マルコが生まれたのは土の中であった。
神は彼を救わなかった。
代わりに彼を拾ったのは、魔族の女だった。
魔族は契約を重んじる。
特段の理由がなければ、人の法をおかすこともない。
ゆえに人の命を奪う際にも、それは合法でなければな
らない。
成長したマルコは、母の指示で街へ向かった。
合法的に人の命を奪い、金を稼ぐために。
理由などは考えたこともない。できるだけ金を稼ぎ、彼が母と呼ぶ女に捧げる。それ以外に、生きる目的もなかった。
しかし予定通りにはいかなかった。
街に異変が起きていた。
はじめは小さな予兆だった。それが次第に無視できぬ災厄として具現化した。遺跡の古代兵器が目覚め、世界を破壊し始めた。
人々は抵抗を始めた。世界を守るために。詩人は彼らの活躍を歌った。戦いの中から英雄が生まれた。
マルコはしかし彼らの活躍を傍観していた。
この世界を愛していなかったのだ。
滅ぶなら滅べばいい。
世界を救う理由など、微塵もなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 00:00:00
371031文字
会話率:42%
ある日、神が復活するとしたら。
現代社会は、とは言え神の入り込む余地もないほど科学で覆い尽くされている。行政も、ビジネスも、娯楽も、いまやすべてが電気で動いてるのだ。神なんてものを受け入れるスペースは残されていない。いま現れるとすれば、それ
はまさしく災害となる。
だが神は、みずからの復活のために、いちいち人類に許可をとったりはしない。大地から溶岩が噴き出すかのように、そいつは一方的に始動する。
社会はひずむ。ひずみは対立を生じさせ、対立は金となる。
この物語は、神の復活の少し前から始まり、とある男の目を通して語られることになる。
事情を知る一部のものたちは、神の復活に備えていた。もちろんボランティアなんかじゃない。金のためだ。連中にとって、それは人の命より尊い。
(※注:特に無双もしませんし基本的におっさんしか出てきません。飲酒や喫煙の描写があります。人がすぐに死にますし、しばしば腕や足がもげます)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-13 00:00:00
358747文字
会話率:44%
この物語は、現実的に考えれば難しい話かもしれません。
けれど、フィクションだからこそ描ける“本当の気持ち”が、そこにはあります。
あらすじ:「遥輝と二人の教師 ~秘密の三人家族~」
高校1年生の遥輝は、同級生として憧れていた二人の教師
、高瀬美湖(24歳・Gカップ)と荻原美咲(28歳・Jカップ)に次第に惹かれていく。美湖の優しさと美咲の包容力、異なる魅力を持つ二人への気持ちは、いつしか熱い恋へと変わった。
高校卒業のタイミングで、遥輝は二人に想いを告白。驚きながらも三人は互いに愛を確認し合い、結婚して三人で暮らすことを決意する。
秘密のまま始まった妊娠生活では、二人それぞれが遥輝の子を宿し、彼らは誰にも知られずに静かにその奇跡を育む。妊娠の報告、励まし合う日々、そして愛情に包まれた出産の瞬間は、家族としての絆をさらに強くする。
誕生した子どもたちはそれぞれ母親の苗字を受け継ぎ、5人は互いの愛と信頼で結ばれた特別な家族となった。育児と日常の中で、遥輝と美湖、美咲は互いを支え合い、情熱的なキスや抱擁で深い愛を育んでいく。
やがて訪れる未来へ向け、3人と2人の命は確かな絆で結ばれ、どんな困難も共に乗り越えていくことを誓い合うのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 19:30:00
11189文字
会話率:34%
自分の夢を叶え得る超能力を勝手に与えられた主人公。
能力行使の代償は、家族や友人、大切な人の命だった。
そんな悪魔の能力を消す為に翻弄する主人公の前に、
特殊な能力を持つ少女たちが現れ、各々の目的と関係が複雑に絡み合う。
特殊な能力を持
っていようと、描く夢は普通の人間と同じ。
特異であるからこそ不安を抱き、犯した罪をどう清算するか悩み苦しむ中で、
