ねぇ……あなたも、見てるよね?
タイムラインの向こう。
スクリーンの奥。
そこにあるのは、
人類の限界を、全部、越えてきた「天才たち」の記録。
完璧な絵。
完璧な音楽。
完璧な身体。
完璧な言葉。
──息が、できなくなる。
彼ら
が届いた“てっぺん”を、
わたしたちは毎日、見上げてる。
無意識のうちに。
目を離せなくて。
それが、「普通」になってるから。
でも……
自分の描いた線が、
誰にも届かない気がして。
最初から、間違いだった気がして。
何も生まれなくなるんだ。
そうやって、誰もが“つくること”を、やめていく。
これは、そんな世界で──
まだ、線を引こうとしたひとりの話。
視界が地獄になっても。
届かなくても。
それでも「描く」って、
なんだと思う?
ねぇ……
あなたなら、描ける?
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-04-13 10:35:07
2482文字
会話率:0%
王子の婚約者だった公爵令嬢ディアナベルは、結婚式のわずか数十分前に、相手が変わった。
取り換えられた相手はパイロープ・クレンアニダ子爵。なんと彼は、おとぎ話にあるような、魔法使いだった。
ディアナベルは彼の魔法にかけられて、幼い猫の亜人にな
ってしまう。
魔法使い?子猫?訳も分からずスタートしたディアナベルの子爵夫人としてのお仕事は……寝て食べて寝て、よく遊ぶことだった!?
この結婚、最初からおかしい。
何やらパイロープは理由を知っているらしいが、それはとんでもない世界の秘密につながっていた。
子猫子爵夫人の、ちょっと不思議な生活と、世界の秘密。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-12 05:24:22
97574文字
会話率:45%
自分ではない聖女に会いたいと言う婚約者のギーゼフ。確かに最初から交流は上手くいっていなかった。引き際は今だと婚約を解消したユーリア。その夜、教会の自室で眠ったはずの彼女が目覚めると、なぜか砂の上にいた。目の前には巨大な獅子。多分一撃で終わる
。想定外の出来事に巻き込まれたユーリアの未来の行方、そして彼女の抱えた葛藤とは。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-10 12:18:43
13895文字
会話率:49%
人びとの表情が消えた町で、ひとりの老いた時計職人が黙々と働いていた。
彼のつくる時計は正確無比で、町じゅうの家々や工場、学校の時間までもが、彼の時計に従っていた。
けれどその町には、どこか不思議な静けさがあった。
誰も笑わず、泣かず、怒り
もせず、まるで感情というものが最初から存在しなかったかのようだった。
ある日、旅の詩人がその町を訪れる。
町の人びとの無表情さに驚いた詩人は、やがて時計職人の店にたどり着き、問いかける。
「あなたは、かつて感情を持っていたのではありませんか?」
時計職人はその問いを否定するが、詩人が見せた一つの止まった懐中時計が、彼の心の奥に眠っていた記憶に火をともす。
それは、かつて職人が手放した“感情”の象徴だった。
合理と正確さのために封じたもの、それが、再び時を刻みはじめたのだ。
やがて、職人の内部でもう一つの時計が、静かに動きはじめる。
それは機械ではなく、人間としての「心」の時を告げるものだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-08 19:04:19
4781文字
会話率:14%
少年ドリマーは誕生日の日に必ず冒険から帰ってくるお兄ちゃんを心待ちにし、朝から胸をワクワクさせていたが...。ドリマーにふりかかるあんなことやひょんなこと!?最終旅行記ってどういうこと!?最初から最後までワクワクドキドキいっぱいの.....
..記!とくとご覧あれ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-04 22:01:35
241文字
会話率:0%
ある日、世界は静かに書き換えられた。
誰も気づかないまま、ただ一人の不運な天才ハッカーによって。
夏の東京。下半身不随の青年・一条悠は、終わったはずの身体に微かな“熱”を感じた。
それは奇跡か、偶然か――それとも、神のコードか。
やが
て彼は、世界の裏側に“REAL”と呼ばれる言語が存在することに気づく。
その記述によって、現実は「実行」されているのだと。
彼は書き換える。
愛を、過去を、存在を。
そして、静かに崩れていく。
恋人が笑うとき。
街に“神の啓示”が溢れ出すとき。
世界は、もう止まらない。
最後に「自分自身」を削除するとき、
彼は知る。
この物語そのものが、最初から“誰かによって書かれていた”のだと。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-02 04:37:18
8623文字
会話率:16%
或る青年の話である。
尤も彼が生きてゐたかどうか、それすら明瞭とは申せぬ。
何故なら彼は、既に其の時分――心という器の半ばに、透き通った水の代りに、どす黒い濁流を湛えてゐたからである。
名は蒼井尚紀。十九歳。
彼の心は冷えてゐた。
ぬるく、湿って、まるで梅雨時の石畳のやうに黴びてゐた。
朝目覚めると、胸の奥が軋む。
夜眠ると、夢にすら他人の声が混じる。
誰かに抱かれたいのではない。
誰にも見られたくないのでもない。
――ただ、何かに「触れてみたい」と、彼は願った。
大正十三年。帝都。
銀座裏の《三月堂》。
あの夜。
あの女。
あの眼差し。
蒼井尚紀は、確かに彼女に出逢った。
だが其れは、出逢ひではなく、落下の始まりだった。
最初から壊れかけていた彼は、やがて、壊れてゐることすら思い出せなくなるだらう。
――そして、誰も居なくなった硝子の夜にて、ただ己の名だけを噛み殺すのである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-02 01:51:46
12893文字
会話率:19%
この鼓動だけは何があっても止まらない! それこそがこの世界で生きている証だから――!
