「そなたは《毒》か、それとも《薬》か」
皇姫であった慧玲(フェイリン)は先帝の罪により死刑を命じられた。
渾沌の帝と称され、帝国全土に毒をまき散らした凶悪なる帝……その姑娘。だが彼女は薬師の一族・白澤の叡智を修得していた。
慧玲は皇帝
の問いにこういった。
「私は、如何なる《毒》をも絶ちて《薬》と致しましょう」
帝国・剋は先帝の悪政によって《天毒地毒》の禍に苛まれていた。
地毒は人を蝕み、《毒疫》という奇しき病をひき起こす。
鱗に蝕まれた妃妾。脚から梅の咲きこぼれる舞姫。毒疫は如何なる医師にも癒すことができない。ただひとり、後宮にいる食医の姑娘を除いては。
「あなたはいったい」
「ただの食医でございます」
処刑を一時取りさげられた慧玲は身分を捨て、後宮の食医となった。妃嬪たちから渾沌の姑娘と謗られ、疎まれながらも典医が匙を投げた患者たちをたちどころに解毒していく。
最高に美味しい《毒》を患者に飲ませることで。
「毒は、毒を制すものですよ」「口に旨き毒は《妙薬》となるものです」
それは償いか。それとも復讐への階か。
慧玲のもとに現れた麗しき風水師。彼は不敵な微笑を湛えて、慧玲に囁きかける。
「貴女の死を望むものがいる。その敏さはいつか、貴女の身を滅ぼすよ。緩やかにまわる毒みたいにね」
彼は果たして敵か、味方か。逢うべきではなかったふたりの袖が振りあうとき、国の運命が動きだす。
・ ライト文芸寄りの後宮お仕事ものです。
恋愛はするかどうか謎ですが、異性バディ(イケメン)はいます。
・ こちらの小説は《カクヨム》にも掲載(同時に連載)致しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 17:13:15
434956文字
会話率:39%
「君を生き返らせる代償に、僕は“君との記憶”を一つずつ失っていく」
交通事故で命を落とした凪(なぎ)を前に、悠(ゆう)は禁忌の契約を結ぶ。
代償は——“生き返らせた日から一日経つごとに、凪との記憶が一つずつ消える”こと。
彼女の好きな
食べ物を忘れ、
一緒に笑い合った日々を忘れ、
「好き」と伝えた記憶さえも、少しずつ、少しずつ……失っていく。
でも、凪は決して泣かない。
「忘れたって、また恋をしてくれればいい」って笑う。
悠は忘れても、心の奥で「何か」を感じ続ける。
理由もなく惹かれて、胸が締めつけられて、知らないはずの涙がこぼれる。
忘れるたびに恋をする。
思い出せなくても、心が覚えてる。
そして最後の記憶が消える前夜——
凪がそっと囁く。
「また、私を好きになってね」
これは、
“記憶を失いながら愛し続ける”
ふたりの物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 22:23:22
4759文字
会話率:37%
ケラソの家のタゥは、元気いっぱいの15歳。誕生日を翌日に控えて、生業のウスルス狩りを精一杯頑張っている。
狩人としては若年だが、朱色の糸からこぼれる金髪も、伸びきっていない手足も、若々しい生命力に呼応して、大変魅力的である。
1
6歳の誕生日を目前にしたタゥは、たくさんの見合いが待ち受けている未来に期待をしていたが、誕生日の翌日に運命は暗転してしまう。カクヨムにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-25 18:00:00
435880文字
会話率:44%
広大な世界にモンスターやダンジョンが存在する世界。
三大ギルドの一角に所属し、神童、最強の戦士などと呼ばれた男バルトスは
過去の夢を完全に忘れ、クズ野郎になっていた。
ある事件を機に落ちこぼれるバルトスは過去の夢を思い出す
そんな時
ある人間との出会いで、止まっていた夢は動き出す!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-06 14:02:57
2766文字
会話率:53%
都会の片隅にある、小さなマッサージ院「ほぐし庵」。
そこでは若き女性マッサージ師・桜井陽菜(ひな)が働いている。
話好きで明るく、少しおせっかいな陽菜は、患者さんのコリだけでなく、その背後にある人生の悩みや喜びもほぐしていく。
訪れる患者は
老若男女、さまざまなバックグラウンドを持つ人たち。
慢性肩こりに悩むサラリーマン、育児疲れの若い母親、年齢を重ね孤独を感じる老人、恋愛に悩む大学生、そして時には自分の人生を見直したいと立ち寄る人も。
今日も「ほぐし庵」では、施術ベッドを挟んで会話が弾み、涙や笑いがこぼれる。
人々の体と心を軽くする陽菜自身も、彼らとの触れ合いを通じて成長していく。
人生の温かさや苦みを優しく描いた、ほっこりするヒューマンドラマ。
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最終更新:2025-03-04 12:30:00
60733文字
会話率:53%
『三百年後に生まれ変わり、この国を滅ぼす』
そう言って亡くなったとされる元王妃の呪いのような予言。
その日に生まれたノーリング伯爵家令嬢シェリーは、『滅びの魔女』と呼ばれ国中から忌避されていた。
十六歳のある日、伯爵家に軟禁されていたシ
ェリーは妹キャロルの一言により、隣国グランゼイルの森の中へと追放された。
そこは竜王が治め、獣人が住まう国。
身一つで森を彷徨い、行き倒れたシェリーを拾ったのは、その竜王――
「人間。もう少し大きく口を開けろ。でないとこぼれるぞ」
だったのだが。
気づけば竜王の手によりふかふかの寝床に寝かされ、温かいご飯を食べさせられ――あれ? 餌付けされてる?
