薬草を採りに入った森で、魔獣に襲われた僕。そんな僕を助けてくれたのは、一人の女性。胸のあたりまである長い白銀色の髪。ルビーのように綺麗な赤い瞳。身にまとうのは、真っ黒なローブ。彼女は、僕にいきなりこう尋ねました。
「シチュー作れる?」
えっと。どういうこと?
彼女の正体は知る人ぞ知る『森の魔女』。どういうわけか、僕は彼女の弟子になったのですが……。
「弟子くーん。朝ご飯まだー?」
「今日はダラダラするって決めてたから!」
「なんか甘いもの食べたいなー」
師匠、もっとしっかりしてくださいよ。
子供っぽい師匠。そんな彼女に、今日も僕は振り回されっぱなし。
でも時折、大人っぽい師匠がそこにいて……。
師匠と僕。二人が織りなす不思議な日常物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-08 20:32:25
19731文字
会話率:60%
【神】【異世界転移】【チート】【ハーレム】──
そんな"夢のような展開"は、存在しなかった。
白崎宗司。
就活もせず、現実から目を逸らしながら生きる大学生。
諦めきれなかった彼は、初詣の神社で願う。
「異世界で俺TU
EEEして、一国の王様になれますように──」
そして、願いは叶う。
神を名乗る謎の美女が現れ、突如始まる異世界転移。
……だが、開口一番、こう告げられた。
「はい。まずは今回乗っ取る予定の国のクズ王族たちをまとめて転移させます。
それからソウジさんが国民の前で【処刑】してください。あとはお任せを」
微笑みながらそう言ったのは──
将来、婚約者となる王女。
その瞬間、宗司は悟った。
ここは【神ゲー】なんかじゃない。
見た目だけはテンプレ風、だが中身は……ただの【鬼畜世界】だったのだと。
「はは……神に願ってまで王様になりたかったのに、このザマかよ」
恐怖で震えが止まらない。視界が、歪んでいく──
「大丈夫ですか、ソウジ様!? ソウジ様⁉」
「ソウジさん⁉ しっかりしてください‼」
……この声は……王女たちか?
「ソウジ様‼」
駄目だ、動揺しすぎて……このまま、気絶する……
──これは、「異世界で王道の主人公になりたい」と願った男が、
その代償に“厳しい現実を次々と突き付けられる”ことになる、絶望と希望の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-08 08:00:00
7078文字
会話率:47%
ブラック企業から追い出された私が、マンホールに落ちた先は、何と乙女ゲームに転生した人たちの取り締まり局?!転生した人たちによってもたらされたもので、崩壊する世界を救うため、転生者を探すのが仕事!?就職難な私は、実は異世界にトリップしても異世
界に害を与えない体質だったらしい。そんなこんなで福利厚生がしっかりしているその局に入った私だが、私の取るに足らない能力が役に立ち……?行くぞ私!いざ異世界に、転生者を探しに!指導者は皮肉やなイケメンだったり、局で警報音なりまくってたりするけどね!私は早く一人前になって、支給される探知機が欲しいです!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-03 18:07:28
67056文字
会話率:36%
時は戦国時代中期…
1555年、尾張の国に6人の現代人たちが召喚された。
彼らの本来の目的は「第六天魔王・織田信長の天下布武を支える」こと。
そして、「織田家によるアジア・世界制覇に尽力する」こと。
しかし、突如呼び出された彼らはその目
的に反発し、尾張を飛び出す。
そしてこのことが、戦国時代の歴史を大きく揺り動かしていくことになる…
※架空人物・主人公たちの子孫が登場する戦国時代を舞台にした架空戦記です。
その為、戦国時代の考察や時代考証がしっかりしていません。
あと、本来の歴史では死なない人物も死ぬ予定です。
時々、亀更新になることがあるので、ご了承ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-02 01:00:00
1842442文字
会話率:63%
大学生の頃に書いた小説が受賞し、ベストセラーを記録したことで専業作家の道に進んだ南海祭(みなみまつり)は、ここ3年新しい作品を書いても誰にも見向きもされなくなった。
新たな刺激を求め、小説投稿サイト「書いて読んで作家になろう」を読み漁って
いると、辺境領主のご落胤という作品のタイトルが目に入った。
その作品は、すごく構成がしっかりしていて、辺境領主の落胤であるが、自分の出自を知らない平民の男性セルジュ-ラインホルツがハイスペックすぎて、やがてその国の王女と結ばれるという物語。すっかりはまってしまった南海だが、読者はなぜか彼女だけ。更新が途絶えて1年以上が経っている作品に憂いて夜空を見上げていたら、とんでもなくゆっくりと落ちる流れ星が。
「せるじゅせるじゅせるじゅ」
なぜか名前を連呼してしまった南海祭だったが、その直後、思わぬ展開に……。
これはある小説家とハイスペック異世界イケメンとのギャグ強めな恋の物語である?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-26 12:13:45
8787文字
会話率:18%
祖母と母が亡くなり、別居中の父に引き取られた幼い三兄弟。
暴力に怯えながら暮らす毎日に疲れ果てた頃、アパートが土砂に飲み込まれ…。
目を覚ませばそこは日本ではなく剣や魔法が溢れる異世界で…!?
