スキル《アシスト》があれば、人生なんとかなる――はずだった。
荒れ果てた都市イリュドの孤児だったレイジは、AI搭載スキル《アシスト》に導かれ、騎士団の研修生へと成り上がる。
最善の判断、最速の成長、最適な行動。
……だけど、そこに「心」
はあったか?
救いたかった仲間を、自らの“正しい判断”で傷つけてしまったとき、レイジは初めて《アシスト》と向き合うことになる。
正解だけでは、生き残れない。
――それでも俺は、このスキルと生きていく。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-07-30 09:00:00
177979文字
会話率:26%
彼女は目を虚ろに、開口一番…… ――多分あの時だ。すべてが始まったのは――
四月初週の週末。高校生となった南波伊織は、書店で買い物をした帰り道で公園を訪れる。
幼少期に夢中で駆け上がっていた階段を、桜の見納めから始めた一時の気まぐれに後悔
しながら、上りきった。
物好きしか立ち寄らない高台の先で、年端も行かないような華奢な後ろ姿がただ一人 ――この町の景色を独り占めにしていた
振り向いた顔はこちらを見るなり、驚きと安堵を示す。
容姿端麗な黒髪のその美少女――月待和栞にはこの春から接点があった。
彼女とはクラスメイト。その見目麗しさゆえ、友人と話題にすることはあったが直接会話するのはこの時が初めてだった。
笑顔が絶えない美少女は表情も豊かで見ていて飽きない。細やかな心配りまで完璧だ。
「仲良くなりそびれていましたからね」と自己紹介代わりの会話をした後で、今はただこんなこともあるのかと思った青春の一ページ、過ぎ去る一つの思い出くらいに思っていた。
翌週、伊織は我が目を疑う光景を目の当たりにする。
折角の絶景はなんのその。眠気に負けてしまった和栞は絶賛、瞳を閉じて気持ち良さそうに、すやすやと日向ぼっこ中……。
長いものには巻かれておけ精神のどこにでもいる男子高校生が、
いつも優しく微笑んでくれるヒロインとの、ごくある日常。
本に栞を挟んで休憩。そんな人生も悪くないでしょう?
――これはやがて一生の契りを結ぶ『君』との、出会いと恋とたくさんの約束が詰まった青春物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-30 08:10:00
38001文字
会話率:41%
ーーー婚約破棄?
事情があって幼い頃に婚約する事になった第一王子ユリウスと伯爵令嬢エーリカではあったけれど、エーリカが選ばれたのはユリウスが彼女に一目惚れしてしまったからだった。
けれど、エーリカはユリウスの気持ちには気がつかない
ままで、問題が解決した時に婚約は解消されるのだろうと思い込んでいた。
ユリウスの恋心が、婚約破棄へと至ってしまったのはどうしてなのだろうか。
初めての恋は、病の様に難しいものなのである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-30 06:50:00
20885文字
会話率:11%
幸せな老後生活を堪能していた【田中重雄】
曾孫二人を連れて88歳の誕生日に山菜を採ろうと三人で登った帰り道の途中巨大なイノブタに出会ってしまった
幸せを祈ったばかりなのに······
曾孫二人を助ける為奮闘する爺、重雄
曾孫二人はまだ
11歳と9歳だ
こんな所で怪我をさせる訳にはいかない、重雄の執念が実を結び巨大猪を急斜面から落下させる事に成功するが、イノブタの牙がダウンジャケットの袖に引っ掛かり一緒に急斜面を滑走してしまう
転がった勢いですぐ牙から袖が離れたがこの先は崖だ!マズイと思うが止まらない、ただでさえ重雄は高齢者だ。
ドカンっと巨大猪が大きな木にぶつかりその身を木に預けるとグッタリと横になっているが、重雄の勢いは止まらずその身は崖下に落ちていく
身体は彼方此方痛む、擦り傷が無い箇所なんて無いようだ。痛いとかもう既によく分からない最後に見た光景は曾孫の光輝が身を乗り出して此方を見ている様だ。曾孫は助かったか意識がはっきりしないのでよく分からない、限界が来た重雄は意識を手放した·······
