受験を目前に控えた一月五日(いちがついつか)の夜。
俺、近衛拓人(このえたくと)は幼馴染の冷泉五花(れいせんいつか)のことを想っていた。
幼少期から一緒に育ち、それでいて、いつか、いつか、と告白を先送りし続けた相手のことを。
でも、
もう「いつか」はない。だから、関係を先に進めようと決意したそのとき。
【このちゃん、もう寝た?】
【起きてる。アニメ鑑賞会のお誘いか?】
【そのとーり!以心伝心だねっ!】
幼馴染からいつものお誘い。二人で画面を共有しながらアニメを鑑賞する一時だ。
ただ、どうにも彼女の様子がおかしい。まるで大事なことを伝えようとしているような。
そして、アニメが佳境に差し掛かったそのとき。
「うん?どうしたんだ?」
「このシーン、好きなんだ。私もいつか……って決断を先送りにしてたから」
語られるのは彼女の想い。
このお話は、いつかはきっと……とお互いに想っていた二人が、次の「いつか」を目指すようになる、
そんなお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-04 06:00:00
4796文字
会話率:40%
高校一年生の男子、渡辺徹(わたなべとおる)は幼い頃に両親を事故で失い、
そしてはとこである八木(やつぎ)家に引き取られた男の子。
そんな徹の二つ上で姉のような母のような関係の女の子がいた。
八木鳩子(やつぎはとこ)。二つ歳下の徹をか
わいがり過ぎて、
恋人でもない徹によく膝枕をしてあげるそんな特殊な関係。
ただ、徹はといえば引き取られて以来いつも傍にいてくれた
鳩子に恋心が募るばかりで、うれしいけどちょっと複雑な気持ち。
六月のある雨の夜、そんな距離感に耐えかねた徹は
「鳩子さん。俺、鳩子さんのことすっげえ好きなんだけど」
たまらず告白してしまうものの、鳩子の反応はといえば。
「す、すき?徹君が私を?」
「そうだって言ってるだろ」
「そ、そうなんだ。私も……好き、かも」
そんな微妙な返答。
「かもってなんだよ」
「だって。好きとか考えたことなかったし……」
これは二人が限りなく家族に近くて、でもまだ恋人ではなかった関係から、
家族で、恋人な関係になるだけの一夜の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-15 00:35:25
4591文字
会話率:36%
「はあ。ゴールデンウィークに戻りたい」
5月11日の夜、ベッドで読書をしながらつぶやく俺、久野瀬達也(くのせたつや)には普通じゃない幼馴染がいる。
家内音子(いえうちねこ)。小柄で小動物のような愛くるしい容姿で人気の彼女は実は猫に変身
できるのだ。
毎晩のように猫としてたずねてきてはひとしきりじゃれ合ったら満足して帰っていく。
昔からの付き合いでいい加減慣れているけど高校生にもなって夜に平気で男の家に来るのはどうなんだ。
しかも、それに留まらず抱きしめ合ったりすらする。
彼女のような彼女でないような、そんな中途半端な間柄。
そんな彼女だけど、今日はいつもと少し違う沈んだ様子で、
「最近、ペションとする出来事があったんですけど」
らしい。果て、音子が何か凹む出来事でもあったっけ?
これは猫になれる幼馴染と、ちょっと意地悪な先輩が織りなす一夜の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-11 17:08:45
5793文字
会話率:56%
ああ、大嫌いで、大好きで、でも大嫌いで、なのに大好きで、大嫌いなんだ。
最終更新:2024-01-03 18:00:00
2474文字
会話率:36%
僕は君が嫌いだ。嫌いで、嫌いで、そして好きなんだ。
最終更新:2023-02-03 17:00:00
700文字
会話率:16%
たくさんの『観客』が欲しいんじゃない。
たった一人の『観客』が欲しいだけなんだ。
最終更新:2022-12-23 17:00:00
4255文字
会話率:44%
元日に、家出した。人間が嫌になったから。どうなるか分からない。でも、もう限界なんだ。
神社で願った。誰の記憶にも残りませんように。そう願った。
そのあと、友達と街ですれ違った。会いたくなかった友達。でも、気付かれなかった。
もしか
して、願いが叶ったのか。嬉しかったけど、複雑な心境だった。
寂しさは、どうやっても埋められない。埋められないんだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-03 17:45:42
4572文字
会話率:28%
あなたのすべてが、大好きなんだ。
最終更新:2023-10-29 06:19:46
886文字
会話率:0%
大坂夏の陣の一月後、平戸島に一人のイギリス人が帰ってくる。
彼の名はウィリアム・イートン
EIC、すなわちイギリス東インド会社の平戸商館に属する若い商人である。
イートンは人目を忍んで、焼け落ちた大阪から平戸まで密かに戻ってきた。
「商
館長、私は太閤の宝物を託されてきたのです――」
そんな感じで始まる歴史冒険小説です。
主人公のイートン君は実在します。
有能で勤勉で仕事熱心な若手商人なので、「冒険小説」のはずなのに、八割方普通に仕事をしています。少々恋愛もします。
彼の混血の息子がのちにイギリス本国でオクスフォードに入学している――という驚愕の事実からこの話を書きたくなりました。
