「……私は神だ」
椅子に座り、膝の上で手を組んでいるその男は、表情を一切緩めることなくそう言った。唯一神、それがこの部屋に――
「……いや、私が神だ」
「何を言っている、私こそが神だ」
「バカな。神は私だ」
「おいおい、神は私だよ」
「おれが神だ」
「私が神だ!」
「神は僕ですよ」
「おお、我こそが神……」
「神! 神! おおおお私の中に神がおられる! あああぁぁぁぁ!」
十人もいた。
ここはとある研究施設。
ここで主に精神療法を研究している博士は、別室のモニターで神を自称する男たちを眺めていた。
博士は、彼らが本物の神などとは微塵も思っていない。彼らは皆、精神異常者。家族や警察などに依頼され、ここに集められたのだ。一度に十人集まったわけではない。ここでそういった自称神の男たちが集められていると噂を聞き、『では、うちのも引き取ってください』と全国から送られてきたのだ。
しかし、一向に治療が進まず、博士は頭を悩ませていた。そして、ある時ふと思いついた。彼らは皆、自分が唯一無二の神と主張している。話し合いをさせ、自信を失わせることができれば、治るのではないか、と。
もっとも、思った通りに事が運んでも最後には一人だけ神が残るだろうが、まあ、心配しなくてもそこまでうまくは行かないだろう。良くて二、三人治ればいい。また、自分は本当に神なのだろうかと僅かでも疑念を持つようになれば、彼らの妄想症を取り去る糸口になる。博士はそう考えていた。
『では、じっくりと話し合ってくれ』
部屋の天井に設置されたスピーカーを通して博士はそう言った。もっとも、彼らはすでに話し始めていたが。
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最終更新:2024-08-01 11:00:00
3066文字
会話率:76%
『異世界でチート特典を貰い無双する』
男子の多くが一度は憧れた夢物語。実現すれば、確かに夢のように楽しいに違いない。
では『チート特典』がないまま異世界に行ってしまったら?
まともに使えない『ハズレスキル』を駆使して成り上がる……それも
また夢がある。それすらない『無能』でも、逆に『魔法が効かない』といった魅力があるかも知れない。
しかし、男は『平凡』だった。剣も魔術も人並みだった。RPGで言うなら序盤だけ仲間になるような冒険者D。いつ野垂れ死にしてもおかしくない男は、ふと思いついた。
「強そうな子ども騙して、俺を守ってもらおう」
これはクズで外道な男がなんやかんやで『賢者』と『勇者』と『聖女』を見つけて、最悪の魔物と世界的な組織に立ち向かう話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-11 20:57:26
75479文字
会話率:59%
ある日主人公は、体育の授業中にふと思いついた。それを実現するために今、動き出す。
最終更新:2020-01-18 20:07:36
6248文字
会話率:34%
近い未来で悪人である男は歓喜していた。
どんなものでも文字を入力すれば作ることができる印刷機を手に入れたからだ。
これがあれば誰の手を煩わせることもなく手に入れることができるだろう。
だが、男はふと思いついた。
最終更新:2018-01-10 01:12:36
939文字
会話率:14%
今日は散々な一日だった。あなたは家に帰ってそう思った。
仕事で疲れた人やちょっと嫌なことがあったあなたに送ります。
ルピシアさんのsweet dreamsを淹れている時にふと思いついた。二人称に挑戦してみました。
あなたに素敵な夢が訪
れますように!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-14 19:21:11
1091文字
会話率:0%
文芸誌に載せる小説です。風邪をひいたときにふと思いついた。どうでもいいお話です。(ピクシブにも同じのがあります)
最終更新:2017-06-20 23:05:52
2304文字
会話率:3%
トートロード大陸のある王国に一人の傲慢な
公爵がいた。その公爵は執務に追われる
忙しない日々に辟易していた。
公爵はある日の昼下がりに自身の書斎にて
埃を被った一冊の本を見つける。
それはかつて公爵な幼い頃に愛読していた
とある冒険者の冒
険譚を書き綴った本だった。
それを見て公爵はふと思いついた。
「旅にでも出ようか」
これは傲慢で無責任な公爵の半生を描いた
物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-31 18:00:00
1526文字
会話率:18%
浮かんだネタをとりあえずおいとくとこ。
※すいません。内容を見直したら、恋愛ものが多いのでジャンルを恋愛に変えました。
最終更新:2015-06-01 02:15:36
17958文字
会話率:38%