重雄が崖下に落ちるとブゥンと音が鳴り紅い光が漏れている
「じぃじが落ちちゃった!」
身を乗り出していた光輝が一緒の出来事に何が起こったか分からない様に驚愕している
手に持ったタケノコが離れてしまう
反射的に「あっ」と手を伸ばすと身体ごと落ちてしまった。
光輝も止まらず崖下に放り出されると ブゥン音が鳴り紅い光が漏れる
一人残された大輝は「どうしよう、どうしよう!?」と狼狽えているが咄嗟にスマホの存在に気付くと震える手で電話帳を開こうとする
幸いロックは掛かってなく電波も届いている
お母さんの加奈の名前を探すが無かった。
お父さんの直樹の名前はあったのでお父さんに掛ける プルルルル プルルルル 早く!早く出てお願いします! プルルルル プルルルル 「もしもし?」繋がった、直樹の声だ!安堵した矢先緊張が解けた大輝は父親である直樹に事を伝えようと「じいちゃんと光輝がぁぁぁ、猪とタケノコーンがぁぁぁ」
泣き叫んで声を張り上げているから上手く伝わらないはずだが、そもそも大輝はスマホを持っていない、これは重雄爺さんのスマホからの発信だ。
尋常ではない雰囲気は察した直樹はすぐ妻である加奈を大声で呼ぶ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-30 04:44:58
241855文字
会話率:33%
(コインを入れてつまみを回したら出てきた丸いカプセルの中に入っていた物語)
ガチャチャチャ、ガチャチャチャ。ゴトッ。
ジャンルも文字数もまちまちで、話の内容も質もバラバラ。ガチガチャで出てくる景品に例えるのが適当といえるような、そん
なレベルの短い物語集です。
ガチャチャなので、いくら願っても希望する品だけは出て来なかったりしますし、コインの枚数に見合っているとは思えない物も中にはあったりもするものです。悪しからず御了承下さい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-30 02:10:00
44405文字
会話率:39%
時は大正、大日本帝国。帝都、東京。
この国には古くから人間と妖が存在しており、住まう地域を分けて生活をしていた。互いに見かけることはあっても言葉を交わすことはなく、『ただそこに在るもの』として受け入れていた。
しかし、そこに人間でも
なく、妖でもない。言葉では言い表せないような存在が現れた。それらは、「業」と名付けられ、夜になると人を襲い、妖を襲い、恐れられていた。
父の指示で、とある妖の元に嫁ぐことになった主人公。
彼女は嫁ぎ先で真実を知り、自分を知り、愛を知る。
これは、妖と人間の恋物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-30 00:06:10
20043文字
会話率:40%
――あなたのためなら、僕はなんだってできる
故郷の魔法少女排斥から亡命することになった少女「フィン・メイフィールド」は、幼馴染の義姉である桃香の後を追って魔法少女養成学園である「皐月宮学園」へと入ることになった。
しかし、天才的才能を持
つ姉は常にスケジュールが埋まってしまい、連絡すらも取ることが出来ず、そのうっぷんを下らないいたずらで憂さ晴らしする日々を送っていた。
そんなある日、かつて任務の失敗で学園を追放された魔法少女「兵頭彩芽」が現れる。その任務に縁があったフィンは警戒するも、彼女は「桃香に会いたければ協力しろ」と言い出すのであった。
しかし、その任務はフィンにとってはあまりに精神的負担の大きい物であった――
正義が滅ぶことはあっても悪は滅びることはない。
「ただ、もも姉と一緒にいたい」
その願いだけを持つ純粋な少女に襲い掛かる、あまりにも過酷な運命の果てに待つ物とは――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-30 00:00:00
24625文字
会話率:18%
Q.かませ犬、悪堕ち、99%死ぬ。この全部が同時に成り立つもの、なーんだ?