主人公を巻き込んで様々な試練と葛藤に挑む。
——それは誰の願いなのか。
——それは誰の想いなのか。
誰かの為の願い。
誰かの為の想い。
大切な人との“夢”を叶える為に——さあ、夢の結末を紡ぎましょう。
※ビジュアルノベル『ユメツクリmonster』のリメイク小説です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 19:24:25
235879文字
会話率:36%
現世に生まれ人の身体を持ちながら、常世の魂を持つ者がいる。獅子の魂を持つ市師玄也は、稲荷神社でお狐さんたちに育ててもらった。それなのに彼は、狐を滅ぼす神の使い、つまり眷属であるという。しかもその神は、玄也の夢を食うと言ってきた。
【以下ご注
意ください】
※バッドエンドではありませんが、かなり重い話です。
※人の命が奪われるエピソードや、幼い子どもが虐待されるエピソードが出てきます。
※特に残虐な表現は一部伏字で自主規制しています。
大昔に書いた作品に少々手を入れての公開です。11章で完結予定です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 19:10:36
81081文字
会話率:45%
隕石の落下によって、首都圏は200mの大津波に呑まれ、一瞬で3000万人の命が消えた。太平洋沿岸も日本海沿岸も次々と津波で崩壊していく。続く災害──火山噴火、地殻変動──たった二日間で人類の9割が消えた。
そして1週間後、全生存者の脳内に謎
の声が響く。
『毎日1種類、1立方メートルの物質を物質化する能力を与える』
しかし、その力は“支配する者”と“支配される者”に分かれる世界を生んだ。
続く災害。魔物が現れ、ウイルスが広がる。
かつて「米」を選んだ平凡な大学生だった俺は、暴力チームに殺された。
だが気がつくと、時間は災害の2年前に巻き戻っていた。
今度こそ、生き延びてみせる。
未来の記憶を活かし、資金を作って離島を買い、備蓄とインフラを完備した最強のシェルターを築く。
仲間たちと共に、崩壊した世界で人と人との絆を再生していく。
これは、「ただ生き残るだけ」だった男が、仲間と未来を取り戻す物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 19:10:17
61806文字
会話率:39%
〜転生なし、スキルなし、魔法なし、勇者も魔王もいない異世界ファンタジー〜
危険なモンスターが生態系の頂点に君臨。
蔓延る詐欺、盗賊、犯罪組織。
人の命は軽く殺伐とした世界。
冒険者がモンスターを狩り、騎士団が犯罪を取り締まる。
人々は商
売で金を稼ぎ、たくましく生きていく。
そんな厳しい世界の中で、現状の生活に満足している田舎住まいのおっさん冒険者がいた。
三十三歳のCランク冒険者マルディン・ルトレーゼ。
実は『糸使い』の異名を持つ凄腕の騎士隊長だったマルディンだが、祖国に新王政が樹立したことで国外追放を言い渡された。
マルディンの国外追放は国家の損失とまで言われたが、あっさりと受け入れ国を出る。
流れ着いた異国の田舎町で、正体を隠し冒険者として生活開始。
若い冒険者たちが夢見て都会へ出る中、出世に興味がないマルディンは田舎の港町で日々のんびりと楽しく生きる。
無理難題?だったらやらないごめんなさい。
『頑張らない、無理しない、のんびり生きる』をモットーに、独身おっさん冒険者の気ままなスローライフ!
※カクヨムでも連載してます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 18:10:00
462315文字
会話率:53%
「俺に触れるな、この虫ケラが!」
貴族社会で“虫ケラ”と蔑まれる伯爵令嬢ネリームーアは、ある日、公爵家嫡男カタルスから理不尽な婚約破棄を言い渡される。絶体絶命のその瞬間、カタルスの隣で微笑む絶世の美女が、まさかのプロポーズ――
「この日をず
っと待っていたの! 私と結婚してちょうだい!」
その正体は、ネリームーアの前世で“最推し”だった美貌の女装悪役オネエ、ディートハルトだった!?
