十五回目の妻の命日。夫は娘と息子とともに、雨の降る墓地へと向かう。生前、家族を支え続けた妻の思い出が、静かに彼らの胸を満たす。食卓を囲んでの談笑、正義感の強かった彼女の姿、そして最期の言葉——「だからあなたがしっかりとみんなを守っていくんだ
よ」。
妻を失った悲しみは、時の流れとともに形を変えながらも、家族の中に生き続けている。やがて訪れる夕暮れ、梅の花が光に照らされ、まるで彼女が微笑んでいるかのようだった。
過ぎ去る時と、変わらぬ想い。『命日』は、別れと再生を描いた、静かで温かな家族の物語である。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-03-08 17:13:07
3600文字
会話率:42%
「私」はこの年齢_二十七歳_になるまで結婚式、お葬式共に出た事がない。
いや、厳密に言えば、小さい頃に近所のお葬式に出た事はあるのだが、大人になってからはない。
そのせいからか、私は向こうから来る別れと言う物にすごく弱い。
今までだって別れ
は数多くあった。しかしそれは私が全て選び、決断した別れだった。言い換えるなら、別れは私が呼び寄せた。
友人にしても、仕事にしても、恋人に対しても。
しかし今回は向こうから別れが来る__。「私」の気持ちをレストランの閉店と合わせて書いた静かなさよならの物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-13 22:32:31
3728文字
会話率:32%