「他に欲しいものはないか?」
せっせと世話をされている?
とある事情から少年の姿をしていたシェリーは『ルーク』として竜王の城に滞在することになるのだが、ご飯を食べさせることがすっかり気に入った竜王により、まっとうな食事を摂り、日の光を浴び、体を動かすことによって少年のようだったやせ細った体はどんどん成長していき――。
特別な力なんてなにもない。
それなのに国を滅ぼす災厄として生まれ、家族からもその生を疎まれてきたシェリーが望むのは、『誰にも迷惑をかけずに生きていきたい』という思いだけ。
そのためにシェリーは竜王の手を借りながら――餌付けもされながら――『滅びの魔女』について調べ始める。
『滅びの魔女』の呪いを終わらせるために。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-31 21:33:34
196915文字
会話率:27%
星の瞬きが語りかける夜、私たちはいつも何かを願う。願い事が叶うという奇跡を、心のどこかで信じているからだ。
この物語は、星の国から降り立った小さな男の子と、希望を失いかけた女の子の出会いの記録である。彼らの出会いが、互いの運命を大
きく変え、夢と光の新たな扉を開く。
星々が見守る中で、彼らの心はやがてつながり、暗闇に射し込む一筋の光となる。涙がこぼれる夜も、いつか笑顔に変わると信じている者たちへ——これはそんな奇跡の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-24 12:39:32
34426文字
会話率:33%
心からこぼれる詩やポエムなどを書いていこうと思います。
不定期です。書きたいなと思った時にかきます。
ポエムなどが苦手な人は読まないで下さいませ。
恥ずかしながら、少しずつ過去書いたものも、載せたりするとおもいます。
若気の至りのような
作品もあります。
それでも読んでいただける方がいたらいいな、と思って書いていこうと思ってます。
たまに投げ掛けるように乱雑に書くこともあると思いますが、暖かく見守って頂けると嬉しいです。
本作品がが合わないな、と思ったら、不快にならないうちに読むのを止めて下さい。
本作品はアレルギーがを起こす場合があるかもしれませんし、ないかもしれません。ご自身の責任でお読み下さい。
本作品は使用期限はありません。安心してご覧下さい。
他者の作品の盗作及び、転用は致しません。一点ものです。
他者の作品に言い回しが似ている場合もあるかもしれませんが、偶然の一致ですので、ご了承下さい。
それではごゆっくりお楽しみ下さいw折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-21 09:48:00
24622文字
会話率:1%
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
で
はなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※カクヨムさん、アルファポリスさんで投稿中折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-16 21:34:42
426910文字
会話率:50%
少し、マイペースな大学生「私」の日常。
5分ぐらいで読める、ゆるーとした、日常に思わず笑みがこぼれる。
ぜひ、朝の早起きしたとくに読んでみてください。
最終更新:2024-09-30 21:21:57
1631文字
会話率:0%
日常でふと感じた事や思ったを書いていきます。
リンゴがあります。
リンゴを知らない人にリンゴを説明しなさいと言われた時、
酸味があってジューシーな食べ物です。
赤くて丸い果物です。
青森で栽培されています。
等々、人によってとらえ方が違
って面白い。
それを楽しんでいただければと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-05 20:10:59
4550文字
会話率:0%
退屈だった人生に光をくれたのは―――宇宙人と呼ばれる女生徒だった。
穏やかな陽光に包まれた、桜舞う4月某日。中学校を卒業し、星宮ひかりは修叡高校1年生になった。しかし、期待と緊張で思わず笑顔がこぼれる新入生達とは対照的に、彼の心はひど
く淀んでいた。
晴れ晴れとした入学式の空気に耐えきれなくなったひかりは、新入生の列から外れ、使われなくなった旧校舎へと足を延ばす。
式が終わるまで昼寝でもしていよう。そう画策していたのだが‥‥?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-15 17:41:53
63462文字
会話率:69%
ある村にある薬屋にとある噂が舞い込んだ。それは凄腕の薬師が来て病人を治したというもの。その話を聞いた疲れた顔の女は家に戻るがーー…?