イートン、たぶんものすごく優秀なんだ。生まれがそれほどよくないから出世が頭打ちになったタイプ。そういう気がしたのです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-02 08:15:54
94802文字
会話率:47%
「あのね、最近、うちの金魚が元気ないんだ。エサも食べないし、底に沈んだままだし。なんだか寂しがってそう」そうなんだ。それもそのはず、その金魚って、ガラス細工の金魚だもんね。小説家になろうラジオ大賞5 参加作品。テーマは「金魚」です。*もと
ネタは、投稿中の作品「僕は茶道部部長に弄ばれる」からです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-31 17:59:47
1000文字
会話率:41%
えぐりこむ心の穴を、誰かが塞がなきゃいけない。
それはやられる側も、やる側も、貴方がその内の一人なんだ。
最終更新:2023-12-26 22:32:08
653文字
会話率:0%
「ゾンビが人を噛む理由を知ってるか? あれは――祝福なんだ。ゾンビになった俺が言うんだから、間違いない」
ゾンビパニックに見舞われた剣と魔法の世界の話。
ただし、誰もが想像するような、生き残りを掛けた激闘の日々を描く物語ではない。
主人公ア
ルは、最強を目指す聖騎士の青年。
だがある日、彼はあっけなくゾンビに噛まれ、当然のように『動く死者』になった。
妙なのはここから。
アルはゾンビになっても人の心を失わなかった。
聖騎士として、人に危害を及ぼすゾンビを狩って狩って狩りまくり――気づけば数百年。
肉は腐り落ちて、残ったのは骨だけ。
スケルトン剣士となった青年は、結界により隔離された街に、ただ一人佇んでいた。
ある日、そんなアルのもとに一人の――生きた少女が現れる。
「貴方には、わたしの聖騎士になって頂きたいのです」
被害地域十二箇所を結界で封印することによって、ゾンビパニックを乗り越えた異世界。
いまだ魂を囚われた死者たちを救うべく設立された、祓魔機関。
死者を還す『聖者と聖騎士』を育成する学園に、少女と共に通うよう提案される。
そして――「全ての封印都市には特別な死者がいます」
「いいぜ。十二体の特別な死者を、俺が殺そう」
「……それは出来ません」
「なんでだよ」
「その内の一体は、貴方だからです」
「……あぁ」
特殊な魔法で、再び人の身を得るアル。
ゾンビ化の呪いを振りまいた悪しき魔女の血を引く少女、アストランティア。
最強の剣士と魔女の末裔は契約を結び、殺せぬ死者を殺しつくす。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-26 19:00:00
343502文字
会話率:37%
俺はしっかり者なんだ。
どんな時も慌てずに、どっしりと構えたcoolな男だ。
記憶喪失だと?
俺に限ってそんなことはあり得ないだろ。
俺の記憶は超しっかりしているぞ!
なろうラジオ大賞5参加作品です。
最終更新:2023-12-26 01:14:53
1000文字
会話率:47%
ボクはピッポ。ご主人様の魔法で命を吹き込まれたクマのぬいぐるみなんだ。
ご主人様のルチアは、お嬢様なのに屋根裏部屋で暮らしている。継母にイジメられていて、ムチで打たれたり、婚約者の王子様と会うのを邪魔されているんだ。
ここままでは婚約が解消
されてしまうかもしれない。ルチアのために、ボクがなんとかしなくちゃ!
継母に虐げられた公爵令嬢ルチアを救うため、ぬいぐるみのピッポ君が頑張るお話です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-24 10:29:02
9909文字
会話率:33%
こちらの世界に来てもうすぐ十年目に突入する。
幸いにして高校に入るまで九年間剣道を習っていたおかげで身を守る程度には立ち回れたが、盗賊だの魔物だのいる世界ではそれだけだった。
どんなに努力しても根本的に生きるか死ぬかの世界で育ってき
た連中の中で特別になれるわけもなく。今は流れ着いた街に住む貴族のところで私兵をしている。
元の世界に戻れるのかなんて不安や、こんな世界に来たんだから一花咲かせたい。なんて思いがなかったわけでもないが、人生なんて結局こんなもんだ。
そんなわけで。昼は特に危険なこともない平和な街で剣を携えてお貴族様のお屋敷を守りつつ、夜は近所にある酒場に顔を出す。
そうすると大抵、作家である彼女がグラスを片手に上機嫌で俺を見て笑うのだ。
「よっす、ネタ切れなんだ。なんか新刊のネタになりそうな話ない?」
俺を本のネタにするのはやめてくれ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-22 21:02:31
100448文字
会話率:37%
やめてくれ、幽霊だの怪異だの、そういうのは俺に効く。
普通に考えて動物でも魔物でも自分に向かってきたら怖いだろ。剣だの魔法だの使えても相手に効かなきゃどうにもできないだろ。
だから俺が幽霊を怖がっていても何にも問題がない筈だ。むしろ俺
のことをビビらせるアイツらの方が悪いね。
そもそもこの学園に入学してからそういう手合いとの遭遇率上がってるんだけど?