推しからの突然のプロポーズで人生が激変したネリームーア。
前世で培った“虫”の知識と愛を武器に、悲劇的な運命を変えるため、今度こそ推しを幸せに導くと誓う!
虫で人の命を救い、寄生虫で病を治し、農業で国を豊かに――
「そんなの無理だ」と笑われても、
“虫ケラ”と蔑まれた少女は、虫と知恵と推し愛で世界を変えていく。
「最推しを幸せにするためなら、何だってやるのです!」
異世界×医療×虫×農業×推し活!
前代未聞の知識チートで、運命も差別もざまぁもひっくり返す!
――“虫ケラ令嬢”の痛快逆転ファンタジー、開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 23:51:00
91715文字
会話率:32%
だらしないけど最強――この町、守ってみるか。
かつて剣の腕で名を馳せた浪人・楽屋七乃助は、最愛の妻を失い堕落の日々を送っていた。 だが、町に現れた宿敵と、彼を慕う若き剣士との出会いが、再びその刃を呼び覚ます――。 酔いどれ浪人の命を賭けた戦
いが始まる。 主な登場人物 楽屋七乃助(らくやしちのすけ)
宿敵との戦いで七乃助は勝てるのか・・・。全10話完結予定折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 01:24:43
18950文字
会話率:30%
織田小烏丸はいつものように仕事を終えて帰る途中、道に出来ていた謎の穴に落下してしまう。
とても長い落下の途中で眠ってしまい、目が覚めるとそこは異世界だった。
しかしよくあるアニメや小説のような普通の異世界ではなく、強い者こそが国を支配する
完全な弱肉強食の世界。まるで日本の戦国時代のように国取り合戦が繰り広げられていた。
すぐ横を通り過ぎて行った人が『邪魔だ』という理由だけで殺されるのを見て驚愕する。この世界は本当に人の命が虫けらのように軽い。
そのついでに俺までもが、世紀末でヒャッハーなモヒカン共に殺されかけていた所を、間一髪で一人の強き女に助けられる。
女の名はミスフィート。この国の悲惨な状況を打破するために、反乱軍のリーダーとして国の統治者と日々戦い続けているそうだ。
俺は決意する。
訳も分からず荒んだ世界の凶悪な奴らに、ただ殺されるなんて真っ平御免だ。
ならばこの強く美しい女の軍に入って絶対に成り上がってやる!
剣、魔法、スキル、と何でもアリの異世界で、強き者こそが絶対王者という群雄割拠の乱世を己の力で斬り開く、異世界成り上がり戦国物語が今始まる。
《見所を軽く紹介》
【主人公】小烏丸は凄腕の付与魔法使いです。
【戦闘】:相手は腐れ外道共なので一切容赦しません。
【ガチャ】:作品の肝となるアイテムが色々手に入ります。
【論功行賞】:ヒロイン達の紹介と共に小烏丸のチート装備が貰えます。現代の服で女性達が華やかに!
※ジャバルグを撃破し尾張を掌握したミスフィート軍。次は他国の脅威を撥ね退け尾張を豊かな国へ!