A.はい、俺が転生してしまったゲームキャラの未来です。
100個のエンディングが存在するゲーム――『花と宝石の協奏曲』。
その内99のルートで死亡するキャラク
ターに俺は転生してしまった。
そのキャラクターは辺境伯家の嫡男という立場ながら、ゲームでの役割は主人公の引き立て役。
ルートによっては家臣に見限られ、派閥の人間に見捨てられ、弟妹や婚約者候補に謀殺され、剣の師匠に斬殺され、敵の幹部に成り代わられ、それらを回避しても『魔王』をどうにかできなければ人類が滅ぶ未来が待っている。
そんなキャラクターに転生してしまった俺の望みは三つ。
一つは『花と宝石の協奏曲』が始まる時期まで生き延びること。
一つはゲームの主人公が『魔王』を消滅させて世界を救えるよう誘導すること。
一つは、死なないこと。
これは何の因果かゲームの世界に転生してしまった俺の、ハッピーエンドの未来を目指す物語。
※ゲームの世界に転生した主人公による異世界ファンタジーです。
※主人公は最強ではありません。
※ゲームの知識はあってもチート能力はありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-30 00:00:00
595247文字
会話率:31%
フィーライト王国南西部にある街ラーリア。この街にある学園レイランド学園では、今日入学式が行われる。レイランド学園に入学する生徒の1人であるメリア・ファスリード。メリアは、元々ラーリアから遠く離れた街、リンウェルの孤児院に住んでいた。家族がい
なく、多重人格である為、人々から、他の孤児からも避けられるので、人前では言葉を発さなくなってしまった。しかし、魔術の才能はあったので高等部に 入学出来るこの年に、レイランド学園選抜試験を街の負担で受けた。結果は首席合格。これを聞いた後、街は直ぐに馬車を用意し、颯爽とメリアを送った。別れの言葉1つも無しに。リンウェルからラーリアまでは遠いので、何度も宿に泊まった。そして、毎夜毎夜想いを乗せ、詠唱で願いを捧げた。―今を―折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-29 23:09:04
33794文字
会話率:28%
アシュフォード・ネルベルクは前世の記憶を持ったまま、腐男子でもないのに「契約花嫁の真実の恋」というBL小説の世界に転生した元現代日本人。
それも、主人公を大金で花嫁として買取り、「愛することはない」とか言いながら、アレやコレを強要し謎の執着
心を見せ、最後はあっさりと実の甥に断罪される悪役公爵として。
アシュフォードは考える。
大事な甥に身内の断罪なんてさせたくない!
毎回アンラッキースケベな目に遭う主人公を助けてやりたい!
そもそも死にたくない!
キャラ設定がゆるゆるな当て馬キャラ故に行動原理が全く読めない原作の悪役公爵。
必死に原作をなぞりつつ、甥と主人公をハッピーエンドに導きつつ、自分は円満退場を狙うアシュフォードの奮闘記。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-29 22:42:31
49116文字
会話率:34%
初恋の女の子が行方不明になって七年。その子が魔王の花嫁に選ばれたと聞いて一年。勇者はやっと魔王城に辿り着いた。古より定められた魔王と勇者の戦い。しかし、物語は思わぬ方向に転がり、魔王はあっさりと倒された。勇者の手ではなく、魔王の花嫁の手によ
って。
勇者と謎多き姫の魔王討伐後を描く、ほろ苦ラブファンタジー。
※異世界恋愛×ヒーロー視点×BSS(僕の方が先に好きだったのに)の性癖ごった煮作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-29 22:10:00
121597文字
会話率:54%
俺の名前は「斎上院(さいじょういん) 燈矢」だ。
名前から察するだろうが、中級以上の家に生まれだったのだが、獅子からハゲワシが誕生した。
そのハゲワシが俺だ。
一応、言っておくが、爪弾きにされない程度には高校生として学んでいた。
まあ、少年
時代が劣悪だったのも含めて、良く言えば「薬にも毒にもならない男」で、悪く言えば「小悪党」だと言われたな。
そんな俺でも、手を差し伸べてくる物好きなアイツのお陰で、俺の中にも綺麗な所が残っている。
そんな俺だから、交差点でダンプに轢かれると自覚した時はあっさりと「生」への執着は消えたな。
それに、俺が死んだ後に動く金は、全て「アイツ」に渡る様にしたから「恩返し」としては充分だろう。
だから、未練は無い……と思っていたら「異世界転生」かよ!
確かに、少年時代に散々読んだが、まさか本当に異世界転生するとは誰も思わないだろう?
しかも、前世を思い出したのが、テンプレ「ダンジョン深部での追放」とはな。
……まあいい。
どうせ、天涯孤独なんだ。
好き勝手に生きるさ!
それに、前世ではアイツの恩に報いる為に我慢していた事でも、この世界なら自由だ!
助けたい奴は助け、殺したい奴は殺そう。
今の俺なら、それが出来る!
何故なら、俺はダンジョンマスターだからだ!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-29 20:50:00
611216文字
会話率:56%
公爵令嬢ステラは、聖女リナを虐げ、殺そうとした──というまったく身に覚えのない罪で、実の父・ディルドの手によって処刑されてしまった。
死んだはずの彼女が次に目を覚ますと……そこは十年前、六歳の自分の体の中。自分が“悪役令嬢”だというこ
とも思い出してしまう。まさかの人生三回目!?
