かつて、王太子妃候補として王国中に名を馳せた令嬢――リディア=エルミナ=クロフォード。
だが、ある日突然、彼女は“理由不明の婚約破棄”を言い渡される。
すべてを失い、実家からも見捨てられ、王都の片隅にひっそりと身を隠す彼女に届いたのは、
一通の密書だった。
「――王太子の命が、近く狙われる」
その一文を読んだ瞬間、リディアは知った。
自分が捨てられたあの日と、この毒殺未遂事件は決して無関係ではない、と。
舞台は再び王宮へ。
かつて捨てられた令嬢が、今度は“真実の証人”として戻ってくる。
陰謀渦巻く宮廷にて、彼女は自らの手で証拠を集め、
王太子暗殺の背後に蠢く“王家の闇”に迫っていく。
冷たく変わってしまった王太子・アレクシスとの再会、
疑念と懐疑の狭間で揺れる心――
だが、リディアの瞳は決して曇らない。
信じていたのは、かつて交わした“誠実な契り”と、
何より自分自身の直感と、知性。
毒、裏切り、仮面の舞踏会、そして失われた愛。
すべての真実を暴いたとき、王国は変わり、
そして“捨てられたはずの婚約”は、再び蘇る。
「私にとってあなたは、“王太子”である前に――
ただ、ひとりの、愛しい人だったのです」
これは、一度すべてを失った令嬢が、
その誇りと愛を胸に、王国の運命を変える物語――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 21:09:33
2986文字
会話率:17%