物心ついた頃から兄のように慕っていたレオンからの求婚を受け、アリアは世界一の幸福を噛み締めていた。
地方領主である夫は真面目で少し不器用ながらも領民思い。穏やかで満たされた新婚生活が続くはずだった。
しかし、夫が領主として初めて王都
へ赴き、帰還したその日から、幸せな日々に影が差し始める。
レオンは突然「自分は異世界からの転生者であり、前世の記憶が戻った」と主張し始めたのだ。
「ステータス」や「チート」といった奇妙な言葉を口にし、明らかに様子がおかしい。
アリアは、愛する夫の変化に戸惑い、深く心を痛める。
領主としての激務による疲れなのかもしれない。
そう信じたい一方で、ふと目にした勇者の記録から、最悪の疑念が鎌首をもたげる。
すれ違う夫婦の心。夫レオンの本当の想いとは? そして、アリアの抱える不安は杞憂に終わるのか?
突然「転生者」を名乗り始めた夫と、その変化に戸惑う妻。
これは、二人が本当の幸せを見つけるまでの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-09 21:10:00
9520文字
会話率:29%
毎夜繰り返し亡くなった妻が訪ねて来る。夫は除霊師を呼んだ。しかし視た彼が言ったのは既に成仏している、だった。ではやって来るあれは何なのか。
すれ違う夫婦の結末を見届ける短編ホラー。
最終更新:2025-01-23 05:00:00
1936文字
会話率:63%
「お腹の赤ちゃんは、予後不良の病気をお持ちです」
妊娠14週で、夏美は医師から胎児の異常を診断される。妊娠を継続するか、諦めるのか。我が子の命を選別をする立場となり、杉元夏美の幸せだった妊娠生活が一変する。遺伝子カウセリングによる出生前検査
の説明を受け、「産むか、産まないか」を悩みすれ違う夫婦。職場への報告、産前産後休暇の手続き、棺桶の準備、火葬の手配、そして人工妊娠中絶を決意しての分娩。「まさか自分が」と考えたくもなかった死産までのリアルな流れを、日記として書き留める。決して他人事ではない、悲しいお産があることを、我々は忘れてはいけない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-27 22:24:06
1706文字
会話率:25%
公爵令嬢のリーナは、半年前に侯爵であるアーネストの元に嫁いできた。
所謂、政略結婚で、結婚式の後の義務的な初夜を終えてからは、二人は同じ邸内にありながらも顔も合わせない日々を過ごしていたのだが──
ある雨の晩に、それが一変する。
※六話
で完結します。一万字に足りない短いお話。ざまぁとかありません。ただただ愛し合う夫婦の話となります。
※「アルファポリス」「カクヨム」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-28 14:08:33
9909文字
会話率:47%
大学が夏休みに入ると友達はそれぞれにどこかへ出かけてしまい、ひとり東京に取り残された「僕」は、「うさぎ倶楽部」という奇妙なアルバイトの張り紙を見つける。軽い暇つぶしのつもりで入っていってみると、それはそれほど難しい仕事ではなさそうだったのだ
が、そこには思ってもいなかった世界が広がっていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-25 22:20:13
32432文字
会話率:54%