矢野幸夫は20歳代の半ばにして、中古の電気製品の修理、販売で財を成したが、新品の電気製品の大量購入の詐欺に遭い、多額の借金を背負った。そしてとある街の裏町に逃げ込んで再起を図る。
そんな中、黒野黒太と称する黒ずくめの異様な姿の男に出会う
。彼は矢野に栄耀栄華を約束するが話に乗らないかと誘う。見返りは何も求めない。千日間、毎晩寝る前に小瓶に入った黒い液を飲むだけだという。ただし、1日でも飲むのを怠った時は約束は反故になる。
矢野は話に乗る。黒野の紹介で黒川企画商事という会社に就職する。矢野はその会社でたちまちの内に頭角を現す。次長、課長、部長と階級を登りつめていく。会社に入って2年半にして次期社長の声もかかる。将来は国政選挙に打って出て総理大臣も夢ではない。
しかし、好事魔多し、秘書との肉欲に溺れて、999日にして、寝る前に小瓶の黒い液を飲みのを忘れる。
その結果・・・。
矢野は粗末な部屋の薄汚いベッドの上で眼を覚ます。昨夜はホテルの豪華なベッドで寝たのを思い出す。
そして起き上がって彼が見た物は、宏大な闇の世界に浮かぶ無数の人間の姿だった。
それはダーク・ワールドと呼ばれるアストラ(想念)の世界だった。彼らはこの世界でダーク・タイムという自分の願望が実現される世界に浸っていたのだ。
その世界から引き戻された矢野は現実の世界で身も心も老い果てた姿になっていたのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-15 05:48:12
27093文字
会話率:8%
ここに神の試練がある。達成条件は不可避の危機に陥った人間を救うこと。見返りは、妹の命を救うこと。試練へ挑むことを決意した此吏遥人は、見知らぬ大地で目を覚まし、一人の少女と出会う。
最終更新:2013-07-24 19:00:00
37559文字
会話率:35%