自分を処刑した父ディルドと向き合うために、彼との冷えきった親子関係を修復しようと決意するステラ。
……が、なぜかお父様はあっさり修復完了。
不器用な愛情を向けてくる父に戸惑う日々が始まる。
さらに元皇子のアレスが家族に加わり、前世では決して得られなかった“家族のぬくもり”を知り、満たされたステラ。
「なんか幸せ過ぎて、もういつ死んでもいいかも」
生きることへの執着が薄れていく──。
「ステラ。お前が“生きること”に執着していないのは、見ていて危うい。……何か、やりたいことを見つけなさい」
──父に言われ、彼女が見つけた“やりたいこと”は……
「よし、恋愛しよう!できれば原作に出てこないようなモブキャラと!」
けれど、その前に立ちはだかるのは、
あの時ステラを処刑したはずの、最強で最恐の魔法剣士にして、今では私を好きすぎる父・ディルド!
「ステラは一生嫁に行かせる気はない」
父の愛が嬉しい、でも恋もしたい!
怖いものなしのステラが“生きがい”を見つけるために奮闘する!!、折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-29 19:47:07
220608文字
会話率:35%
どうやら自分は死を迎えると転生をするらしい。
けども、結局転生したところで、友人もできず、周囲からは蔑まれ、ただ孤独な世界を生き抜くだけ。
時間の流れに身を任せ、与えられた世界を自然の行きつくままに生き、そして、死を迎え、再び転生をする。
そんな輪廻を幾度となく繰り返した。何度も何度も何度もだ。
おかげで、転生の中で戦いの技だけは十分に長けた。
そして、今回、転生して行きついたのが、この巨大地下迷宮都市だった。
そこで地図を作るマッパーを生業としていると、運命を揺るがす人物と出会う。
それは――
転生する前の現実世界で唯一、楽しかった大学時代。
所属してたサークルで好意を寄せていた先輩に、あまりによく似た女性冒険者だった。
これはただの偶然なのか。
それとも――
ただ時間の流れに身を任せるだけだった人生が、今、大きく動き始める。
大迷宮の冒険での感動と、切ない恋の物語。
冒険あり、感動あり、涙ありの物語を描きます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-29 17:21:46
219133文字
会話率:27%
ごく普通のオタク男子高校生・影裏砲真。彼には顔イケメン・性格王子様・博識でスポーツ万能な引く手数多の完璧イケメンの幼馴染・空亡太生がいた。ある日彼と一緒に登校していて、横断歩道で待っていると、後ろから太生の自称彼女兼ストーカ・峰崎闇花に押さ
れてしまう。その近くにいた太生も砲真を助けようと身を投げ出したことにより、トラックにはねられ二人は息を引き取った。息を引き取った二人は突如、謎の世界で目が覚め、そこで勇者と呼ばれた。何もかもわからない状態ではあったが、二人は王様の内面を見抜き、それを悟られぬように抜け出した。魔族たちの協力や与えられたスキル、前世の記憶を駆使して、人間の王を玉座から引きずり下ろし、平和な世をつくることを決意する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-29 15:52:31
232559文字
会話率:76%
九法宮学園に入学した極楽天福良は、なぜか異世界にいた。
そこは理不尽なまでに殺伐とした世界。同時に転移した新入生が次々に死んでいく中、福良はあっさりと生き抜いていく。
なぜなら、彼女には古武術、壇ノ浦流弓術があったからだ!
