――大国スイツの高貴なる血族のひとつであるマカロナージュ公爵家では嵐が吹き荒れていた。
「嘘よ……嘘、うそうそうそうそッ……」
新聞を持つヴァニラの細く白い手がふるふると小さく震え、握られた紙がくしゃりと歪む。
そこにはスイツ国皇太子
であるシフォンの婚約者の決定を伝える記事が、大きな見出しと共に淡々と書かれてあった。
皇太子妃の座に相応しい娘と呼ばれ育ったヴァニラ・マカロナージュの恋と呼べないものの終わりと新たな人生。
* * * * *
不穏な始まりですが、ドアマットだったり虐げられていたりするわけではないです。
登場人物に善性の強い人はいません。それなりにみんな腹の底に何かしら隠し持っています。
一部女性蔑視、結婚や年齢などに対する表現があると思いますが、現代日本とは違う価値観の異世界であることをご理解ください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-05 21:50:00
36824文字
会話率:17%
陛下の誕生パーティーの準備中、突然馬鹿王子が女の子を連れてきてお前と婚約破棄するなどとのたまった。
そもそも婚約してない私は陛下と教育係とともにキレた。
馬鹿王子、いつか暗殺してやる、と決意しながらも何となく王子と一緒にいてずるずる付き合っ
てしまう女の子の話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-24 20:15:34
6678文字
会話率:44%
これは人と動物、二つの姿をあわせ持つ半獣半人が暮らす世界、龍の一族に守られた国の話である。
海に面した国、龍棚の若き皇帝・地龍は、海底で栄華を極める竜宮の姫との縁談を進めていた。
絶世の美女と名高いナミ姫との顔合わせをひそかに心待ちにして
いた地龍だったが、海辺の離宮に来訪した少女は、平凡な“期待はずれ姫”だった……。
「ナミ姫。私は貴女と結婚する気が起きない。悪いがこの話は無かったことにしてくれ」
破談を切り出してから始まる恋模様。
※目標、一話2000文字前後。
無断転載厳禁!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-15 12:00:00
19958文字
会話率:24%