ゲーム好きな高校三年生、四畝波海兎はある事件に巻き込まれ、異世界へと転移してしまう。ただ一つ与えられた異能を手に、大切なものを守るため、血みどろの戦いに
身を投じていく。
※ヒロイン不在の部分に興味がない場合は、六話目の『助けてくれたのは――?』から読み始めるといいかもしれません。勿論、最初から読まれた方が嬉しいのですが。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-01 18:15:46
878637文字
会話率:39%
大昔、とある土地をめぐり大きな戦があった。
その地には他所の土地より、資源が豊かで人々が暮らすには絶好的な環境。
どの国もその地を求め奪おうと侵略にきたがある青年により状況を変えた。
まるで戦神が舞い降りたようにたった一人で侵略者達を退け
、先住人達を守ったのだ。
その地に住む民は皆その青年を戦神の化身と崇め、その青年をこの地の王として祭り上げた。
青年は王となり己を削りながら民の為に心身を奉じる。
…だが、青年には大きな罪を隠していた
その罪はやがて世代へと受け継がれ大きな火種となる。
これは罪を受け継ぎし者達が運命に抗う物語。
※
主役は3人います。二人は最初から最強で、一人は普通です。
※※
魔法とか妖精はでませんが、色々と不思議な事が起こります。
(特に主役の一人が兎になります。兎種族でもありませんし、呪いが掛かっているわけでもありません。)
※※※
前作品『乙女ゲームのとおりにはさせません!』の番外編で出てきた主人公の××と友人を主役にしていますが、こちらは内容に繋がりがあるようでないです。
国名なども同じになりますが、全く別物なので初見様でもご覧いただけると思います。
(でも双方ともネタバレな処がありますのでご覧になる際はご注意ください。)
温かい目で読んで頂けると嬉しいです。
(今回も誤字脱字は多く発生するかもしれませんが、ご容赦願います。)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-31 20:56:50
371963文字
会話率:42%
これは、俺・曽瓦知制が何者かによって殺され、異世界でスキル『軍師』を取得し、モンスターを討伐したり、王女を助けたり、王国を助けたり?と冒険や人助けを繰り返す日々を送る物語。
なんで、最初からスキルが使えないんだよー!
最終更新:2025-03-31 16:29:52
2642文字
会話率:45%
テレレレッテレ~!
ご機嫌なメロディが、頭に流れる。
「おめでとうございます! 乙女ゲーム『ローズガーデンの聖女』の悪役令嬢に生まれ変わりました」
突然そんなことを『神さま』に告げられたイリス・エーグル辺境伯令嬢。けれど、そんな乙女ゲームを
プレイしたことがない彼女は、悪役令嬢になんてなるつもりは勿論ない。前世の職業であるガーデナーの腕を使い、エーグル辺境伯領を盛り上げよう。
そう決意した彼女は、神さまにあるチート能力を授けるよう依頼する。
なのに、婚約者にも家族にも溺愛され、幸せに過ごしていくイリスは、何故だか国を揺るがす何かに巻き込まれ──???