何? この学園が呪われてるの? それとも俺の周りにいる奴らが呪われてんの?
正直どっちでもいいから勘弁してくれ。俺は身の危険を感じず慎ましく生きたいだけなんだ。
これは俺にとって忘れたいような忘れたくないような、この学園で過ごした六年間の非日常な日常の備忘録だ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-09 21:15:05
118557文字
会話率:28%
調味料を手作り!
めんどくさいけど、作らなきゃ手に入らないんだよおおぉ( ;∀;)
お写真モリモリありますので、画像苦手な方はご自衛を!
最終更新:2023-12-18 06:10:27
1713文字
会話率:0%
昔の俺はデッカイおちんxこを持っていた男の子だ。
俺はおちんxこが欲しい。
今の俺はおちんxこを失った男の子なんだ。
どうしてこういうことが俺に起こったんだよ。レイラ・ド・ドットという悪役令嬢に転生し、それに死亡予定がある?ぶさけんな
ッ!
俺は絶対諦めないッ!このファンタジー世界で多種多様な女の子が含まれてるハーレムを作って見せてやる!
エルフも獣人も、ただ可愛い女の子であれば、必ず手に入れてやる。
王国政治?政略結婚?学園生活?俺は全然気にしないよ。
俺の目標はたった一つ、それは女だッ!もっと、もっと女が欲しいなんだぞ!
カトリーヌ王国太陰暦、九百五十二年。
これは盛大で淫らな伝説、栄光の女王についての物語が始まった。
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一週間に一回更新します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-12 18:49:30
24486文字
会話率:43%
僕──オリガミ・イツキは異世界転移してもうすぐで2年経つ。
この世界に愛着を感じ、最悪この地に骨を埋めてもいいかもと思った矢先に彼女と出会った。
いや、正確には彼女じゃなくて、彼……いや、元彼と言うのが正しいのだろうか?
僕とは違い、異世界
転生を果たした彼……カツラギ・レンヤは何と女性の身体で転生を果たしていた。
そんな僕らが出会い。そして、友情を築く。
このお話はそんな友情譚なんだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-12 03:09:14
28440文字
会話率:41%
自分とは何者なんだ。
最終更新:2023-12-09 00:15:22
484文字
会話率:50%
縛りプレイってやつなんだ。
最終更新:2023-12-06 10:35:10
231文字
会話率:0%
男はセックスで傷ついたらいけないんだよ。
セックスで傷つくこと、それは女性の専売特許なんだ。
そんなマッチングアプリのヤリモク男子と歳上女性が駆け引きするお話!
全24話。1〜2日おきに更新します。
最終更新:2023-11-29 12:39:00
44272文字
会話率:6%
虎は強く美しい。けれど絶滅しそうなんだ。強さと美しさは罪なのか。そんなわけがない。虎よ、虎よ、誇り高き獣よ、引き裂いてやれ、噛みちぎってやれ、無様なやつらの喉笛を。
キーワード:
最終更新:2023-11-21 19:50:18
3229文字
会話率:75%
古くなった靴を新しい靴に履き替える。たったそれだけのことだけど、あたしにとっては、わくわくする体験なんだ。
【テーマ(靴・憐憫・宝石)】
最終更新:2023-11-19 19:41:11
1022文字
会話率:5%
君はコーギー犬は好き?
11月の沖縄はちょうどいい気温で散歩にはもってこいなんだ。
これはコーギー犬のマルと一緒に散歩する僕の、ちょっとしたお話さ。
最終更新:2023-11-15 12:04:22
3293文字
会話率:31%
私には、将来この人のお嫁さんになりたいと思う素敵な男性が居る。
少し年は離れているけれど、愛情があれば問題ないよね!
本当に素敵なんだよ! っていうと、みんな、「えぇ~」って顔をするけれど、それはあの人の本当の姿を知らないからなんだ。
これは、私、アミィ=ポンティスと、私の将来の旦那様のアゼルとのお話。
いわば、二人の愛のメモリアルなんだ!
第一章完結まで、毎朝7:00投稿です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-15 07:00:00
67179文字
会話率:38%