クラリスは聖女として、そして第一王子の婚約者として、自国全体と友好国を回る『聖女の巡礼』を三年間もの間、務め上げた。
というのに、そんなクラリスに待っていたのは婚約破棄、聖女の剥奪、生贄への道だった。
「なんで私が……許さない!」
──
しかし、とある理由で死ぬことはなく、魔王城で暮らすように。
魔王のカインは「世界を滅ぼしたい」というクラリスに対して「却下だ」と突っぱねるが、幾度となく繰り返される問答に、クラリスも冷静さを取り戻していく。
そうして一ヶ月後。遠く離れた街の様子や、指定したした人物、過去も自由に見ることができるという水晶を見て、クラリスは驚くことになる。
──やっと分かったわ。カイン様、貴方は──。
これは復讐を誓った聖女が、魔王の重たい愛によって最愛を知る、そんな物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-30 07:05:09
24175文字
会話率:43%