嵯峨天皇の絶大な信頼を得て若くして権力を掴んだ冬嗣(ふゆつぐ)は、勢力を伸ばそうとたくらむ葛野麻呂(かどのまろ)や緒嗣(おつぐ)といったライバルと宮中で冬嗣と対立する中、他者の上に冷酷な存在として君臨する。だが、権力を掴んだ冬嗣の前に立ち
はだかっていたのは日本史上最悪と言われる飢饉だった。その上、以前より続いてきた出挙を軸とする経済はバブル崩壊を迎えて破産者が相次ぎ、日本全国で失業者と餓死者が続出して税収がなくなり、田畑は捨てられ、都には生活を失った人があふれるようになった。冬嗣は貧困を無くそうと借金の税率を引き下げ、生活に困った国民にコメを分配するも貧困はかえって悪化する。
飢饉は国境の外でも発生し、東北地方の蝦夷が日本人の集落への侵略を開始。頼りとする勇将坂上田村麻呂も病に倒れて命を落とし、侵略を跳ね返すための負担が国庫を悪化させる。戦乱は国内の日本人と蝦夷との民族対立も呼び、各地で扮装が勃発する。それでも、苦しみながらも日本軍は蝦夷を追い詰め、三八年間続いてきた蝦夷との戦いを、本州統一という最高の形で終えることとなった。
しかし、平和は訪れなかった。本州統一直後に海の向こうから新羅が襲来する。対馬は蹂躙され九州に軍勢が押し寄せるが、国家をかけた戦いは日本の完勝に終わり、新羅軍は無条件降伏した。戦勝も状況の改善にはつながらず、一方で、財政危機は役人と貴族の腐敗を招いた。国庫からはコメが尽き、金銭に経済の主軸を移させるがそれがかえって大インフレを巻き起こす結果となる。持つ者と持たざる者との格差が拡大し、貧困はいっそう悪化して国に救いを求める人が増えるが、冬嗣にはその全てに応えることはできなかった。冬嗣に頼れなくなった国民は国の力を借りず生きていこうとする。地方は次第に独自の権力を持ち、後の武士の誕生のきっかけとなった。
自然災害で日本各地は壊滅的なダメージを毎年のように受け続ける。嵯峨天皇はただ一度を除いて好景気を経験することのないまま責任をとって退位し、本人は拒絶するも弟の淳和天皇が即位した。冬嗣は人臣の最高位である左大臣へと上り詰め二人の息子を貴族としてデビューさせるが、淳和天皇は平城上皇と薬子の起こした反乱の関係者を赦すという名目で、冬嗣の権力のきっかけとなった反乱鎮圧と首謀者の殺害の出来事を批判した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-12-06 11:57:57
99478文字
会話率:9%
ある集落に起こった大火災で、周りの人間が心中して1人になった青年と、神に見捨てられた横線入りの路地子の少女の白い悪戯を綴るお話。※殆ど、この作品は完成の見込みが見当たらないので完結とさせてもらいます。最初の投稿で色々と恥ずかしい内容ですが、
読んでくださった方々に感謝しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-05-27 16:42:06
13118文字
会話率:42%
闇夜の森。背の高い木に一羽の影。その影は闇夜も切り裂く鋭い翼を持ちその影の眼は赤く揺らめいていた。まるで獲物を狙うカラスのようにギラギラと揺らめいている。「モクヒョウ、カクニン。」と呟くと影は狙撃銃のスコープを覗いた。その1里先には、炎(ホ
ムラ)一族の集落そして、窓越しに映る村長の遜炎。クロスバーを遜炎の頭に合わし、引き金を引いた。『ズパーーーーーーン』風ひとつない静かな森に銃声が鳴り響いた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-05-21 23:19:12
4485文字
会話率:62%
その付近で唯一の同級生として、幼い頃から片田舎の集落に住む眞菜と賢治。彼らは一見仲の良い、ごく普通の幼なじみに見えた。しかし、眞菜は稀な免疫系の異常のため、春と秋に舞う花粉によって、致命的なぜんそくの発作が起きるという難病を抱えていた。やが
て二人は18才になり、卒業の時は刻一刻と迫るが...。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-02-21 19:39:48
55359文字
会話率:35%
ここは、誰かの夢でも空想でもない世界この世界では、モンスターが存在し、宝の潜むダンジョンや遺跡、モンスターの巣窟や集落、さまざまな謎を秘めた物や事、といろいろと存在している。ゆえに、明かされぬ謎を求める探求者、宝を求めるトレジャーハンター、
護衛などさまざまな理由でモンスターの相手をするモンスターハンター、という探求者たちが増え活躍している。この世界で一番多く、もっとも必要な職業となっている。この物語はそんな世界のある街の中ハンターたちの情報交換の場となっている酒場の腕利きのトレジャーハンターの二人の出会いから始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2008-12-28 23:55:44
36298文字
会話率:34%
人の世界とは隔てられた空間で生きている三つ子、サトラ、ルマ、テリー。彼らは自分達がおかれている状況に不満を抱きつつも抜け出せずにいた。ある日、自分達の領域に不審な気配を感じ、彼らは自分達の役目を果たす為集落を飛び出した。一方、その不審な気配
の主である人物は、直前まで自分がいたはずの場所とはまったく違う場所で目を覚ましていた。なんとかして元の場所に帰ろうと行動を起こしかけた矢先に、侵入者に怒りを抱いた三つ子と遭遇する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2008-12-11 23:55:51
41747文字
会話率:51%
時は平安。狐族の集落には一匹の若い九尾がいた。これは終わりに向かう物語…。
最終更新:2008-07-28 22:26:06
1398文字
会話率:0%
とある世界で繰り広げられる戦争。ある日、戦火に巻き込まれた集落から逃げ出した少女リコは、敵国の少年タキと出会う。『戦争が生み、残すものは何か』をテーマに二人の少年少女が生きる戦乱の日々を描いた作品です。
最終更新:2008-01-24 01:47:28
11732文字
会話率:22%
「二十歳になればこの集落からは出てはいけない」そんな掟がある集落に住む一人の青年、山崎恭介は掟の真意を探ろうとする。やがて恭介は不思議な声を耳にする。その声の主の正体とこの集落の掟の関係・・そして恭介の両親の死の真相・・長老達が隠している集
落の秘密とは・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2007-12-30 11:02:25
13850文字
会話率:35%