明日も一緒に生きていく。
そう胡蝶と約束してからキスツスの自殺願望は薄れてきていたが、その一年近くを経て迎えた高校三年生の夏休み、キスツスは胡蝶からしばらく会えないと告げられる。
胡蝶の真意は、兄を助けられなかった自責に由来する、その
兄の日単位の齢と並ぶ8月5日を越えられないのではないかという不安を秘匿するためのものであったが、思いがけずそれを知ったキスツスは、胡蝶を喪失する恐怖から再燃した自殺願望に抗えず、衝動的に自殺を試みるも、胡蝶とともに生きていくという決意から、自らの意志でそれを克服する。
胡蝶を助けたいが妙案の浮かばないキスツスは、仲違いしていた友人たちに助言を乞うたり、胡蝶の父母と密かに会って遺族の心情に触れたり、図らずも再会した父親から母親の最期を明かされたり、幻影とも空想ともつかない自身と瓜二つの母親と対峙したりした果てに、自分が死ねなかった理由を導き出す。
程なく迎えた8月5日。友人たちの手引きで胡蝶を自宅に招いたキスツスは、自身が死ねなかった理由、今なお生きている理由を根拠に、胡蝶の兄をはじめとした自殺者の思いを伝え、胡蝶を苦悩から解放することを試みる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-21 22:00:00
102412文字
会話率:58%
恋人の『女装趣味』を発見した時。人はどう行動するのが正解なのだろう。
扉を開けると、そこには婚約者のキリシュ・ローゼンクロイツ『殿下』の姿があった。
翌日、王城にお呼ばれし、『婚約破棄』を言い渡される。
長年、殿下に仕えていたけど、まさ
か殿下にそんな趣味があったとは。
いや、それでも私の忠誠心は揺らがない。
新たなるお世継ぎができるまで、完璧に支えてみせる!!
そうしてある晩、『殿下』の婚約者である『私』――エルザ・エインヘルは殿下が『女装』していた真相と真実の愛を知り――不覚にも逃げ出しまった。
後悔、屈辱、自責の念がエルザに襲い来る。
そして『キリシュ・ローゼンクロイツ殿下』が密かに抱えていた真実を目の当たりにしたとき――
騎士としての在り方が『彼』を目覚めさせ、
主人である殿下を苦しめている『原因』をどうにかするため、一人でクーデターを起こす。
そしてエルザは短剣を片手に殿下に迫り……
これは一人の女騎士と、とある事情で『女装趣味』な癖を持つ一人の王子の恋の物語。。。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-06 20:07:00
22626文字
会話率:35%
「とおちゃん…
かあちゃん…
ごめん……ごめんよぉ……。」
「いきてたら…
ちゃんと親孝行するから…」
仕事に不満があった和哉(かずや)は
転職を決意する。
人材派遣会社に就職が決まった和哉は
ゲーム制
作会社に派遣されることになる。
会社の先輩にお金を脅されたり、嫌がらせを受けたりするが、そんな和哉にも念願の彼女ができた。
仕事も順調に進んでいき、遂に制作中だったゲームが完成した。
達成した喜びに浸る間も無く、そんな和哉に悲しい現実が突きつけられる…。
現実に絶望し、生きる気力が失くなった和哉は向かって来る電車に身を投げた。
磨り減らした心と志。
もう助からないと悟り意識が薄れ…
再び目を覚ました和哉は奴隷商人の1人娘になっていた。
魔法やスキル、称号を使い前世とは違う性別になっている事に、憤(いきどお)りを感じつつも、前世とは違う世界で新しい人生に前向きになっていく。
制作したゲームにどこか似た異世界に和哉は奴隷商人の娘として転生した…。ーーー
親友の自殺を知り、自分のせいかもしれないと己を攻め、自責の念に囚われた隆弘(たかひろ)は自暴自棄に陥る。
どうしようもなくなった隆弘に、和哉が亡くなる直前に作ったゲームがあると知り、プレイすることを決める。
和哉の作ったゲームに感動し熱中しているとゲーム内で妙な噂を目にする。
その内容は、和哉が自殺したことに関係する話だった…。ーーー
大小のビルとビルが並び合ったコンクリートジャングル。
その中で唯一、どこにも追い越せない会社があった。
あるビルの一室で優雅に、自分の物ではない1つの手帳をめくり観る人物がいた。
その手帳にはゲームの基盤になる設定や戦闘方法などの方式をプログラムとして、鮮明に記入しているものだ。
男は誰もいない一室で語りかける…。
(ほんっと…、有能な人材を失ったなぁ。
ハハッ…、アッハハハハハハハ!!)
