「愛してるよハギタ」
「私もですわ、ヘドヴァン様……」
なんなの、これは。
それはとある日のこと。目の前で行われてる行為に目を奪われながら、私ことラウザは驚愕していた。
婚約者である第一王子ヘドヴァン様に呼び出されて赴いた王宮。
到着した後、従者によりこの中庭へと通されたのだが、そこで待っていたのは、私の予想の外にある光景だった。
「ヘドヴァン様、私のほうがお姉さまよりずっといいでしょう? 私の方が、貴方のことをもっともっと愛しておりますもの」
「勿論だとも。もう私には、君のことしか考えられない」
私は婚約者を奪われたのだ。それも、血のつながった妹に。
私は妹に裏切られたのだ。長年ともに過ごしてきたはずなのに、婚約者にも裏切られた。
なんでふたりが楽しそうに笑っているのか、全く理解できない。脳が破壊される感覚で、心が壊れそうになる。
「ああああああああああああ!!!!!」
絶叫とともに、私はその場から駆け出したのだが……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-24 06:00:00
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