『この世界はいつなんどきでも美しい。私たち人類が生き続けるかぎり。』
この世は人類の大半が、「オーラ」と呼ばれる光を纏い、煌びやかな世界となっていた。
しかし"大半"であり、全ての人間がオーラを纏っているわけではない。
主人公である少年『レイ』はその大半からあぶれたうちの1人。レイは生まれたその時からオーラは無く、赤子の時にとある孤児院の前に捨てられたものの、その後の孤児院での生活にはそれなりに満足していた。それもそのはず、孤児院で生活している幼子はみな、オーラの存在を知らないからだ。
しかし、ひょんなことからレイが9歳の頃に「オーラ」の存在を知ることとなる。そしてレイは幼いながらに、何故自分がこの孤児院で暮らしているのかを察した。それは"自分はオーラがないことで肉親に捨てられた"ということを理解したことを意味する。
実際、オーラのあるこの世界では、オーラの無い者を見下し差別するものは多かった。時代とともに"オーラの有無で差別をすることはいけない"という風潮に変わりつつあるものの、心のどこかでは毛嫌いしているものは少なくないのである。
そんな中、レイは一大決心をし孤児院を抜け出すことに成功するが…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 18:49:48
24411文字
会話率:43%
「あなたが婚約破棄をされたと聞きました。もうそんなところにいないで、こちらに来なさい」
ユルべール王国の大臣だった父親の失脚を理由に、テイワズ侯爵子息マークスに婚約破棄をされた元イリアス侯爵令嬢ミリアライゼ。昔、郵便の手違いで知り合った文通
相手が、自分の住む土地に来るよう誘い、行く宛のなかったミリアライゼは傷心を癒すためにも旅行を決断。ところが、ミリアライゼは文通相手の住所や人柄、ペンネームは分かっていても、身分や本名を知らない。不安を抱きつつも向かった先は、ウィンズ公爵領領都エヴァンゼリン。文通相手の住所にやってきて、ミリアライゼは尋ねます。「夜分遅くに申し訳ございません。私、ミリアライゼ・イリアスと申します」
屋敷に招かれて、アスターを名乗る人物と初めて対面したミリアライゼは驚く。
※この作品は他サイトでも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-30 17:00:00
24740文字
会話率:39%
──はるか太古の昔から続いた聖魔戦争が終わりを告げてから、百年の時が流れた。
人間と魔物が共存する世界で未だ諍いを起こすのは、魔法を使う魔術師と、その魔術師を異端とする僧侶だけだった。
「ベール被りの魔女、あんたには聖魔戦争終結時の
災厄を引き起こしたとの疑いがかかっている」
険しい山の麓、古びた家に住む魔術師の少女は今日も涙を流す。
「──私はそんなこと、していません」
*
災厄を起こした人物だと噂される魔術師──通称、べール被りの魔女。
彼女の身を守るため警護することになった僧侶──ギルバート。
これは彼らと、そこに生きた人々の営みから織り成す日常の中で紡がれた物語であり、愛と未来を探す物語。
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第11回書き出し祭り、会場順位4位総合順位17位を獲得した作品。祭り終了後、大幅に手直しを加えました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-03 17:00:00
32691文字
会話率:46%