大学生活初めての夏休み。
八月もそろそろ終わりが近いが、大学生の夏休みはまだまだこれからだ。
まだざっと一ヶ月ぐらいの休みがあるのだが、俺はいい加減退屈してきていた。
友人たちとカラオケに行き、海に行き、キャンプに行き、祭りに行き、
長期休暇を満喫していたが、夏のイベントと呼べるおおよそのものを消化してしまうと、すっかり暇になってしまった。
ああ、暇だ。
この暇をどうやってつぶそうか。
考えた末、俺は虫取りに行くことにした。
十八歳になった大学生がすることではないだろうが、別にすることはない。童心に返ったような気分になりたかっただけだ。幸いにもこの辺りは自然が豊かだ。虫を探すのに苦労はないだろう。
俺はさっそくアパートを出て、自転車にまたがる。ここから十分ほどのところに山がある。そこならカブトムシぐらいはいるはずだ。
俺は虫取り網もカゴも持っていない。必要ないからだ。別に虫を捕まえて育てようなんて考えていない。捕まえたらちょっと観察して、その場で逃がすつもりだった。
脱水症状を警戒して、途中にある自販機でスポーツドリンクを購入した。
準備は整った。俺は山に向かった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-08-07 00:48:00
4488文字
会話率:1%
帰宅途中に土砂降りが降ってきた。
最終更新:2013-05-18 21:18:46
291文字
会話率:0%
こども心を探すようになった体験について、わたしが静かに話し始める。それは作曲者のわたしが休憩中に、ある音楽を耳にしたことだと言う。
わたしは初め、その演奏を所々音が飛んでいると感じた。しかし、あるとき時計塔のある街に溶け込んだ良い演奏だ
と思うようになり、わたしは次第に聞き惚れる。演奏者は自分よりも年若い女の子だった。また、毎日わたしの部屋のすぐ下に彼女が来るので、わたしはいつしか女の子の密かな信奉者になっていた。けれども、街の人々が女の子の演奏に気付かないことをわたしは不審に思っていた。何より、彼女が突然この街から去ってしまうのではないかと、わたしは心配にもなった。
わたしは思い切って彼女に話しかけることにした。案の定、女の子はもうすぐ街を去ってしまうのだと言う。一方で、童心を忘れた人には聞こえないのだと、彼女の演奏を気付いたわたしを彼女は賞賛する。大切なものから目を離すと今まで見えていたものも見えなくなってしまうのだと。女の子とのささやかな交流にわたしは満足を覚え、わたしは彼女に言われるまま時計塔の方角へ視線を向けた。そうすると、その僅かなうちに女の子は姿を消してしまうのだった。
わたしは二度と、女の子と会うことも彼女の演奏を聞くこともできなくなった。まるでこども心を失くしてしまったように感じたわたしは以降、時折時間を見つけては、こども心を探すために街を歩き回るようになるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-12-16 16:24:32
4600文字
会話率:17%
不思議の国とアリスの世界に童話祭参加作品「サンタクロースの弟子(n9120ba)」で登場したユウトを旅立たせてみました。
白ウサギを追いかけて二階の部屋の窓から落っこちたユウトは
チェシャ猫に出会い、イモムシに出会い、帽子屋と三月ウサギとお
茶を飲み、
そしてトラブルに巻き込まれてしまいます。
不思議の国は今、どうなっているのか。ユウトは無事に元の世界へ帰れるのか。
内容は大人が読んで楽しい童話を目指しました。
童心に還りたい方におすすめしたい小説です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-07-24 15:23:23
24256文字
会話率:40%
テスト勉強中の将行のもとに現れた、幼馴染の千紗。彼女は童心にかえって「神様の飴を探そうよ」と将行を誘う。
桜庭春人さん主催の企画『candy store』出品作品です。
・各回ごとに設定されたお題のお菓子を作品内に登場させる
・一話
につき2000~4000文字
・ジャンルは自由
本作は『第2回 キャンディ(飴/ドロップ)』です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-04-24 00:00:00
3987文字
会話率:40%
★短編エッセイ集★
冬虫夏草、冬は虫の姿、夏になると草になる。
虫と菌が織成す自然界の不思議。
そっと目や耳を向ければ、誰もが知っている世界。
そっと囁いた時、確かに、その言葉に答えるものがいる。
それは世界の声。
……そん
な、
世界に散りばめられた、不思議に満ちた、
身近なところの、なんてことない日々、そんな日常の、
ほんの些細な、不思議や疑問や浪漫やら、
日々考えていること、感じたことを、
拾い集めては、寄せ集め、脈絡なく綴っているだけなのかもしれない。
短編なので、題名で気になったんものだけ読んでも大丈夫!
時々、雑学うんちく語ってしまったり、見た夢の内容を書いたり、天然ボケ理論が炸裂する、そんなエッセイ?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-10-31 18:00:00
24939文字
会話率:4%
主人公、神山純一を中心に繰り広げられる物語。それは甘く切ない恋。誰もが通ったことのある道のお話し。ぜひ童心に返ってご賞味あれ。
最終更新:2008-01-23 11:09:36
1730文字
会話率:13%