夢写師シリーズ完結編!魂が導く“写し世”の結末
霧梁県・久遠木町。霧に包まれたその町で、ある日突然、人々の記憶が次々と失われていく異常事態が起こる。家族の名前が思い出せない、日常が崩れていく——その異変の始まりとともに、止まっていたはずの
時計塔が不気味に動き出した。
夢写師の家系に生まれ、科学を信じる工学部生・橋爪カレンは、魂を可視化するデバイス「SID」を用い、現象の解明に挑む。しかし、量子データでも解析不能な“魂の叫び”に直面したとき、カレンは母・ルカが扱うアナログな魂写機の力を知る。過去に失踪した大叔母チヨの記憶、霧に隠された町の真実、そして未来を写し出す写祓の技術。
デジタルとアナログ、科学と祈りのはざまで揺れるカレンの心に、大学の仲間であるユウキとの絆が深まり、彼女の中で新たな夢写師としての「覚悟」が芽生えていく。
霧見駅跡で目撃したのは、1945年に消えた列車の記憶。そして、町を覆う霧の中心には、記憶を喰らう“何か”が眠っていた。
残された時間はあとわずか。失われる記憶を取り戻し、止まった時計を再び動かすために、カレンはすべてを懸けて「写す」ことを選ぶ。
これは、“写し損ねた想い”に光を当てる、夢写師最後の物語。
夢写師シリーズ一作目
「夢写師チヨと白い狐 ―記憶を紡ぐ、写し世の欠片―」
https://ncode.syosetu.com/n0724ko/
夢写師シリーズ二作目
「夢写師ルカと黒い狐の廃墟録 ―光と影の記憶譚―」
https://ncode.syosetu.com/n2282ko/
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 15:10:00
62858文字
会話率:18%
ある日突然、幼なじみの少女・西園寺遥が「あと五日で記憶をすべて無くす」と瑞樹に告白をする。
それは、遥の「記憶が毎日少しずつ消えていく」カウントダウンのはじまりだった。
前の日のことも、笑いあった思い出も、やがて自分の存在すらも――遥の中
から薄れていく。
けれど瑞樹は決意する。「好きだ」と伝える最後の日まで、何度でも彼女と向き合い、思い出を重ねていこうと。
失われる記憶の中で、二人が見つけたのは“記録”ではなく“感情”。
過去が消えても、心がまた惹かれるなら、それはきっと本物の恋。
これは、忘れられても好きでいられるかを問う、切なくてあたたかい、五日間のラブストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-15 17:49:52
5816文字
会話率:39%
王国の隠されたる罪。
魔との戦いに身を捧げた青年は、偽証によって陥れられ、地下牢に幽閉される。
それから月日は流れ、そこに知りたがりの姫君がたどりついた。
【他サイトにも公開あり】
最終更新:2022-01-11 19:35:03
8000文字
会話率:22%
一鍬ごとに鍬が根元までサクッと入る。表層の固さとは大違いだ。どのあたりから柔らかくなったのか、きっと雅が最初に掘ったあたりからではなかろうか。でなければ、徳治や為吉の掘る速さが異常であった。二十歳をすぎて間もない雅でさえ腰の深さまで掘るのに
汗みずくになったというのに、少し道を手入れする僅かの間に徳治は胸まで掘ってしまった。為吉にいたっては、雅が草刈りをする間に背丈を遥かに越えるまで掘り進んでいる。別に体格が優れているわけでもなく、力が強いわけでもないのにである。
『ぼちぼちだな……』
五寸、五寸と二度掘った雅は、さらに鍬が吸い込まれることに嫌な予感を感じている。
鬼灯は、枯れてなお中に実を留めることから、牢獄を意味し、その形から人魂を連想させる……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-08-27 13:21:21
6784文字
会話率:26%
いつの日からか、特殊な能力を持つ人間が稀にうまれるようになった。
そんななか、能力を持たない少年、一(はじめ)は、レジスタンスの一員として、武器の修理をしながら幼なじみの少女、一葉と暮らしていた。
一方、能力を持つ少年、東雲巴は強大な
力と、それを使用するたびに失われる記憶に翻弄されながらも軍人としてレジスタンスを討伐する日々を送っていた。
一と巴。今までまったく違う人生を歩んできた二人。しかし、二人が再会する時、止まっていた世界は動き出す。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2011-08-16 02:22:23
2054文字
会話率:46%