地球を飛び出し、銀河系のいたるところに拡散して生息域を広げ、離合集散・栄枯盛衰・切磋琢磨を繰り返した末に、全銀河・全人類を包含した統一政体のもと、恒久平和を実現するに至った人類の、一万年にも及ぶ、大樹のごとき歩みの経脈-それが、銀河戦国史
です。
その大樹よりこぼれ落ちた一葉の物語が、今日もエリス少年のもとに舞い込むのです。彼は、恒久平和実現後の銀河系で暮らす、歴史好きの少年です。今日も彼は、一葉の物語に乗って、遥かなる歴史の探索に乗り出すでしょう。
さあ!あなたも、銀河系を股にかけた全人類史という壮大な歴史叙事詩の1ページを、エリス少年と一緒に垣間見ようではありませんか!
今回エリス少年のもとに舞い込む物語は、銀河史中世初頭を舞台とするものです。銀河連邦と一定の交流はありながらも、その本部と遠く隔たり往来が困難である事から、連邦による支援や規制が行き届かず、不公正で不安定な統治状態にある星団帝国「グレイガルディア」における、内乱の模様が描かれます。
皇帝親政を望む勢力と、皇帝から統治の実権を奪った軍事政権を取り巻く勢力が、「グレイガルディア」の覇権を懸けて争います。更に、両者から締め出されてしまった人々、「アウトサイダー」も絡み、内乱は複雑化し、混迷化します。
戦乱の中で人々は辛苦に喘ぎますが、特に、帝政にも軍政にも見放された「アウトサイダー」の境遇は、悲惨なものです。そんな彼等の中に、「ファング」と呼ばれる最強の戦闘艇団が現れます。盗賊兼傭兵を標榜する彼等は勝手気ままに、襲って殺して奪って犯して、といった活動を自任しています。
そんな「ファング」が帝国の内乱に、どのように関わって行くのか。そして内乱は、どのように展開し、どのような結末を迎えるのか。内乱の中で、戦い、傷つけ合い、奪い合い、殺し合う一方で、助け合ったり、慰め合ったり、愛し合ったりする人々の姿も交え、「ファング」の戦いは描かれます。
「ファング」のかしら、カイクハルド、軍政打倒に挙兵した名将、プラタープ・カフウッド、辺境への蟄居を余儀なくされた「グレイガルディア」皇帝、ムーザッファール、統治の廃退に憂慮する軍事政権総帥ラフィー・ノースライン、「ファング」に捕らわれカイクハルドの妾とされた貴族令嬢、ラーニー・ハロフィルド。彼等の織り成す物語を、是非、ご覧あれ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-19 17:00:00
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会話率:49%