ライオ・クレメンスは、ただの農家の息子。貧しい家庭の長男として家計を支えるため、日々苦労しながらも素直で明るく、少し狡賢い一面も持つ青年だ。そんな彼の唯一の「武器」は、誰にも負けないほどの運の良さ。どんなトラブルに巻き込まれても、最終的には
運命にうまく転がされて解決してしまうのだ。
ある日、ライオは家計のために家を出て、冒険者として生計を立てる決意をする。だが、彼が目指すのは大きな冒険でも英雄的な行為でもなく、あくまで家族に仕送りして楽をさせるための「ちょっとしたお金」だった。だが、そんな思惑とは裏腹に、ライオの周りには次々と予期せぬ出来事が待ち構えている。
魔物の襲撃、難解な問題、立ち上がることすら怖がるような戦闘——ライオは、どれもこれも他人の手を借りることなく、偶然居合わせただけで問題を解決してしまう。しかし、彼自身は全くそれに気付いていない。運良くピンチを切り抜けることで、何故か仲間から「英雄」と呼ばれるようになる。
そして、ある日、王宮から突然呼び出しを受けるライオ。そこで告げられたのは、彼が国を救った英雄だという事実。実際のところ、ライオが行ったのは、運良く魔物の襲撃に居合わせただけだが、周囲からは「奇跡の活躍」として讃えられ、一代限りの準男爵の称号を授けられることに。
そんな運だけで貴族になってしまった彼の貴族になるまでの物語折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 11:30:00
12820文字
会話率:41%
『私は今からできるだけ濃い文字で、できるだけ長持ちするであろう紙にこれを記す。』
現代の日本、自分の世界に入り込むのがちょっと好きなだけの平々凡々な男はいつも通りの代わり映えのしない日々を過ごしていた。しかしある日突然、第三次世界大戦と人
類滅亡の幕開けに立ち会ってしまう。
デモ隊の隆盛とそれに対抗する国家権力による道路封鎖、また誘発される流通機能の麻痺やそれによる食料品不足など。目まぐるしく変わる世界情勢、崩壊の足音が忍び寄る日常。完全なる非日常の地獄はすぐそこまで迫っていた。
しかし他人の喧騒に対して恐怖を抱いてしまう男は、人類が滅亡の危機に瀕していてもその性格が変わることはなかった。周りの人々とコミュニケーションをとって助け合い何とかして生き延びる道を捨てることを選択し、完全に人類が滅亡してしまうまで男は一人で引き籠って過ごすと決めてしまう。
人類が滅亡に向かって一直線に進んでいき、世界が混乱の渦に巻き込まれる中、人の手を借りることなく孤独に生きた男は何を思ったのか。
孤独に慣れ、周りから人の声が聞こえなくなるほど時が経ち、もう自分の行動できる範囲に人は残っていないだろうと悟った男は何を考えたのか。
もうできることが絶え、居場所を転々とせざるを得なくなった男が最後に遺したモノとは……?
『死にゆく世界の歪みより、希望を込めて。』
ダークなSFやディストピア小説が好きな方にオススメの作品です。
※この作品はカクヨムにも掲載しています。内容に加筆はしていませんが、話数の立て方が小説家になろうの文字数制限の関係で変わっています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-10 15:21:30
6460文字
会話率:12%
哀れに欲まみれな人生の後は、、、?
今までの僕の人生は、、、?
ごくごく平凡な人生だったんだ...。
僕の名前は、『立川 ひろと』27歳独身、3年以上も彼女がいないし!
好きな女の子もいない! 仕事も、普通のサラリーマンだしね!
借金
や親に迷惑をかけることなく、貯金もコツコツ出来ているよ!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-31 03:00:00
2142文字
会話率:29%
学校へと行く途中、主人公は足の不自由な少女を度々見かけるようになる。少女は誰の手も借りることなく自身の足で必死に歩いていた。そんな少女の姿を見ることで、「歩く」ということの本当の意味を考えるようになる主人公。そしていずれ、少女に対して憧れの
ような感情を抱いていくようになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-08 07:00:00
936文字
会話率:0%