髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリス・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令嬢として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、なにせ田舎育ちの野生児である。一応貴族
として人と接する時は敬語で喋るが、それ以外では田舎言葉丸出しであった。
そんなアリス十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからとアリスに婚約を押し付けてしまう。
アリスは特に嫌がる理由もないので快諾。ただ、自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかとちょっと心配になった。そして顔合わせすることになったが、アリスは婚約者に言われる。髪が黒だろうが金だろうが我が公爵家には関係ない、侯爵家との縁になればそれで十分役に立つと。アリスは婚約者のファンになった。以前田舎の平民の友達に教えてもらった推し活とやらを今こそやるべきだと奮起する。
一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは黒の少女があんまりにも綺麗な色を持つのでびっくりしていた。人の感情の色が見える彼は、やや人間不信気味なところがあるのだが黒の少女は自分に対して媚びも見えないし嫌悪も見えない。綺麗で純粋な好意のみが見えた。ただ、少し不安そうな色が見えたので慰めてやれば好意の色が濃くなった。そして、よく分からない推し活とやらを始めた黒の少女。それに対してクロヴィスは…?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-08 19:56:46
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会話率:68%
大切な婚約者を奪われた柳彼方(やなぎかなた)は、勇者召喚により異世界転移する。しかし、持っていたスキル「竜殺し」が原因で、幸か不幸か勇者の役目を免れ、辺境へと転移してしまう。そんな状況の中、彼は闘竜神の下で修行し、徐々に強くなっていく。そし
て強くなり過ぎた彼は、勇者の役目から逃れつつ、新しい世界で新しい人生を歩み始める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-25 21:26:26
73486文字
会話率:33%
とある下町のイタリア料理店で働く葦厨が出会ったのは、不思議な雰囲気を持つ瑞樹という女性だった。
過去のごたごたでやや人間不信気味のコックと、いまいち自分に自信の持てない職業不明の女性が恋を実らせるまでのお話です。
最終更新:2017-09-09 22:19:27
21723文字
会話率:43%