強面だけど優しい冒険者のトーマスに引き取られ
、三兄弟は村の人や冒険者たちに見守られながらたくさんの愛情を受け成長していきます。主人公の長男ユイト(14)に、しっかりしてきた次男ハルト(5)と甘えん坊の三男ユウマ(3)の、のんびり・ほのぼのな日常を紡いでいけるお話を考えています。
この子たちにチート機能は必要ないので、多くても1つか2つの予定です。
※ボーイズラブ・ガールズラブ要素を含める展開は98話からです。
苦手な方はご注意ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-23 22:21:52
1312323文字
会話率:52%
*あらすじ
18歳の夏休み明け、碧(あおい)は、都内の私立高校に突然編入することに。BLUEと言う遺伝性の珍しい難病で青い髪に青い眼という目立つ容姿によって背負わされた過酷な過去のせいで愛想もない彼に、クラスメイトはなり手のない文化祭実行委
員を押し付けようとする。
拒もうとのする碧に、「俺とやらない?」と、クラスの陽キャの派手な生徒・渋川(しぶかわ)が声をかけ、渋々委員を二人でやることに。しかも渋川から髪や瞳の色を誉められ、「こいつ、調子いいけど、本音は違うはず。近寄らないでおこう」と、考える碧。
早速、文化祭の出し物が決めようとするも、準備に入ってもサボる生徒が続出し、「委員がしっかりしていないから」などとクラスメイトの黒田から揶揄される。
その最中にクラスメイトがケガをし、スケジュールを組んだ碧が責められるも、渋川にフォローされて庇われ、徐々に心を開き、惹かれ始めて――アオハル高校生男子のピュアな恋物語。
※今作はpixivにも掲載されています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-09 18:10:00
54186文字
会話率:41%
「おはよう、私の可愛いリンド」
魔導具の歴史を100年は進めたと言われる大天才クレイ・アルシャ。
彼女の娘として生みだされた魔導人形のクレイ・リンド。
アルシャとリンドは未踏の地のダンジョンで本物の親子のように暮らしていた。
そんな中、リ
ンドが生まれて1年ほど経ったある日
「うん、そうだリンちゃん、|おでかけ《・・・・》してみない?」
「ちょっと待ってこっちの袋は虫よけでその袋がポーション類、そっちは換金用の魔導具ね?多分10年くらいは遊んで暮らせるくらいの額がつくはずだから街を見つけたら売ってお金にするんだよ?」
「……お母さま、そもそも私の身体は虫に刺されるほど弱くはありませんしポーションがなくても自動的に修復されます、お母さまが造った身体ですよ?お金……は心配なので魔導具はいただきます」
「リンちゃん……いつの間にか私よりもしっかりして……!」
「では、行ってまいります」
大天才の教えと最高傑作の肉体を持ったリンドの少しハチャメチャな”おでかけ”が今、始まる!!
※注意:主人公には時々ケガをしてもらう予定です。でも数話以内に完治してもらうと思うので悪しからず。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-08 17:39:43
20804文字
会話率:40%
ある意味でしっかりしてるけどうっかりで悪役になれなかった令嬢の話。
最終更新:2024-12-25 06:00:00
6858文字
会話率:2%
仔犬を助けて異世界へ。
しかし待ち受けていたのはハードな人生だった。
貴族令嬢かと思っていたのに、実は貴族と使用人の娘。
良かれと思って組み込んでもらったブラックドラゴンの因子は黒目黒髪の忌み子認定。
産まれて間もな
いのに、魔の森に捨てられる始末。
森の中で空腹で倒れているところ、魔女に救われ保護される。
しかし乳幼児にしてはしっかりしている事などから、話せるようになるまではと判断を保留。
コッソリと訓練を続けて3歳になった時点で尋問を受け、あっさりと転生者であることがバレてしまう。
起死回生を狙って魔女との模擬戦で奮戦するも「弱すぎる」との理由から、とあるダンジョンの最下層へと送られてしまった。
復活ありのダンジョンなので意気揚々と攻略を始めるも、そこは地獄よりも酷い鬼畜仕様。
ヒドラには全身を溶かされて死に、ブラックドラゴンには左腕を吹き飛ばされる始末。
果たして与えられたチートを使って、生き延びることが出来るのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
理不尽をテーマに書いていますが、表現は軽く、鬱展開もありません。
主人公は結構理不尽な目に合います。
敵も理不尽に死にます。
仲間も理不尽に死にます。
ヤられたら、ヤり返します。