英独間の戦争を経て、女が得た未来とは・・・?
最終更新:2024-05-18 17:24:52
6747文字
会話率:42%
もしも魂などないのならあの世だってないものでしょうか。
ひいては善悪などの判断もすることなく、川の流れるように人生は過ぎるばかりで。
きっとそれに対して考えた時点でどこに行くかは決まっているようです、その黒装束の笑みがこぼれる限りは。
最終更新:2024-02-03 04:38:28
2080文字
会話率:43%
記録に残らない歴史。忘れ去られた歴史。誰も知らない歴史。それはもう知り得ない。誰の記憶にも残っていない。それらは何もかもが土となってしまった。神のみぞ知る、そんな歴史。その歴史は表面的な「歴史」と同じだけの濃度を持ち、同じだけの浪漫があり、
同じように輝きを放っている。どの出来事も、どの人物も忘れ去られる。未来永劫、私が彼の顔を見ることはない。だが、彼にもあったはずなのだ。熱意が、想いが、感情が。名も知れぬ彼も、まるで羽が生えたように浮足立ち、飛び跳ねるほどに喜んだはずなのだ。火山の岩さえ煮えたぎる火口のようにふつふつと、こめかみに血管を浮かべながら怒ったはずなのだ。心がぐしゃぐしゃに裂かれてしまうように感じ、膝をついて顔中に涙を流しながら哀しんだはずなのだ。自分でも気が付かないうちに笑みがこぼれるような幸せを楽しんだはずなのだ。それは時間という長い巻物の中では目にも見えぬようなほんの僅かな、たった一瞬のことだったのかも知れない。だが確かに、光った。その熱意、その情動。その輝きに私は美しさを見出している。その輝きにこそ人間の、歴史の、宇宙のすばらしさがある。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-16 21:00:00
25806文字
会話率:1%
超気弱な私の人生論を書いてみました
最終更新:2023-07-19 18:11:35
424文字
会話率:0%
うるさい子守唄を歌おうという話
最終更新:2023-03-17 08:51:44
567文字
会話率:24%
涙がこぼれるとき、人は喜び、悲しみ、怒りなどの感情をともなっている。どんな感情であれ、こぼれた涙はその人自身のものである。ただ、この世界にはその涙にたかって人の心を壊していく蟲がいる。そんな世界で一人の男と少女が人々の涙に隠されたさまざまな
思いのゆくえを追って行く。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2023-02-09 12:07:59
5179文字
会話率:59%
ドジっ子のうさみみメイドは、なぜか魔王様の膝の上につまずいちゃう!
「全く、お前は俺に抱かれたいのか?」
「も、も、申し訳ございませんんん!!!」
魔王さまは、赤子がギャン泣きする強面なのに、いつもわたしに優しくて、今日はなぜか一緒に星
座占いを見ることに……!
強面だけど、本音がこぼれる魔王さまとドジっ子うさみみメイドとの、じれったいイチャイチャ両片思いなお話です。
*「第4回下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ大賞」の参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-04 16:23:28
1000文字
会話率:55%
賑やかなパーティー会場から離れ、一人バルコニーに佇むエリーゼ。
公爵令嬢である彼女は、今日も浮気な婚約者に悩まされていた。
エリーゼに見せつけるように、他の令嬢と戯れるアルバート。
本来勝気なエリーゼは、自分よりも身分の低い婚約者に対して黙
っているようなタイプではなかった。しかし、エリーゼは不実な態度を取り続ける婚約者に対して強気な態度をとれないでいた。
なぜなら、うっかり聞いてしまった友人たちとの本音トークに、
自分自身の足りなさを知ってしまったから。
胸元にそっと手を置き嘆くエリーゼ。
「いいわね、見せつけるものがある人は……」
女の価値は胸の大きさにあると豪語する婚約者の言葉に、すっかり自信を失ったエリーゼ。
華奢な彼女は、婚約者に寄り添う胸の豊かな令嬢に対し、敗北感を募らせていた。どうやら婚約者は運命の愛を見つけたらしい。
「この婚約は破棄するしかないわね」
私もできれば愛する人と結ばれたかった。でも、自分には叶いそうにない。惨めさに思わず涙がこぼれる。
とそこに、幼いころともに遊んだ王太子殿下が現れて。
「ねえ、君を泣かせたのは、あいつ?」「僕なら泣かせないのにな」
ぐいぐい迫ってくる殿下の真意は!?エリーゼの恋の行方は!?
小さなコンプレックスに悩む可愛い公爵令嬢と、公爵令嬢の全てを奪いつくしたい見た目天使、中身腹黒な初恋拗らせ王太子殿下の溺愛ハッピーエンドストーリーです。
本文一万字程度。本日中に完結します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-20 22:00:00
10193文字
会話率:49%