あなたは文通をしたことがありますか?
手紙だから話せること。手紙だからこそ伝えたいこと。
便箋に感情を込めて、時間と互いの距離を感じながらの文通――――。
桜が蕾をつけ始めた、雨の日のこと。
中学校卒業を目前にして大学病院に入院することに
なった皆川聖が、彼に出会ったのは小さな落し物がきっかけだった。左腕に包帯を巻いた19歳の青年、北瀬智尋と出会ったのは病院内にある図書室。
患者衣を着ながも笑顔でいる彼に、聖は少しずつ惹かれていき、退院後は手紙のやり取りをすることになる。
亡き家族を想い続ける聖と、病気と対峙する智尋。心の奥に抱える暗さを伝えられたのも『手紙』があったから―――。この物語はそんな二人の淡い恋の叙情譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-09-08 00:04:42
44497文字
会話率:34%
図書室の窓際に座る片平に惹かれたのは去年の春。それからずっと、話しかけてみたいという夢を抱いた
最終更新:2011-12-11 13:38:35
4811文字
会話率:15%