―プロローグー
一人の子どもが草原に立っていた
両手を後ろに固定されて身動きが取れない
その瞳には、虚無を映している
両親も友もいなければ、見送る者もいない
空からバタバタと機械音がしたので見上げてみる
深い紫色をしたゴンドラ船
が地上に着陸しようとしていた
草原が風圧で波をうっている
子どもはただただ見上げていた
自分を迎えに来たと思った
そこには悍ましい数々の悪魔が住処にしていた
子どもを見下ろす
不快な笑みを浮かべてこう言った
『生ごみ人間』
絶望はまだ始まったばかり
もう何も言うことは無い
―あの時は、ごめんなさい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-13 00:14:15
86024文字
会話率:32%
とある王国にて。
街を見下ろす高台に、静かにたたずむレストラン。
そこを切り盛りする少年カタルと
そこに訪れる人々と料理とお酒のお話。
最終更新:2021-06-06 01:00:50
6809文字
会話率:18%
ぴちゃんっ
あれ。水の音が聞こえる。
ぼんやりとした頭で考えながら、ゆっくりと目を開けると、そこは知らない場所だった。
「ここはどこ?」
そっと呟いたつもりが、聞こえた声にびっくり。誰の声?
誰かいるのかと思って、辺りを
見回した。見えるのは、月明りに照らされた泉と暗く深い森の木々。わたしは腰まで泉に浸かって立っていた。体を見下ろすと、白っぽい色をしたシャツ一枚を着ていた。濡れたシャツは、ふくよかな胸やくびれた腰まで張り付いたあと、裾が水面に広がっていた。飾り気のまったくない、シンプルな物だった。靴は履いていない。裸足の足が泉の底を踏みしめている。
「誰かいるの?」
木々の暗闇に向かって問いかけたが、動物の鳴き声も聞こえない。静かな夜だった。
そして始まる、少女の旅。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-23 09:00:00
49426文字
会話率:44%
丸の内の一角、皇居の緑を見下ろすオフィスビルで、経費会計課長 戸川志乃、人材派遣会社 担当者 神子聖丸、女性役員 関澤時子、秘書 舟井 倫の4人が展開する大企業の悲喜交々。
最終更新:2021-04-22 23:14:58
93952文字
会話率:26%
百代目聖女は、まさかの…
最終更新:2021-02-27 17:28:10
3092文字
会話率:22%
暗い街、静寂、見下ろす世界はまるで深海のようで………
最終更新:2021-02-20 13:19:01
731文字
会話率:10%
【虎視眈眈】
強い者が機会をねらって形勢をうかがっているさま。虎が獲物をねらって、鋭い目でじっと見下ろす意。
最終更新:2020-12-21 16:21:19
992文字
会話率:63%
聖女として異世界に召喚されて五年。
瀕死の私を見下ろすのは、婚約者である第三王子と、その恋人と噂される侯爵令嬢だった……。
※なろうラジオ大賞2応募用に1000文字以下で書いた掌編です。
最終更新:2020-12-21 15:09:34
999文字
会話率:27%
怪訝な表情で将軍達を見下ろす魔王。
その表情の真意とは
最終更新:2020-12-15 22:18:15
1000文字
会話率:53%
風に誘われるまま、空を漂う綿毛が一つありました。
ゆらゆら揺られる間、ふと地上を見下ろすと、そこには虹色に輝く美しい花畑が広がっていました。
優雅に咲き誇り、人間たちの目を魅了する。その姿はたんぽぽにとってとても刺激的なものでした。
「綺麗な花を咲かせて人間たちを魅了したい」
そんな夢を、たんぽぽは抱いたのです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-23 22:29:46
4949文字
会話率:42%
テレビ画面に現れたのはエルフの女性。彼女が紹介するのは二人の女子高生が喉から手が出る欲しいアイテム「ポーション」。二人は交通事故に遭って最後の大会に出られない先輩のためにその奇跡の回復薬を取引によって入手する。その代価は、軍神となることだっ
た。まるでシミュレーションゲームのような画面。それは天上から見下ろす神の視点。神だけが見ることができるパラメータ。部下の心情。そして軍神だけが実行できるコマンド。それらを駆使して滅びゆく、とある世界の運命を変えるのだ。
※本作は『異世界アイテム通販生活』第二章となりますが、前作を読んでなくても楽しめる内容となっております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-24 17:19:13
21111文字
会話率:54%
2020-08-08「Pixiv」にて投稿した作品を転載する。
[あらすじ]「僕」はカラシニコフを持っている。標的として設定された「空の酒瓶」を頭に乗せた人間を殺すためだ。銃はどこからともなく送られてきて、標的を撃つことで報酬を得ることがで
きる。銃の扱いについては講習もあるのだが、どういう仕組みなのかは一切が謎に包まれていた。
