自分で自分を抱きしめる。この先もひとりで生きていくのだろうと、諦めと後悔と覚悟に震える独身女性に突然芽生えた、恋心。しかし、その相手はあまりにも自分に不釣り合いで、想いを寄せることさえ申し訳なく……
最終更新:2015-12-29 00:00:00
32029文字
会話率:6%
ベットから体を起こした彼女は髪をかき上げた。長らく眠っていたのであろう。髪に寝癖が付いているのが自分で分かった。カーテンから、うっすらと太陽の光が入っている。夜明けに合わせて彼女の隣にいる彼が起こしてくれたのだろう。少しだけカーテンを開け
て、ぼんやりと朝焼けた空を眺めていた。
不意を衝くように、彼女の頭を彼は撫ぜた。寝癖も気にせず、ただ彼になされるがままになる。彼は彼女が抵抗しようともしないことをいい事に、そのまま彼女の頭を胸に抱き寄せた。
「ねえ」唐突に彼女が言った。「あの空の向こうまで行けるかな?」
虚ろな表情を一切変えず言葉をこぼすその様は、まるで人形を思わせた。
そんな彼女に彼は言葉では返さず、抱きしめる力を強めて応える。彼女は彼に言葉を再び投げかける。
「もし私が空の向こうに行ってしまうことになったら、その時は貴方も一緒にいてくれる?」
「勿論さ。どこまでも一緒にいる。天どころか、地獄の果てでも一緒にいる。当たり前だ」
そこで初めて彼女は虚ろだったものから表情を崩した。彼女は不安だったのだ。そして彼の言葉でその不安が払拭された。
「私、学校の人や色んな人から『怖がり』『ビビり』って言われてたけどね。貴方と一緒なら、何処へだって、何だって、何も怖いものなんてないんだよ」
そう言って明るく笑い、抱きしめている彼に抱きしめ返した。
彼女のそばにいる彼は現実の存在ではない。言うなれば、統合失調症による彼女の妄想だ。妄想に浸れば浸るほど彼女の心は救われ、そして不愉快な現実と切り離されていく。煩わしくも楽しい人間関係など、そこには無い。
客観視するならば、彼女は紛れもなく孤独な存在と言えた。だが、本当に孤独にさせたのは誰か。
彼女は妄想にしか拠りどころを見いだせず、妄想にすがるしかなかったのだ。そこまで追い込んだのは誰か。彼女の精一杯の努力を一蹴したのは誰か。
怒りにもならない理不尽なこの境遇に、誰が同情するというのか。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2015-08-24 18:59:49
815文字
会話率:29%
もしも1000年越しの再会だったら俺は迷わずお前を抱きしめるだろう
でも実際お前は変わっていた 優しさはそのままだ
お前は俺のことを忘れていた いや、俺との記憶すらなくなっていた
こういうときどうすればいい?
俺は様子を見る形でお
前のいる学校に転入した
周りには人間だらけ でもお前だけは違う
お前は、俺を助けてくれた
だから今、俺はお前を助ける
これからの出来事に全てお前のためにだけ俺の時間をあげよう
俺のことは、もう思い出さなくていい
だから幸せになってくれ
ある日私の学校に転入生がきた
その転入生はすごく不思議な雰囲気だった
でも転入生がきたのと同時に大きな事件が学校……いや街全体を襲った
もしかしたら転入生と関係があるのだろうか?
でも、そんなのは関係ない
この事件を解決する
そして、またみんなと笑い合える日常に戻りたいのだ
p.s
1話1話の話が短いです。
すみません
なるべく長くなるようにがんばります
文がぐだくだだけども、背一杯いろいろとがんばってます!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-10 11:35:37
5194文字
会話率:64%
男子寮、大和は同性の朋也の部屋へこっそりと忍び込む。朋也の部屋の住人は帰省中でいなかった。二人きりの中で、抵抗しない朋也を抱きしめる。二人きりの世界。
最終更新:2015-06-25 11:00:00
1989文字
会話率:47%
フォンターニという造船会社の工作部隊で働いている12歳の少年兵の名はジイル・フォレスティーダという。彼は9歳の吸血鬼の少女ハーティとともに暮らしている。ジイルがよく行くジャンク屋で働くエルフのクナはジイルに恋心を抱いている。
目の前で両親を
殺されたジイルは復讐を叶える情報と力を得ようと裏の世界に身を落としている。そんなジイルをクナは心配してるも聞き入れてはくれない。
ハーティはジイルの弱さを受け入れて支えてあげようと抱きしめる。
少年の悲しい現実と、少女達の想いの交差。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-29 20:40:07
13139文字
会話率:9%
「この書き出し、締めいかがですか その弐」【 空全部抱きしめる勢いで両手を広げてみる 】らぶこめ風味。でもらぶが薄め。タイトル=ラスト=オチ。意味深に見えるなと今気付いたが期待するような事は何も無いし、直さない。書く時は無邪気とか天然な女
の子が好きです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-05-23 23:25:15
200文字
会話率:10%
大切な人を思い描いた詩です。
最終更新:2014-05-16 00:00:00
227文字
会話率:0%
※FC2内4uというサイトとBerry's cafeというサイトで連載していたものを、加筆修正しております。
妹の死以降、親に愛されることなく生きていた主人公マナ。
ある日母親が家を出ていき、一人にされます。
新しい父親伊東一馬と出会います
が、その父親と関わるなと言い続ける母親。
自らの命を絶とうとした時、初めて会う兄ナオトに止められます。
転校をし、受験も許され、新生活が始まります。
兄の恋人心(こころ)との出会いもあり、充実した毎日を過ごします。
