江戸後期、庶民の間で素人芝居が流行しており、裕福な商家が主催したりしていました。
ある大店で芝居をすることになり、当日まで熱心に稽古していたにもかかわらず、伊勢屋の若旦那が来ない。
大旦那が番頭にわけを聞くと、振られた役が天竺徳兵衛韓噺(て
んじくとくべえいこくばなし)の最後に登場する、セリフも何もない、しかも着ぐるみに入ってただ舞台に出てくるだけのガマガエルの役だから、それに不満を抱いて来ないのだろうと言う。
呆れる大旦那だったが、言っても始まらない。代役に小僧の定吉をあてがい、いざ開幕しようとすると、今度は舞台番の半次が来ていない。
お客が待ちくたびれる中、番頭は着ぐるみに入りかけた定吉を慌てて迎えに行かせるが…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-12 06:30:59
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