哲学の道の疏水には、かつてホタルが乱舞していた。尾津は高校生の頃、西田真澄と一緒にホタルを見た甘酸っぱい恋の思い出がある。
数十年が経って、尾津は孤独な老後を迎えようとしている。過去を回想するだけの日々は空しかった。
「疏水にホタルを復
活させよう」
尾津は生き甲斐を見つけた。だが、協力者が現れるどころか、むしろ苦情を持ち込まれる有様だった。
※ この作品は「北条かおる小説工房」(第42夜)に掲載しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-16 09:55:56
9994文字
会話率:15%
京都の大学生の、サークルの後輩の女子大生との恋愛話。初夏、初めてのデートの日、哲学の道で蛍を見つけた僕は、蛍の求愛、生殖行動についてウンチクを語ったところ、彼女と気まずくなってしまう。
クリスマスイブの日、再度デートで哲学の道を訪れたと
き、そこに飛んでいたのは蛍ではなく、雪だった。
「ゆきのまち幻想文学賞」落選作品の改稿です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-06 10:38:32
4326文字
会話率:24%