銃はすべての市民が持っているわけではなく、学校では主人公の隣の席の女子だけが持っていた。彼女は銃を持つということを特権的に考えていて、新たな銃を購入するほどだった。
突如担任の教師が「空の酒瓶」を載せた人間になってしまい、彼女が射殺したために午後の授業は流れた。主人公は躊躇いなく標的を撃つ彼女に、銃が送られてくる理由や、仕組みについての疑問を打ち明けるが、彼女は「第三の男」を例に出し、「観覧車の上から見れば、どんな人間も点に見える。撃てば高額の賞金がもらえる無数の『点』を撃つことについて『悩む』のか」と尋ねる。
それでも制度について疑問を捨てきれない主人公は、その銃を得たであろう人々の中で、「空の酒瓶」以外を撃った人間が報道されていないという点から切り込むと、彼女は「自分がやってみたら」と主人公を唆す。
主人公は唐突に標的を切り替えて、目の前のクラスメイトを撃ち殺す。撃てば煙のように消えてしまう人間と違って、彼女はその場に倒れ伏す。彼女の死こそが、「空の酒瓶」たちの非現実的さとのアクセントになっていた。
しかし、彼女は突然何事もなかったかのように立ち上がると、主人公の両手を握って狂喜する。彼女は主人公に「現実へようこそ」と言い、主人公に地上を見下ろすように言う。
下校し始める無数の生徒たちは点には見えなかった。しかし、全員の頭の上に空の酒瓶があった。クラスメイトは「空の酒瓶を載せた人間を撃つこと」という暗黙の了解を破ったことで、主人公が現実に目覚めたと喜んでいるのだ。主人公は、咄嗟に自分の頭に手を伸ばすも、彼女と同じく自分の頭には何もないことを悟る。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-03 13:41:22
4493文字
会話率:19%
「ナタリー・シャテルロー公爵令嬢を、この場を持って、聖女殺害未遂の罪で国外追放とする!」
ついにきてしまった、この瞬間。震える指先を隠すように、ぎゅっと握りしめる。
何度も、嘘であって欲しいと願ったけれど、神様は私の願いを聞き届けては
くれなかったようだ。
泣き出しそうになるのを堪えて、視線をあげる。きっと、明日からは見ることのない彼の姿を、最後に見ておきたかった。けれど、それはすぐに後悔することになる。
(そんな目で、私を見ないで……)
感情のない瞳で私を見下ろすかつての婚約者であるジョゼフ殿下は、私と目が合うと不快そうに眉をひそめた。その隣で、幼なじみのレオとエディが何も言わずに私を見つめている。
レオは複雑そうに、エディは悲しげな表情で。
(どうして、私たちはこんな風になってしまったの……?)
——『僕の幸せは君なしでは考えられない』
そう言ってくれたジョゼフの言葉を思い出して、私は涙をこぼした。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-26 19:39:57
18619文字
会話率:63%
ダム湖を見下ろす上里村に3人の小学生が降り立った。そのうちの1人は村でかつて起きた事件の関係者にそっくりで、その人を知る者は皆驚いた。
彼により止まっていた時計が動き出す…
最終更新:2020-08-17 21:03:27
1114文字
会話率:49%
駅まで歩いて一分。そのアパートからは駅のホームを見下ろすことができた。
ある日、ホームから男性が転落し電車にひかれた。
しかし、目撃情報もなく事故として処理される。
そのとき、起きたできごとの一部始終を部屋から見ていた。
誰にも言わず隠
しながら、いつものように電車を利用するためにホームに立つ。
「……どうして警察に言わなかったのですか?」
そういって、静かに背後に立つ女性。
体を硬直させながら逃げることもできず、やがて電車が近づく音が聞こえてきた……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-09 07:00:00
3462文字
会話率:14%
寒冷地に生息するリス科やクマ科の動物のように、冬眠と活動期を交互に繰り返す。
そんな人生を長らく送っていると、どこまでが現実であってどこからが夢やバーチャルな世界での出来事だったのか、その境界線を見失い判別がつかなくなってしまう事がある
。
人並みには身長のある俺を、上から見下ろす威圧感たっぷりな巨大な体躯。
禍々しい気配と、狂気に侵されたかのような鋭い眼光。
凶暴な牙がのぞく大きな口からは、溢れ出る涎。
ここは、あの日から、そんな魔物たちが実在する世界へと変貌した。
愛用の大剣を振り抜いて両断し、圧倒的な威力の魔法を放って蹂躙する。
それが、俺のこの世界における魔物たちへの対処法だ。
ただし。
世界は大きく変化したが、人類という種が特別な進化を得て強者となった訳ではない。
ただ単に、俺が非常識な特技と特典を保有する一般的な人の範疇から外れた存在であるが故の対処法、なのだ。
しかも。
俺が、このような色々な意味での希少種へと成り果ててしまったのは、単なる偶然の産物だった。
あの日、大騒乱の渦中で、不運にもある厄災の被害者となったが為に気紛れな女神に選ばれる幸運と強運に恵まれた、運命の悪戯によるものなのだ。