基本、何やかんやで色々死にます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
評価、コメントをよろしくお願いいたします。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-23 17:13:18
598589文字
会話率:53%
可愛がったのは俺の妹たちだけど。という肝心なことを意図的に黙っている、まさに外道のような そうでないような王子様と、彼にロックオンされた悪役っぽいけど違う令嬢のお話。
とっても口が悪くて外面はマトモだけど、好きな女の子が絡むと少し?気持ち悪
い王子様の一人称で話が進みますが、他の人物の視点で語られる部分もあります。
主人公の王子はシスコンでブラコン。ヒロインには問題児な異母姉妹がいますが、あまり出て来ません。主人公、ヒロイン共に強いけれど恋愛に関してはポンコツ気味。
成人年齢が15歳の世界なので、少し飲酒の描写があります。
学園の中でも不敬罪が成立する程度には身分制度がしっかりしていますが、国王も議会の意向に従わないといけないし、法を遵守する必要があります。でも作者がうっかりしているので緩くなっている部分があると思います。
健全なお話ですが、下品な表現があるのと過去のエピソードでやや残酷な表現があるのでR15です。
胸糞悪いクズが出ます。
推敲していますが節穴なので変換ミスなどが残っている可能性があります折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-17 17:08:54
114207文字
会話率:48%
私はこの国のお姫様!になる予定のビオラ。とっても優しいライト王子様とラブラブで幸せです♡と言いたい所なんだけど…
ナルシストだし、女性がいれば口説くし、破廉恥だし、も〜!!王子としても私の婚約者としてもしっかりしてくださいませ!
私は嫉妬
ばかりしていたくありませんわよ!
「あぁ!怒っていても、ビオラ嬢は美しい…」
「ふんっ!私は口説き落とされたりなんかしませんわ」
「残念だ、今日はデザートにクレームブリュレを用意しているのに…」
「わぁ、食べたいですわ!行きますわよ!!」
そして単純な婚約者ビオラの物語折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-09 20:00:00
18628文字
会話率:67%
「稼げるバイト紹介してやろうか?」
「マジすか?お願いします!」
地元でも少し悪い噂のある先輩からの誘いに、借金が原因で一家離散した俺は生活費を稼ぐため、飛びついた…
上手い話には裏がある。
それは当然の事だった…
「それでどんなバ
イトなんですか?」
「まぁ、結構肉体労働系なんだけどお前体格良いし体力もあるから余裕だと思うぞ」
「今月ピンチなんで頑張ります!」
「おう、頑張れよ!」
まずは面接だと先輩に連れられて地元を離れていく
「ここからは企業秘密ってやつに触れることもあるからこれつけてくれ」
「あ、そうなんですね…高いバイト代払う企業ってセキュリティとかもしっかりしてるんですね」
「ははっ、当たり前だろ、ごちゃごちゃ言ってねぇでさっさとつけてくれ」
「あぁ、すいません、付けます付けます…」
アイマスクと耳栓を渡され、疑うこともせずに着用し、車に乗せられて数時間後
気がつけば俺は悪の組織の下っ端として生きることになっていた…
そして、下っ端としてヒーローと戦い、敗れても捕まらない様に逃走する日々を過ごして一年が立っていた。
俺は今朝までこの話に飛びついたことを後悔していた。
そう、今朝までは…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-16 21:31:05
116980文字
会話率:65%
会社員の男(24)は同期で同い年の、ある女性社員とよく二人で飲みに行く日常を送っていた。
でも付き合ってはいない。それは男として見られていないからなのか? それとも男にその気が無いからなのか?
そんなある日のいつもの二人飲み。でも今日はその
同期が勝手に、後輩の可愛い女の子を呼んでいた。
「礼儀正しくてしっかりしてる子だな」そう思ってた時期が俺にもありました。そんな話です。
※カクヨムでも公開しています
※第1話のみ約3000文字で、あとは約1500文字の話が多いのでサクッと読めます折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-18 12:13:33
112038文字
会話率:58%
『黒の魔術によって歪めらた人々をあるべき姿に戻す』
黒魔術師が跋扈する世界で唯一それが可能なのはグランドマザーの祝福を受けた“白の魔女”のみ!!
