜ぶべきところなのであるが、現実は首から下が全く動くことができないアキネジア(無動)状態の内乃介の姿がそこにはあった。
ホリーは内乃介を今ある状態から何とかしなければ…。
また彼女は彼の子を身籠っていたのである。
近未来に発表されたリポートを入手したホリーは、M78星雲のパンドラ星にこの難病を救う手立てがある事を知り、内之介を助けるべく宇宙船に乗ってパンドラ星へ行くことに。
その援助には疎遠だったはずの内之介の父親が名乗り出て来た。
しかし、2018年の宇宙船は未来のモノに比べれば雲泥の差でオンボロ。
果たして、無事にパンドラ星に到達できるのか……。
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若くして難病にかかった著者の実体験に基づく生かされるとは何か、幸せとは何か、恋愛とは何か、欲望とは何かをテーマにした私小説でありながらも、現実世界《ラ・リアラ・モンド》と異世界《マルサーマ・モンド》を行ったり来たりするサイエンス・フィクション小説でございます。
この小説はきまぐれな幻覚少女ホリーがストーリーを破天荒な世界へと導いていくのがキモとなっております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-22 22:00:00
84250文字
会話率:26%
主人公である高校生の新葉瞬一(にいばしゅんいち)には、唯一友達といえる小学4年生の少女・水瀬姫子(みなせひめこ)がいた。
姫子は≪幻視症≫という病を患っている。……幻視症とは、そこにあるはずのないものを見てしまうという幻覚症状のひとつで、幻
視をしてしまう病である。そして、彼女はその幻視症患者という括(くく)りの中でも、一際(ひときわ)特殊な存在とされている。何が特殊なのかと言うと、彼女は見えてしまっているものの存在を完全に受け入れている。
そんな彼女は、この世界とは違う世界を見ることができるという。
「ひめはね、その世界のお姫様なの。そこにあるおっきいおしろに住んでるんだよ」
瞬一は興味を持ち、行ってみたいと発言をして、その日の夜に……赤い世界へ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-11-06 01:30:34
25933文字
会話率:27%
突如として国民全員が幻覚症状に襲われる。人々が炎によって焼かれる様はとても不気味で痛みも感じ、決して逃がれられる事は出来ない。しかし、幻覚が起こるのは不定期で元に戻ると何事もなかったかのように時は進み始める。国民全員がパニックに陥る中、隆一
はその幻覚症状を起こした幼女に目を付けられる。彼女の目的は隆一を幼き少女のような純粋さで玩具のように弄ぶ事である。そして隆一は幼女に命令を与えられ、生きるために止むを得ず従う羽目となる。幼女が与えた最初の命令は「もっとも大切な人を自分の手で殺す事」だった。隆一の選択肢は果たして自分のために誰かを犠牲にする事か、自分自らが犠牲になる事か、それとも別の何かなのだろうか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-10 00:02:12
8833文字
会話率:69%
中3の夏交通事故にあい、それ以来恐ろしい幻覚をみるようになった桐島五郎少年の恐怖体験。その恐怖は果たして現実か幻か。3万文字ちょいです。ぽろりはないよ。
最終更新:2014-08-19 23:56:04
33397文字
会話率:47%
『因幡志朗』は、幼い頃より幻覚症状に悩まされてきた。その原因は、高校生となった今でも明確にはなっていないが、長く患っている事もあり、その症状とも上手く付き合えるようになっていた。そんな折り、志朗は通学路にて、意味不明な言動で詰め寄ってくる
謎の女性に遭遇する。要領を得ない彼女の言動に当惑しながらも、どうにか応対する志朗。ところが、その女性は志朗の幻覚だったのだ。志朗はそれに気付くと、幼い頃からお世話になっている精神科の主治医に相談すべく、病院へ向かおうとする。だがその時、一人の少女が志朗に声を掛けてきた。その少女は、志朗と同じ学校の同級生で、『水沢ひかる』と名乗った。そしてひかるは、志朗へと不可解な言葉を投げかける。彼女は、さきほど志朗の幻覚に現れた女性が、自分の母親だと主張するのだ。この出会いが、志朗の日常に劇的な変化をもたらす事となる。
※この物語はフィクションです。劇中の医療・行政行為等には、多分に演出が為されています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-05-06 11:03:20
393531文字
会話率:62%
那波華はある夜から立て続けに奇妙な夢を見るようになる。次第にその夢は鮮明になり内容も意味深になってゆく。同じ頃、ある猟奇殺人事件を起こした死刑囚の獄中死を皮切りに、携わった人間が次々に怪死する事件が起きる。ネットの掲示板では夢に現れ、狂笑す
る女”キョー子”の都市伝説と怪死事件の関係が頻繁に噂されていた。また、猟奇殺人の目撃者となった刑事は犯人の死後、奇妙な幻覚症状に悩まされる。華の夢に現れる彼女は果たして”キョー子”なのだろうか。”キョー子の呪い”に罹ったものの運命は?次第に精神を蝕んでゆく悪夢とともに人々の想いは交差し、やがてそれぞれの運命を歩み始める。その先に待つ結末とは・・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2008-09-21 23:49:42
2086文字
会話率:15%