とある帰り道に列車が止まって
予定外に数分プラットフォームでぼんやりした思い出を書いてみました。
たまたまのタイミングで味わえる幻想が好きです。
最終更新:2021-05-20 18:50:53
347文字
会話率:100%
俺は肌寒い空気に晒されながら、夜のプラットフォームにぽつんと立っていた。そこに漂う闇が、俺に混乱と煩悶の気持ちを抱かせた。だが、俺は彼女を待ち続けて、ただひたすらに祈っていたのだ。婚約していた彼女と喧嘩別れし、もう寄りは戻せないかと思ってい
た。けれどその矢先、彼女から電話があったのだ。そのほんのささやかな希望を頼りに、俺は指輪をして彼女を待っている。寒さなど、気にならなかった。この胸の奥から、狂おしいその熱情が、確かに体を火照らせているからだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-12-03 18:22:30
5265文字
会話率:5%