この崇高な使命を成す為に“魔女見習い”は己の人生を賭して“試練の選択”を行う。
宗家リンデ
ィの正当な後継者たるアメリア嬢は事もあろうにその“リンディ”の名を捨てる試練の選択を行う。
その“選択”とは?……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-25 14:14:57
4588文字
会話率:43%
お祖父ちゃん、お父さん、お母さん、康お兄ちゃん、
お姉ちゃん、姫たん、雪、そして僕、麟太郎。
喧嘩したり、謎を持っていたり、元夫とトラブったり、
歳よりもしっかりしていたり、夢を追ったり、
恋に暗雲が立ち込めたり。
いろいろあります、
小日向さんちです。
よろしくお願いいたします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-03 07:16:37
144715文字
会話率:27%
父親を殺されて奴隷商人に売られた少女が、買い取られた先で幸せになる話。
ユーフェミア・ラモーナ・ウィアー
売られた娘。人間。明るく前向きでしっかりしている。
ティル
売られた娘。木の精霊と人間のハーフ。生まれつき精霊が見える。森の子と
呼ばれることがある。引っ込み思案だが、好きな人のことになると妙に頑固になる。
オズ
ユーとティルを買った騎士。仕立てのいい服を着て、新品の鎧を着ている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-24 18:00:00
86064文字
会話率:61%
長閑だが代わり映えのしない龍人族の山里から好奇心を満たすべく人間の世界へ下りてきた幼き龍人ピート。
元来、穏やかな性格のピートだが龍人としてのポテンシャルはすこぶる高く、望む望まざるに関わらず強大な運命に翻弄されていく。
幼き龍人ピ
ートは己の好奇心に従い人間界へと旅立った。龍人としての強大なカはピートだけでなく周囲も巻き込み、望外のドラマを引き起こす。
***
★緊急アンケート『ピートについて』
剣士 ロッソ・グリフィア
「ピート君はね、本当に凄いよ。まだ小さいのにあんだけ強くてしっかりしてて優しいし、大きくなったらどうなっちゃうんだろうね?、いや、世界征服も夢じゃないと思うよ。
でも、ピート君が支配した世界なら平和な世の中になるんだろうな。俺も住んでみたいけど寿命が確実にたりねーなw」
魔術師 ウェンディ・キャティパ
「ピート君可愛いよね。礼儀正しくていつもニコニコしてるし。私もあんな子供欲しいわ。早く冒険者引退してお嫁さんになりたーい」
シャリハ神官 モガ・ガンディーヌ
「ピートか。好きだな」
ストリア魔王国国王 シュラ・フォービアス
「大好きなのだ! 余はピートのお嫁さんになるのだ!可愛くて、優しくて、強くて、格好良くて、素敵で、そんなピートのお嫁さんになれるなら他に何もいらないのだ。あ、でもお酒は少し飲みたいのだ...」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-13 21:29:24
4725文字
会話率:41%
自分の意志がしっかりしていて
女の子に対して行動しないそんな人
キーワード:
最終更新:2024-05-19 16:09:12
219文字
会話率:30%
十五世紀。中世も終わりの兆しを見せるこの時代、度重なる十字軍派遣により欧州各国はその国力を弱めつつあった。
また、食生活において当時の人々は肉を保存するため、塩漬けにしていたが、それはお世辞にも美味いと言えるものではなかった。水分が抜
けカチカチになった肉は日にちも経てば変色し、そして腐る。
そんな中、東地中海のカイロ、アレクサンドリアといった都市を持つマムルーク朝エジプトは、東の紅海を抜けインドと貿易をしていた。
そこで取引された胡椒などの香辛料は肉の味を落とさずに保存できる、最高の保存料として欧州で重宝された。
当時胡椒と銀は同量で取引されるほど、香辛料は高価なものだった。
そして残念ながらそれらは温暖湿潤の気候でしか育たず、欧州では輸入に頼るしかなかった。
当時の欧州各国は敵対するマムルーク朝を抜けてインドに到達することは不可能であった。そのため、エジプトに近いジェノヴァやヴェネツィアの商人たちがエジプトとの胡椒の取引を独占した。世に言うレバント貿易である。
同時期、欧州西端のイベリア半島では国内のイスラム勢力を排除してキリスト教国家の復権を目指す国土回復運動、いわゆるレコンキスタが、いよいよ終わりを迎えようとしていた。
イスパニアに先駆けてレコンキスタを完了させた小国ポルトガルでは、バルトロメウ・ディアスの喜望峰到達により、アフリカ大陸を南下して東進インドに向かう、東回り航路で胡椒を手に入れようと躍起になっていた。
「大航海時代」の幕開けである。
さて、歴史における大航海時代とはまさにその通りなのだが、ここはそれとは違う舞台。
馴染みの国名、人名、出来事もパズルのようにずれている。
欧州西端の国、イスパニア。ここに一人の少女がいた。公爵令嬢の彼女は身分も身なりもしっかりして、英才教育により高い教養も身につけている。まさに才色兼備である。ただ一つ、いささか性格に難があることを除けば。
話は冒頭のレコンキスタをめぐって、彼女にスポットを当てて始まる。
これはそんな世界の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-16 18:10:27
118786文字
会話率:59%