ノベルアップ+、アルファポリスにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 18:10:00
2085226文字
会話率:54%
この世界は過酷で人の命の価値は低く死が身近にある。
いくら前世の記憶があっても大したことがない。
ただ有能なレリックを持っていること。
それが彼ウォフの生きていく一筋の光にそれなりにはなっていた。
13歳は主にダンジョンのゴミ場で日銭を
稼ぎ。
14歳で成人を迎えて探索者になりダンジョンを探索する。
そして成り上がりや栄達や英雄の道は決して望まない。
コツコツトントンで少しプラスなスローライフ。
ごく普通の幸せをウォフは望む。
それなりのダンジョンマイライフ。
だがその夢はある日、良かれとした行動で大きく歪んでしまうのであった。
月火休みです。
カクヨムと同時投稿です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 15:30:00
767761文字
会話率:44%
海と山に囲まれたとある街。
その街には、願いの叶う羽根が降るらしい……。
しかし、実際には願いが叶う事は無く、その羽根も人の命を奪いバケモノにしてしまうだけの物だった。
それでも噂は尽きず、願いを求めた人々が日々命を落としていく。
そんな街に住む少女、シウ。
彼女はとある事件をきっかけに自分の存在意義を見失い、無目的に街をさまよう日々を送っていた。
そんなある日、不思議な雰囲気の男と出会い……
やがて少女は男や仲間と共に、人々の偽りの希望を断ち切る為、『願いを叶える天使』を追う事となる。
いつか、街に羽根が降らなくなる日は来るのか。
※この作品はnolaノベル様にも掲載されています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 07:19:31
166389文字
会話率:54%
私、沢村鞠絵は、長年介護していた母の死から立ち直ろうとした瞬間に通り魔に殺されかけました。
死の間際に話しかけてきたのは異世界からきたという聖銀の竜、ナギ。異世界のほころびを修復する特別な竜でした。
事故でこの世界に飛ばされたナギは傷を負い
、元の世界に戻れなくなっていました。ナギは自分のいた世界に戻り二人とも生き延びるためには二人の命を融合させることが必要だと説得してきて、私はナギと融合することで生き延び、二人で生きることになりました。
そして私たちは異世界へ転移。
目覚めた場所にいたのは…さて、これからどうなるでしょう。
「鞠絵ちゃん、歌って」母の最期の言葉を胸に、私は生きていきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 06:03:14
563454文字
会話率:41%
「信号は青」だったのに姉は帰ってこない。
それはたった、一杯の飲酒から始まった。
飲酒運転が奪ったのは、一人の命だけじゃない、残された家族、勤めていた会社、家族の時間・笑顔・未来、奪われ、そして、狂う。
この物語はフィクションで、現実
に起こりうる真実を描いている。
貴方の心にも届きますように・・・。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-21 10:42:41
489文字
会話率:7%
転生してきた少女。
奴隷として生きてきた少女。
二人の少女が出会う時、紫色の花が開く。
その世界で、人の命は軽いものだった。
奴隷として生き、そして死ぬ。
なんのための生なのか。
なんのために生きているのか。
暗闇の中、奴隷少女は生
きる決意をする。
たとえどんな手を使っても。
これは転生してきた少女と、奴隷の少女が自由を手に入れるための物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 22:59:20
148647文字
会話率:37%
オウルは少年でありながら地上最強の国家であるジルベス合衆国の最奥の闇と呼ばれる暗殺者集団『クアッド』の一員として人の命を奪い続けていた。強すぎる三人の同僚と史上最強のパワードスーツ『U.N.I.T.』を駆るオウルは、あるとき奇妙な命令を請け
る。
何の変哲も無いユアという一般人の少女の肉体及び精神に著しく害を為す『全ての存在』の殺害。しかも暗殺対象は無制限。それは事実上『どんな権力者を殺してでもユアを守れ』と命じられているも同然だった。
いきなり一般人を守る事になったオウルたちと、いきなり国家最凶の暗殺者に囲まれることになったユアの奇妙な日常が始まる。
※暗殺者の話なので人死にありのストーリーです。
※感想欄等での展開予想はお控えください。また、ミスないしミスと思われるものは、誤字報告で可能な範囲であればそちらで報告していただけると嬉しいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 18:00:00
510126文字
会話率:35%
