渡り鳥であるルリビタキは、夏になると気温の低い山奥にやってくる。避暑地のコテージで人間に飼われている真っ白な文鳥との鳥籠を介しての交流が、二羽の運命を変えていく。
最終更新:2024-09-02 18:00:00
7362文字
会話率:59%
これは、バラバラになった世界を旅する二人の物語である。
世界は分断された。
閉ざされ交流がなくなった人々は己の国に生きていく。
国は深い大地の下にあるという。それが本当なのかなぜそうなのか。わからない。
ススキに似た背の高い麦
が生える荒涼とした大地。
平地と丘と低い山。どこかに流れていく細い川。
いつ誰が築いたのか知れない道。
道をゆけばときおり出現する|祠《ほこら》は国へ入口。
旅人だけが行き来できる、たったひとつの交流チャンネル。
「ねぇピコ。次の国はなにかな」
「知らない。いけばわかるだろ」
「つまんねーヤツ」
「詰まんない? ガオの20㎜砲よりもか?」
「オレの20㎜は詰まんなくない。そこに直れ! 証拠をみせてやる」
少女のピコバール、軽戦車のガオ。
ふたりは、きょうもなかよく麦の道をゆくのであった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-26 08:00:00
94290文字
会話率:61%
ワクワクとして行った冒険者登録。
ところが、不遇職であるビーストテイマーになってしまう。
しかも『S級ビースト・テイマー』という、S級のビーストをテイムしないとレベルが上がらないという不遇オブ不遇。
兎にも角にも前を向くしかない、とビー
ストテイマー講習施設のある低い山に向かう。
そこで出逢ったのは、S級ビーストである巨大な黒ヒョウだった。
「く、食われる!」
「ガゥ?」
「……………………あれ?」
黒ヒョウのムスタファをテイム出来たおかげで、まさかのレベルが爆上がりだったが、予想だにしないトラブルも。
ギルドに報告しに行くと、そこには可憐な少女が。
ギルド長をしていた少女――リディアに「父を探す手伝いを!」と頼み込まれ、上級者向けダンジョンに行くことに――――。
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((o(´∀`)o))ワハー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-19 18:09:25
85327文字
会話率:41%
「ココは……何処だ?」
大潮と暴風雨によって島の峡谷に挟まる様に座礁する船。その中で目覚めた男は船から一歩出て絶句する。
「何でじゃ? 船は……確かに沈んだ筈……」
だが目の前には……薄く噴煙がたなびく低い山がそびえ、自分の足元
には……確かに沈んだ筈の……“自らが沈めた筈の”船が在った。
男はその場にへたり込む……
「何故じゃ?? 何故、儂は生きておる?? 日の本から出奔する時……神仏に加護は無用と誓した筈じゃぞ!!!」
娘を助ける為に……他の全てを捨てる……そう誓った。帰る場所も、先祖から賜った名も、“虐げられる民を助けん!”と誓った仲間も……
方々が裂けた甲板の上で一時座り込んだ男は、神仏の無情を嘆いたが……誰も自分を罰してはくれない事を悟った後、仕方なく立ち上がった。
そして……それから数年、自分が居るのが激しい海流と暗礁に囲まれた小さな島である事を知った。
全てを捨てた男は偶然島に行き着いた娘を助け……二度と関わるつもりの無かった人の世に再び現れる。そこには……自分の知る者達とは違う……しかし同じ様に虐げられた民の姿があった。
男は新たに誓う……一丁の村田銃を背負い、今度こそ革命と開放の嵐に飛び込む事を……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-02 15:08:39
17674文字
会話率:54%
貧しい平民の娘ミラーナと若き青年騎士レディックは互いに一目で恋に落ちた。
魂が惹かれ合うように出逢ってすぐに愛を交わし、その直後にミラーナはレディックの前から姿を消した。
六年後。レディックは五年間続いた戦で武功を挙げ、イーヴェルの英雄と
なって再びミラーナの前に現れた。
しかしレディックが会いに来たのはミラーナではなく、ミラーナの娘ナデッタだった。
「貴方様の娘ではありません!」
そう言って誤魔化しても冷や汗が出るほど似ている、レディックとナデッタ。
ミラーナはなんとか娘を諦めてもらおうと必死に抵抗するが、レディックは冷たい態度から一変してミラーナに熱く迫るように。
どうしてそこまで娘に執着するの…って、私にばかり構ってませんか?
目的は娘を奪うことじゃなかったのですか?
なぜ周りに対して既成事実のような状況ばかり作るのですか?
私の話、聞いてます?
誰とも結婚したくないミラーナと、ミラーナとの結婚を目指すレディックの、恋愛ショートストーリー。
◆◆◆
※展開は早めです。ストーリーの起伏もあまり無く、低い山と浅い谷をゆるゆる進むような感じです。
※一話3,000字~4,000字ほどです。
※細かい設定はありません。主人公が迫られるだけのお話です。本当にそれだけです。なので話数も少なめ。(完結までの下書き有りです。修正しつつアップします。)
※ちょくちょく文字修正しますが、本編の内容は変わりません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-14 19:15:24
55955文字
会話率:67%
[なろう作品の読者を妄想してみた短編第七弾。]
『僕が山に登るのは、何年振りだろうか。
かつては、二十キロ以上の荷物を背負い、何日もかけて縦走をしていたというのに、今の僕はペットボトル二本と少しのおやつと念のための雨ガッパと絆創膏が少
し入っただけの小さなリュックで登れる山に緊張している。 』
彼は山に登り、何故、壁を殴ろうとしているのか……。
*こちらの作品は、幸田遥様作品の『【新社会人応援エッセイ】〜ストレスを効率的に発散するための、正しい『壁』の殴り方〜』の二次創作になりますが、ほぼ一次創作内容の短編です。単独でも読める短編になっております。
*この作品は「N5147GX」の二次創作です。作者より許可を頂いています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-24 12:00:00
8410文字
会話率:4%
夏。
隕石。星の数ほどの隕石が墜ちてきた。
誰もこれが現実だなんて信じることができなかった。
偉い人は言う。
人類は終わりだ、と。
人間は醜い。
終焉。
さようなら。
科学が急激に発達した。
それは、昔の話。今は、世界
を巻き込んだ三回目の戦争の後、少しずつ衰退していった。
夏の日。標高の低い山々の上、黒髪の少年が立っていた。
旅の人だ。
蒼天の空。隕石。
少年は誰かが言った、生きろという言葉を信じ、生き延びることを選択した。微かなる可能性を求めて。
週末を迎えた世界で、散歩をする話です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-04-15 00:10:22
6387文字
会話率:29%