宗教法人〈イルミンスール〉の二世信者である大学生・桜田チヒロは、狂的な信者である母親に宗教活動を強制され、自分の人生に不自由を感じていた。
そんな折、母親からの連絡で、イルミンスールの開催する会合のスピーチで妹が登壇することを知らされ
る。宗教に対する不満や恨みを募らせて我慢の限界を迎えたチヒロはこれを好機と捉え、自分も会合に参加し、教祖を殺害する計画を企てる。
会合当日、計画通りとはいかなかったものの、チヒロは教祖の殺害に成功する。しかし、その一部始終を目撃していた教祖の息子・藤原ルイと殺害現場で遭遇してしまう。そして相対する二人の行動は、意外な方向へと舵を切り始める。
一方、この事件を巡って様々な勢力が動き出す。
総理大臣を父に持つ二世議員、西島ミキオ。
反社会的勢力・華川組の若頭、華川シズヤ。
警察官僚を父に持つ刑事、織田シュンサク。
殉職した父の意志を継ぐ公安、渡部ケンジ。
ミキオとシズヤは事件の隠蔽工作のために、シュンサクとケンジは事件の真相を追及するために東奔西走する。しかし、事態は一向に収束せず、それどころか国中に大きな波紋を広げてゆく――。
この物語は、毒親を持つ二世男子たちが織り成すクライム・サスペンスである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-28 07:10:00
115114文字
会話率:41%
富裕層の老人たちによる贈収賄事件が頻発し、強欲な老人たちに対して国民の怒りが爆発し、国会にこの問題が取り上げられ紛糾して解散した。衆参同日選挙の結果、「遺産相続禁止法」の制定を掲げた新党が衆参で多数派を占め、国会で「遺産相続禁止法」が可決
し、すぐに施行された。これまでの世襲制は崩壊の危機を迎え、政治家の二世議員は激減していくことになった。一部の既得権益者や識者は、憲法違反だ革命だと騒ぎ立てたが、絶対多数の国民の支持によって沈黙を余儀なくされた。一方、富裕層の老人たちは、築き上げた財産を死ぬまでに使い切ることに奔走することになった。かれらは美食、ギャンブル、旅行、趣味へと、湯水のようにお金を使っていった。日本は、亡くなった人から没収した財産と、老人たちの莫大な浪費によって、国家財政は瞬く間に豊かになり、教育費と医療費、介護費は無料になった。さらに、老人介護施設も無料になって、すべての国民は老後を安心して暮らせるようになった。話は、富裕層の老人たちが織りなす滑稽な消費活動を中心に展開されていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-15 00:00:00
80878文字
会話率:38%
出所した受刑者が殺害された。近隣住民の証言で二人組の不審人物が浮上するが、彼らは元総理を父に持つ二世議員の豪邸で働く運転手と庭師だった。なぜ被害者は元総理の豪邸を訪れたのか。なぜ被害者は殺されなければならなかったのか。混沌シリーズの核心に触
れる衝撃の真実をあなたは目撃する。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-04-02 08:05:42
19620文字
会話率:63%