かつて、白華の城に咲いていたという伝説の花──
「久遠華《くおんか》」。
それは人の命を超越し、不老不死の力をもたらすとされる“神花”であった。
しかし、花は祝福ではなかった。
それに触れた者は“異形”となり、血と業に呑まれてゆく。
人は
それを恐れ、争い、そして――花を欲した。
かつての忍びの精鋭《斎》は、失敗した任務の果てに“影”を捨て、放浪の身となった抜け忍。
彼が救ったのは、滅んだ国の姫《綾姫》。
命を狙われ、孤独に逃げていた少女の体内には、
──久遠華の“種子”が宿っていた。
久遠華を巡り、四つの陣営が暗躍する。
影を操る隠密結社【黒陰】。
神罰を説く戒律の寺社【蒼天院】。
不死の軍を率いる軍事国家【紅蓮城】。
そして、人外を狩り喰らう裏の武者【華狩】。
闇に咲く花を守るため、
かつての同志と刃を交え、
信じていた正義すら疑いながら、
斎と綾姫は、生きる理由を探し続ける。
それは、世界を焼いた罪の花。
そして、ただ一輪だけ、終焉を拒み続けた“永遠”──
「君が生きている限り、この戦は終わらない」
影と光が交錯する幻想時代劇、開幕。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-05 11:07:46
19436文字
会話率:28%
転生先は、選択肢ひとつで人が死に、敗北者には救済もご都合展開も用意されていない、過酷なエロゲーの世界だった。
そんな世界で、路頭に迷っていたディーフェクトは原作では悪役であった皇女、リズに拾われる。
誓ったのは「悪役皇女・リズ」の救済。
原作では名悪役として主人公らと敵対し、最後はいずれのルートでも死を迎える「姫様」の生存ルートを模索し、ディーフェクトは彼女を魔改造する。
魔改造は一定の成功をおさめ、姫様は嫉妬深く愛が重いわがまま皇女から、ちょっと素直になれない普通の少女になった。
はずなのに、結局魔改造が原因で世界は「原作」からどんどんと逸れていく。
ついでになんだか、姫様の様子もおかしいし……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-03 08:04:56
104528文字
会話率:44%
中学3年生の春に修学旅行で北海道へ行っていた海堂翔二。
小学生時代の友人に会おうと札幌の住宅街に行った際に班の友人たちとはぐれてしまう。
静かな住宅街で響き渡る女性の叫び声を聞き、向かった先は友人の両親が殺される現場だった。
初めて人が殺さ
れる現場を目の当たりにし、人の命の重さ、人間の憎悪や悪意をたくさん経験する翔二の刑事になる第一歩。ここからスタートです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-01 22:12:50
603281文字
会話率:22%
この世界は|妖《あやかし》という存在に蝕まれている。人の心の闇に巣食い、生まれ、人の命や感情を糧とし生きる存在。
最初は表現のしがたい姿をしているものの、次第に爬虫類や鳥類や哺乳類へと変わり生物の頂点へ、最終的には人と大差なく、強大な存在に
なればそのまま人として生活している。
生活している。表面上は。
その内では人の皮をかぶった獰猛な異生物で、彼らは感情を持ちながら平気で人を襲う。絶対に分かり合えない存在だ。
世の中にはそんな妖を退治する"術士"という存在がある。
彼らは生まれては成長していく妖を倒すための力を持った人間で日本の各地に点在していた。
中でも山々に囲まれた篠崎という名の町は妖の中でも哺乳類や人の姿を保ったモノが多く、また各地で生まれた妖がこの町を目指している。
いわば数多の妖が行き着く最終地点。
この話はそんな篠崎に住まう術士が妖と立ち向かい戦う物語…――ではない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-30 20:00:00
2583476文字
会話率:39%
「ああ、月が出てる。」
罪の意識はあるのに人の命を奪った事には何の感慨も抱けない少女、リコス。
彼女の足元に広がる血溜まりと転がる死体。
人を殺した事への罰を受ける事も出来ず、それでも人殺しの自分に嫌気がさす。
また何かの拍子に人を殺し
てしまうんじゃないか……
自分の中に深い闇を持っている事に気がつき、それ自体を恐れると同時に、受け入れてしまっている自分に嫌悪感を抱いていた。
そんなある時『魔眼病』を発症し、魔眼を得た彼女はアルカディア帝国最強の存在である『暗黒騎士』を目指す事となる。
「人殺しは罪だ、罰を受けないと。」
これこそ自分に与えられた罰なのだと解釈し、屈強な男であっても悲鳴をあげる過酷な修行に打ち込み、彼女は才能を開花させる。
『人を殺す』才能を……
アルカディア帝国を、多くの人を護るため、自ら罰を受けるため……
リコスは茨の道を突き進む。
罪を贖うその時まで……
これは贖罪を求める少女の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 12:10:00
198021文字
会話率:29%