仕事の帰り道に待っていたものは、母親との再会。
自分を愛せない理由を語る母親に暴力を受け、死を感じた主人公を救ったのは、ナオトの友人凌平。
母親を気にしつつも、学校に通い続けるマナ。
ある夜、母親がマナを連れ去ります。
とある店に連れて行かれたマナを、凌平が連れ戻します。
作文の発表者に選ばれてしまうマナ。作文は、母親へ向けた思いで溢れていました。
ナオトが法事に行くとわかった時、ナオトに頼み、法事に付いていきます。
母親に前と変わらず拒絶されるマナ。現実を痛感させられ帰宅。
父も悲しい過去の傷がいまだに癒えていず、それを家族として受け止めたいと抱きしめるマナ。
母親が失踪し、時間だけが過ぎ、学園祭当日がやってきます。
学園祭当日、母親が刃物を持って現われます。
マナを救ったのは、女の子だと思っていた心。彼女は、性同一性障害という心の病気でした。
怪我をしたまま作文の発表をし、発表直後に倒れ病院に運ばれます。
母親のことで父親の元に連絡が入ります。
それは、母親が妊娠していて流産しかかった事実と、母親は堕胎を望んでいるということ。母親は、女の自分だけを愛してくれるなら産むといいます。
マナは自分が育てることを決心します。
自分の誕生日に、ナオトから告白をされますが、互いに兄妹として近しい存在になって行く二人。
出会ってから、すこしずつ育んでいった凌平への恋心。
何度も揺らぎながら近づいていく二人。
出会って、七年目。二人は結婚をし、凌平の誕生日に子供を授かりました。
育児に悩み訪れた妹のお墓の前で、兄・ナオトがマナに封筒を渡します。
その封筒の中の、母親がつけていた育児日記を読むことで、自分や母親と向き合うことを強く思ったマナでした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-01-17 11:32:13
63369文字
会話率:36%
僕には好きな人がいる。
小さくて、華奢で、抱きしめると折れそうなほど儚さと切なさとを漂わせた人が。
僕が守ってやりたい。僕のとなりにいてほしい。
僕には手なんて届かないのは知っているのに、どうしてこんなに僕は君に恋をしているのだろう。
最終更新:2013-11-10 23:52:46
6553文字
会話率:23%
過去に縛られし者、過去は残酷に現在に牙をむく。
過去は悔むべきなのか?
それとも……抱きしめるべき思い出なのか。
最終更新:2013-10-31 23:00:00
3491文字
会話率:33%
パープルゴリラは過去を抱きしめる
最終更新:2013-08-26 20:58:51
582文字
会話率:100%
この小説はFC2ブログで連載しているものです。少し本文が変わっている場合もありますのでご了承下さい。また、誤字脱字等もそのままで載せております。
最終更新:2013-05-06 14:10:47
1240文字
会話率:0%
こんにちは赤ちゃん…そう言って抱きしめる女の子。私はどうやら昔と言うのか前世と言った方がいいのか、その記憶を覚えていながらも、生まれ変わってしまったしい。____本当にかるーく下ネタ入ります、苦手な方は注意。
最終更新:2013-04-07 02:18:23
2291文字
会話率:13%
俺こと『三原慎司』は、幼馴染みにして友人でもあり恋人でもある『吾妻勇樹』を腕に抱き、至福の時を噛み締めていた。抱きしめる腕が苦しい、と眠りから目覚めた吾妻に言われて腕を緩めるが、思いもよらぬ言葉が返ってきて……
最終更新:2013-02-14 01:51:29
2167文字
会話率:45%
たった一人で宇宙空間を航行する『惑星調査員』の男。彼がコールドスリープから目覚めて最初に抱きしめるその女は・・・?と言うお話です。これはラブ? ラブなのかっ?
最終更新:2012-12-27 00:08:07
4887文字
会話率:44%
土曜の朝、彼女はぼくをきつく抱きしめる。ぼくは彼女から逃れられない。
最終更新:2012-10-14 05:10:16
2753文字
会話率:10%
人を勇気づけるのは、言葉だけじゃない。
最終更新:2012-07-15 18:06:05
360文字
会話率:4%
【matatakiシリーズ】目を覚ますと好きな女の子が自分の腕を枕にして眠っていた。無防備なことをいいことに抱きしめるのには成功したが・・・
最終更新:2012-04-25 21:26:28
1131文字
会話率:3%
彼女が見たものが何かは誰も知らない。生きるために忘れて行く子供と、そんな子供を真綿に包むように抱きしめる青年と、そんな彼らを見守る大人の、ひどく不器用で、優しい、家族の絆の話。
[書いては書きなおしてを繰り返しているので更新ひどく遅いです]
最終更新:2010-12-01 13:49:34
8713文字
会話率:38%
大学三年生の航(わたる)は同じ大学に通っている希(のぞき)と付き合っている。希は精神的な不安定さを抱えており、デート中でも眠りに落ちてしまうことがある。航はそんな希の様子に不安を感じている。
ある時、航は元カノの遥(はるか)と久しぶりに
再会する。二人は公園で思い出話にふける。遥は就職活動や人間関係の悩みを打ち明ける。航は生きづらさを抱えながらも前向きに生きようとする遥に再び惹かれていく。そして、希から少しずつ遠ざかっていく。
航は地道に就職活動に励んでいる。その時、地下鉄の構内で彼女の死を知らされ、家の中でふさぎこむようになる。彼女を見捨ててしまったという罪悪感に苛まれる。
遥は航を優しく抱きしめる。「誰のせいでもない」と航を慰める。そして、航は遥の胸の中で安堵の涙を流す。(全7部)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-09-14 11:32:04
12603文字
会話率:69%