最初から最後までハッピー溢れる、チートなスローライフを目指す少女の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-28 21:10:00
90316文字
会話率:42%
一見穏やかな龍の宮の中、臣下の間の軋轢などを見極め、精査することを誠達任せて数か月。そろそろ結果も出て来る頃だと、誠、公林、栄加を呼んで話を聞くと…。
迷ったら月に聞けシリーズも長くなってきました。前回から引き続き、だらだらと定点カメラのよ
うに続いて行くお話しです。苦手なかたはバックでお願い致します。ちなみに、初めてのかたはとても大変ですが、最初から読んで頂いた方が世界観にどっぷり浸かれます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-25 06:00:00
582934文字
会話率:34%
北の問題はまだ解決していないが、島では桜の季節になり、穏やかに花見の席を楽しんでいた。
いつものように、ダラダラと定点カメラの映像のように、お話は進んで行きます。苦手なかたはバックでお願いします。
また、ここからお読みになる方は、大変に長い
シリーズで恐縮ではありますが、最初から読んで頂いた方が、理解が進むかと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-26 06:00:00
567496文字
会話率:34%
要は、自分の行きたい道へと進みたいので、毎日どこか焦る気持ちを抱えて生きていた。ある日、幼馴染の倫子から、姉の洋子と共に孤島での学習合宿に誘われて…。
本当は死なない人狼シリーズ3の続編です。多分、裏の事情が分かった方が楽しめると思うので、
もしこの作品から読み始めようというかたは、シリーズ最初から読んで頂ければとお勧め致します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-05 06:00:00
178110文字
会話率:34%
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっ
と私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-24 23:40:40
146251文字
会話率:29%
<Combat of F
新生歴五百年 戦争が始まった
火星と地球の連合軍 Marlas
木星と土星の連合軍 Jutar
新生歴五百十年 戦争が終わった Jutarの敗北だ
十年続いた戦争はとある兵器によって終結した
コンバットという人型
巨大兵器
全長20M 重量65t
装備は様々
120mmマシンガンや250mm滑空砲、ヒートサーベルやビームダガー
背面装備に838mm連射ミサイル、180mmキャノンなどなど
いろいろな武装が存在する
プレイヤーはMarlas、Jutarのどちらかに所属することができる
プレイヤーの始まる時代は新生歴五百十五年になる
Marlasは最初からコンバットが、Jutarは戦闘機や戦車が使える
Jutarはコンバットを鹵獲すればそのコンバットを研究し、
独自のコンバットを作ることができる。さあどちらかを選び、戦え!>
「へぇ〜こいつは面白そうだ」
主人公の真螺 仙
友達の蒼に誘われてこのゲームを始めることになった。
仙は「最初から充実しているのは面白くない」と考える人間で、
100万のプレイヤーのなかでJutarに所属しているのは蒼以外にはいなかった
(なんで100万のプレイヤーがいる中で耐えられてるのか?頑張ってるからです)
仙も「Jutarのほうが面白そうだな!」といいJutarを選ぶ
仙はコンバットを簡単に鹵獲し、独自のコンバットを作る
その名はファング
この機体がこのゲームを破壊することになるとは知る由もなかった
はいと言うことでね!みなさん勘違いしないでくださいね?
これまだあらすじなんですよ
あらすじで満足して帰るとかやめてね?
後あらすじとちょっと違うかもしれないけどほぼ変わらんから安心してね!
本編もちゃんと読んでね?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-24 11:00:01
8852文字
会話率:70%
1618年から19年にかけてオランダのドルトで開かれたリフォームド教会の全国会に承諾されたカノン。改革主義の指導者が数ヶ国から集まった重要な教会会議であった。
神は歴史の最初から選ばれた神の民とそれ以外の滅びる人に、人類を二分された。人は
2種類しかいない。救われたクリスチャンとそれ以外の滅びる人の2種類である。
日本基督一致教会 1880年の訳
19世紀すでに翻訳はされている。ただし、戦前の日本の教会は超教派の簡易信条主義を採り、これをあまり重視しなかったと考えられる。
カナ文を平仮名にし、現代語にあわせて送り仮名を修正した。古語の「撰(せん)まれたる」は、「撰ばれたる」にした。
イエス様が耶穌と表記されているのは、より古い漢文の訳由来である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-20 23:04:08
3170文字
会話率:0%
探偵は奇妙な夢を見た。
冷たい都市の風景、遠ざかる声──そして、謎の名前 「レムノス」。
目を覚ますと、そこはいつもの探偵事務所。
しかし、昨日の記憶が曖昧だった。
ログを確認すると、夕方からの 4時間分のデータが消失 している。
エ
コーによると、探偵自身がモニタリングをオフにした形跡がある という。
だが、理由が思い出せない。
さらに不可解なのは、「レムノス」という名前。
エコーのデータベースにも、その名前の記録は 一切存在しない。
まるで、その人物が最初から「この世界になかった」かのように。
夢の中で響いた言葉が、探偵の胸を締めつける。
── 「俺のことを、忘れないでくれよ……」
消えた時間の謎を追う探偵。
果たして「レムノス」とは誰なのか?
そして、彼が忘れ去られた理由とは?
