ここは、現世とあの世の境目、賽の河原。
僕は、この河原に建つ「フェリーマンカンパニー」という渡船会社に勤める三途の川の渡し守。
今日も、渡船場から沢山の死者を渡し舟に乗せ、あの世へと渡している。
僕は、エフと呼ばれている。
どうや
ら僕は6番目にここへ来た渡し守らしい。渡し守A、渡し守B……6番目の僕は、渡し守F。
恐らく、過去には別の名前があったと思われるのだが、まるで思い出せない。何故ここで働いているのか。いつここへ来たのか。何も憶えていないのだ。
気がついたら、ここで働いていた。まったくトホホのホだ。
ちなみに、渡し守の仕事は、実際に船に乗って死者をあの世へ渡す、いわゆる「船頭」ばかりではない。
乗船する死者の受付。死装束や三角頭巾の配布。乗船員数・出船時刻の管理。渡し舟のメンテナンス。などなど。仕事内容は様々。
僕は、数年前から最終決断補助者《ファイナルジャッジヘルパー》という仕事に就いている。
毎日現世とあの世の境目にある賽の河原で働いていると、時折、生者とも死者ともつかぬ、ワンダラーがふらりと訪れる。
ワンダラーが、三途の川を渡るか否かを決める。つまり「生きるか死ぬか」の最終決断をする。そのお手伝いをするのが、僕の仕事。
ファイナルジャッジヘルパーと言えば聞こえはいいが、まあ、事実上現場のトラブル処理係。
ほら、今日もこの賽の河原に、生者とも死者ともつかぬ悲しきワンダラーがやって来た。
現代編から、異世界編、黎明編、戦国時代編、宇宙編、と続けて行く予定です。
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折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-08 07:33:23
141543文字
会話率:51%
存在意義。自己認識。アイデンティティー。あなたは何者ですか? ひと言でお願いします。
最終更新:2023-04-02 09:22:01
1948文字
会話率:20%
三途の川の渡し守エフのもとに、今日も生者とも死者ともつかぬ悲しき彷徨人が訪れる。
九段九一(くだんきゅういち)。小説家。突発的に自殺を図りワンダラーとなる。彼の自殺の動機は、活字の(笑)だという。偏屈な小説家と、ファイナルジャッジヘルパーと
の珍問答が始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-24 13:49:43
3779文字
会話率:55%
最近開発されたVRMMOソフト『ファイナルジャッジメントオンライン』通称ジャッジ
ゲームを初めていきなりPKされてしまった主人公。
しかたなく己の拳一つで闘うことに
しかしそれはとんでもない影響力のある行動になってしまい、さらなる苦難にさら
される!
ジャッジでの奮闘またリアルでの日常を描いていきます折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-03-12 20:24:35
44436文字
会話率:35%