一九九九年には恐怖の大魔王が降臨して世界が一旦は滅ぶが、二00一年には宇宙の旅が解禁され、そこから始まる二十一世紀には人類が繁栄を極める薔薇色の未来が開けている。そういった様々な空想や絵空事がまことしやかに語られていた古き良き時代は、ある意味で人類にとって最も幸せな年代だったのではないだろうか、と沁み沁み思うことがある。
二十二世紀という言い方が忘れ去られて久しい現代は、世界の前提条件や様々な常識が弱肉強食なファンタジーの世界に一歩近付く傍ら、人類社会の裏側では二十一世紀型の行き過ぎた資本主義経済がもたらす超格差社会が確立され、平凡な一般人にとっては肩身が狭く平穏に暮らすことさえ困難な世の中となっているのだから...。
そんな理不尽な世界で、俺は、平穏に暮らしたいと心の底から願いながらも、今日も我が身に染み付いた不幸体質が招くトラブルに翻弄される日々を過ごすのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-29 12:00:00
31799文字
会話率:33%
「草履隠し」あらすじ
のどかな山里を見下ろす大きな山があった。その山は村人達が恐れ敬う山で、数々の伝説や曰くが今も語り継がれている山だった。
その山裾に或るリゾート計画が持ち上がり、その工事は村人達の思いとは裏腹に順調に進んでいった。け
れどもある日、その作業中に重機が斜面を転がり落ちるという事故が起きた。しかもその事故とは本人が言うにはそれは単なる事故ではなく、信じ難い不思議な事故だと言い張り、もうあの現場には出たくは無いと現場監督の山崎に告げた。更にその補充として雇った二人の作業者が、一人は事故に遭い、もう一人は忽然と姿を消すという事態が起きた。そんな状況に、山崎は頭を抱え込んで思い悩んだ。そんな時ふとした事から、村に住む木村源司とその孫の一樹と知り合った。源司は山崎にその山に纏わる話と、その山の聖域との結界を教えた。そしてその後、再度一樹と顔を合わせた山崎は一樹に誘われて木村家に行くこととなった。その席で山崎は偶然、予てより密かに恋心を抱いていた咲子と、その娘の弥生と出会った。そしてその席でみんなと打ち解けた山崎は、それから彼らとの関係を深めていった。しかしその山に伝わる不思議で奇怪な話と共に、いつしか彼らは、その語り継がれる伝説の渦中へと引き摺り込まれていく事になる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-23 08:00:00
65587文字
会話率:11%
りくの上にすんでいるアメフラシのポンバ。のろのろした動きと醜い姿で友達がおらず、いつも広場を見下ろす丘の上にひとりぼっちでいた。だけど、あるとき、ひょんなことからだるま蝙蝠(こうもり)のギビマルと友だちになる。ふたりで広場にやってきた移動遊
園地に遊びに行くが、そこで町のボスのサソリ熊につかまってしまう。サソリ熊のせいで、遊園地のゴーストハウスのゴーストたちが巨大化して大暴れ。それに立ち向かわざるを得なくなったポンバの運命は…ヒロインの空飛ぶ雪ヒョウ、サソリ熊の私設軍隊、巨大ロボット。巨大ロボットの中のなぞの海や工場…、誰も見たことのない冒険がはじまる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-11 21:37:55
13827文字
会話率:18%
「ナタリー・シャテルロー公爵令嬢を、この場を持って、聖女殺害未遂の罪で国外追放とする!」
ついにきてしまった、この瞬間。震える指先を隠すように、ぎゅっと握りしめる。
何度も、嘘であって欲しいと願ったけれど、神様は私の願いを聞き届けてはくれ
なかったようだ。
泣き出しそうになるのを堪えて、視線をあげる。きっと、明日からは見ることのない彼の姿を、最後に見ておきたかった。けれど、それはすぐに後悔することになる。
(そんな目で、私を見ないで……)
感情のない瞳で私を見下ろすかつての婚約者であるジョゼフ殿下は、私と目が合うと不快そうに眉をひそめた。その隣で、幼なじみのレオとエディが何も言わずに私を見つめている。
レオは複雑そうに、エディは悲しげな表情で。
(どうして、私たちはこんな風になってしまったの……?)
——『僕の幸せは君なしでは考えられない』
そう言ってくれたジョゼフの言葉を思い出して、私は涙をこぼした。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-02 00:02:21
18371文字
会話率:59%
慶長20年(1615)、夏。大坂は滅びの運命にあった。豊臣の後継者である秀頼は大坂城の店主から町を見下ろす。その傍らには、妻である千がいた。
政治に翻弄され、大人たちに振り回され、そうして戦国の終焉を迎えた一組の夫婦。豊臣家滅亡の真実。その
形を大坂夏の陣をめぐる様々な視点を通して描く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-14 13:43:33
22445文字
会話率:38%