夢と現実の境界が曖昧になる中、探偵は「存在の痕跡」を求め、"レムノスの忘却"に足を踏み入れる──
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-18 06:45:29
67038文字
会話率:28%
ニコルの婚約者はいつでも幼馴染の王女のそばにいる。
常日頃から放置されていた結果、
「別にひとりで行ってもいいんだわ」
向こうが好きにしているのだから、こちらも好きにすればいい。
婚約者の存在を最初から意識の外に置いて「お一人様」に慣れ
ていくニコル。
最初から何も期待しないことを決めると実に楽になった。
しかし、お一人様の気楽さを知ってしまったニコルに、婚約者のケイオスは――
※アルファポリスで完結済みです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-15 10:00:00
27306文字
会話率:44%
家族との折り合いが良くない主人公・サラは、騎士・ジスランと数度の偶然の出会いを経て恋人関係にある。
しかし、ジスランとの出会いは偶然ではなく、サラを傷つけるために仕組まれたものであった。サラはそれを最初から知りつつも、彼に惹かれ、共に過ごす
時間に幸福を感じていた。
そんな中、父から結婚相手を決めたという手紙が届き、サラは王宮を去ることを決意する。
「結婚することになりました。二週間後、仕事を辞め、実家に戻ります」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-14 20:00:00
9162文字
会話率:26%
それはおそらく昔々の物語ーーー
これから修復する予定のそれらの資料は、今もなお風の吹き荒ぶ北の荒野にまつわる、恐らくは史実を元にした物語?のはずだ。
ひとつひとつ、紐解いていこうと思うーーー
**********
此方は以前、セリフお題(
シチュエーションボイス台本のようなもの)として某アプリに投稿していたものです。
多数の投稿作の中から、繋がりそうなものをピックアップして何となく物語に見えそうな感じに繋げていったものなので、「小説」の形からはたぶん外れています。そして台詞を綴ったものなので一話一話も短くなっております。
意図して最初から関連づけて作ったものは3つ4つくらいなので、全体を見ると矛盾点もありましょうがサラッと流してくださると有り難い。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-14 12:00:00
7553文字
会話率:2%
社内恋愛禁止の職場で、真理奈(まりな)は同僚の蓮(れん)とバーで飲んでいた。
穏やかで余裕たっぷりな彼をからかうつもりが、逆に翻弄されてしまう。
「ねえ、蓮みたいな人が、どうして彼女いないの?」
軽い冗談のつもりだった。
でも、その瞬間、彼
の瞳が揺れた気がした——。
これは、「崩したい女」と「崩れない男」の、ギリギリの駆け引き。
社内ルールなんて、最初から守る気はなかったのかもしれない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-12 16:36:10
180419文字
会話率:40%
――「幸福な楽園のはずだった。しかし、それはただの幻想だった。」――
鉄と蒸気が支配する巨大都市〈鉄星街=フラトレス〉。
そこは、地上を覆う無数の煙突と、赤く脈打つ巨大炉〈鉄星炉(テッセイロ)〉によって駆動する、
世界最先端の魔法機械技
術の集積地だった。
この都市の地下深くに、外の世界を知らぬまま育つ“特別な子供たち” がいた。
彼らは全員、双子――計画のために集められた、親に捨てられ、愛されることのなかった者たち。
計画の名は――『対摂理・ジェミニ計画』。
魔法起動機兵《カルディア》、その究極形である 『タイプ・ジェミニ』 を生み出すための実験。
その成功には、「双子の存在」が不可欠だった。
選ばれた四組の双子たち。
盗賊の娘、貴族に捨てられた者、戦争孤児、そして――赤と青の瞳を持つエルとアル。
彼らは皆、「幸福な環境で育てられる」と言い聞かされ、
地下都市の“箱庭”――完璧に管理された楽園へと連れて行かれた。
そこでは、何不自由ない暮らしが約束され、学校、遊園地、水族館、動物園、お菓子工場までもが用意されていた。
だが、それはただの“演出”だった。
彼らの成長は、計画の成功に必要な“素材”として管理されていたに過ぎない。
新たな人生を与えられたはずの双子たちの前に、
「ブリキでできた教師と生徒」が並ぶ奇妙な学校が現れる。
壇上に立つ男――計画責任者・ファウスト博士 は、彼らにこう告げた。
「このフラトレスで、12歳になるまで仲良く、楽しく、何も疑わずに生きなさい。」
拍手を送るブリキの教師たち。
機械仕掛けの人形たちが、ぎこちない笑みを浮かべる。
子供たちが暮らす“楽園”は、最初から歪んでいた。
――違和感に気づいたのは、エルだった。
「……なに、ここ……?」
目の前に広がる世界は、本当に楽園なのか?
それとも――ただの“檻”なのか?
幸福なはずの世界で、彼らは何を見つけるのか。
そして、計画の本当の目的とは何なのか。
『エピソード・ラズライト』――今、運命の歯車が静かに動き始める。
@或火譚
※このエピソードは、『Orde Qiska//オルデキスカ』という作品の11話~21話を切り取ったものです。本編を知らなくても一つの作品として読めるように、一部、文章や表現を変更しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-11 14:15:43
52977文字
会話率:17%