※サブタイト
ルは視点人物名です。主人公の話だけ読みたい方は、極楽天福良の回だけお読みいただいても大丈夫です。
※一話の中での視点変更は行いません。視点が切り替わる場合はそこでその話は終わりとなるルールにしますので、極端に短い話も出てきます。
※主人公はうまいことやりますが、他の人たちはだいたいひどい目にあいます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-29 12:24:53
185138文字
会話率:51%
ティルナ村で暮らしていた働き者の青年、エランティーノ・セイフェルはある日突然、謎の声を聞いた。
「お前は選ばれし者、勇者である」
神からの啓示だと信じた青年はバルセリオン城へ出向き、神に選ばれし勇者だと王に認められて一人旅に出る。
彼
が王から与えられた伝説の剣を振るうだけで、モンスターは一撃。
誰もが彼を頼り敬い、旅は順調そのものだった。
魔王の城にも最速で到達し、勇者は魔王を打ち倒す。
そして、誰もが平和に暮らせる明るい未来が待っている……はずだったのに――
勇者と魔王との戦いの最中、伝説の剣はあっさりと折れてしまう。
武器をなくした一人旅の勇者になすすべはなく、剣と共に心まで折れてしまう。
「若造よ、思いあがるな。勇者とは賢い者だと思っていたが……これでは暇つぶしにもならない。私の真意も知らぬ者に……」
意味深な言葉を残した魔王に、勇者は氷の刃で胸を貫かれてしまう。
どこで間違えてしまったのかと、後悔する勇者。
様々な想いが巡るが、答えは見つからないまま意識は遠のいていく。
絶望と無力感に苛まれ、死を覚悟した勇者の手元に透明な玉が転がってくる。
「俺は……今度こそ、世界を平和に……」
彼がティルナ村を旅立つ時にもらった玉。やりなおしの玉がキラリと輝いた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-29 07:00:00
7599文字
会話率:38%
神の宣託を受けてから一〇〇年。長き、長き戦いだった。
古の生命体である魔王の存在そのものを消滅させる力はなく、封印が精一杯ではあったが勇者一行はついにそれを成し遂げた。
最後の封印を施した魔女ジャンヌ―――ある者は彼女を「不世出の天才であ
る偉大なる大魔術師」と表現し、またある者は「神に寵愛されし英雄」と称え、国民は「ドーレリャンの魔術師」と愛した。
そして、魔王討伐から更に三〇〇年。
死期を感じるジャンヌの前には自ら氷漬けにした魔王がいた。
どうせ死ぬならその前に、ドーレリャンの偉大なる魔術師の集大成である封印を施して逝こうと思ったのだ。
「最後の魔術、お主と心中することになるわけだが、まぁ、悪くない人生だったぞ」
魔界の最下層、誰にも知らせず、誰にも見送られず逝く人生だろうが、それはジャンヌの紛れもない本音、だったはずだ。
心中に去来する寂しさに、ジャンヌ自身戸惑いを感じて義手で胸をおさえる。
(何を迷う?)
世界を守り、仲間もでき、弟子もできたではないか。他に足りぬもの。
「……そういえば、ついぞ女扱いされなかったな」
恋というものを知らぬまま終わるのか。
そんなことを思いながら彼女の意識は途絶えた―――はずだった。
「まさか自分の命までかけて俺を封印しようなどナンセンスだぞジャンヌ。目覚めたら妻が死んでいるなんて最悪すぎる。結果として生きているから最高の目覚めとなったが。運命だな」
「待て誰が妻だ! 一体何がどうしてこうなっている?」
勇者や弟子、果ては世界を巻き込んでの魔王と魔女による恋愛喜劇のはじまりはじまり。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-29 07:00:00
38332文字
会話率:42%
高校生の主人公は恋人である入口摩莉と恋人になって初めての夏休みを迎えた。
彼女との楽しい時間はあっという間に過ぎ、進学し、就職する事になるのだが?
最終更新:2025-07-28 23:42:10
3157文字
会話率:55%
勇者アベルは自領にある森の中で秘術にいそしんでいた。転生の秘術である魔王を討ち人の世に平和をもたらした人類初の大英雄、この者は『はじまりの勇者』の号で呼ばれていた。
魔王討伐後ロイヤル・エワード王国の姫を妻に娶り王の命令とはいえ、自身の流
派を広く王国の民たちへと伝授したそれからも何十年という月日を幸せの中で生きてきた栄華の時代、人間(ヒト)種の生の中で確かにそう呼べる時間が自分にはあったのだ。
だが老いたアベルは常にこう思っていた闘いたい冒険がしたいと、凡百のものにとっては幸せをつかんでしまえばそこで終わりであっただろう。だが勇者はどこまでも『冒険に心をはずませる者』であったのだ。老いた今になっておもう自分の力を必要とするものがいるのではないかと
そんな日々の中で天啓を耳にする「アベル大きな戦に備えよ」ときたる大きな戦をを戦い抜くのに老いた身ではできぬ神はそのための策「転生の秘術」をアベルに授け曰く「その姿、技術、知識をそのまま次の生に受け継ぐがよい、転生後お前のもとに使いを出す詳しい話はその者に聞くがいい」
そうしてアベルは死後転生を遂げるために魔法陣の中へ入った。
これは魔物に転生した勇者が再び仲間たちとともに世界を救う物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-28 23:10:00
696276文字
会話率:25%