度重なる災害や飢餓、戦争に生きとし生ける物全てが狂っていった世界。そんな『死にかけている』世界をなんとかするために、狂い果てた人類はあろうことか、別世界から何の当てもない一人の人間を呼び出した。普通ならばそんな破れかぶれの方法でどうにかな
る物ではない。しかし、そうして呼び出された一人の男は、奇跡的に世界の希望を背負うに足る英雄の素質を有していた。そして、その英雄たる男と数人の仲間たちで狂った世界を無事に救い出すことに成功し、その後訪れた世界の改革期とも変革期とも言われる『暗黒時代』を乗り越え、人々は平和を手にしたのだった。――それから時が流れ、そんな『事実』が遠い過去の物となった現代。この世界に住む者ならば赤子でも知っていそうなそんな世界の『事実』が、あっけなく『崩壊』する様を目のあたりにする、ある一人の少年が目を覚ますところからこの物語は始まる。
*以前投稿していた『狭間の子』の改稿版です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-03-04 07:34:22
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会話率:33%