まさるは誰もいない一室で、過去の同僚を思い出し笑わずにはいられなかった。
和哉のお陰で甘い汁を吸っても吸っても
子孫でも使いきれない汁の量に笑いが止まらない。
末代まで持っていけないのが残念なほどに。ーーー
別々の運命を過ごした3人。
重ならないと思われた運命が交差する物語が
これから始まる…。ーーーーー
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-29 02:00:00
72798文字
会話率:23%
とある田舎町の、バス停留所で出会った中年サラリーマンと家出少女の偶然の出会いが、意外な邂逅を生む奇跡の物語。十四年前の探し物をもとめて、久しぶりにこの町を訪れた中年男と母親の大切な思い出の腕時計をなくして、自責の念に駆られて家出を決意した
少女の出会いに、運命の不思議な歯車が静かに回り始める――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-24 17:36:36
6491文字
会話率:46%
今は廃墟の聖地となっている世界的にも有名な長崎県の孤島、そこで生まれた石和久は無人島となるまでに過ごした九年間の思い出を廃墟マニア達に聞かせることで、酒席の主役となっていた。自分達が知りえない貴重な情報を得て盛り上がりをみせる廃墟マニア達
の気持ちとは裏腹に、石和は生まれ故郷が廃墟の聖地として崇められてしまうまで何もできなかったことに対する自責の念を抱いていた。
もう住むことができない故郷のニュースがテレビやネットで流れるたびに望郷の念は募るのだが、観光客として見に行くのは違うという感情と、そうしている内にも崩れ行く故郷に結局は何もできないというジレンマを抱えながら、今日も廃墟マニア達を相手に酒席を盛り上げていた。
その時、たまたまお店に居合わせたというテレビ局のリポーターを名乗る女が、聞こえてきた話が面白そうだから取材をさせて欲しいと近づいてきたところから物語は奇妙な展開を迎える。
後日、リポーターの女から、観光用の見学コースではなく島内部に足を踏み入れてもっと具体的な取材がしたいとの誘いがあり、小躍りして喜ぶ廃墟マニア達と一緒に、石和は四十数年ぶりの帰郷を果たすことになる。
上陸して最初に向かったのは、荒廃が進んだボロボロの校舎内の教室だった。そこは石和が小学校一、二年生時に学んだ思いで深い教室であったのだが、突然目の前が真っ暗となり同行していた女や廃墟マニアの友人達の姿が見えなくなってから、一人でこの島の過去と未来の不思議な世界に入り込んでしまうことになる。
過去と未来の世界、それは常日頃から聞かされる廃墟マニア達が思い描くこの島のイメージであったのだが、それを具体的な映像として石和に見せているのは誰なのか、なにが目的なのか・・・・・・。
不思議な世界での様々な体験をした後、現実世界の元居た教室に戻った石和は自分がここに導かれた理由を知り、荒廃と倒壊の危機に見舞われた島の窮状を救いつつ、更には未来に向けて生まれ変わらせるために自分ができることは何かと考え始める。
苦悩の末に廃墟マニアの友人達や会社の仲間、更には大企業までも巻き込んだ壮大なイベント構想をまとめ上げ、それを実現させていく・・・・・・。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-02 13:08:57
100355文字
会話率:54%
南の島の戦闘は過酷を極めた。死の淵から生還しても、心を殺された人々の記憶は遺る。
最終更新:2021-04-29 15:00:00
589文字
会話率:5%
光の勇者には神の声が聞こえる。彼をずっと導き、指示し、叱咤してきた神の声。従った、けれどもうまくいかない。叱責の声、勇者は自責する。どうして俺はできないのだろうか。ふらりと寄った酒場で言われる、「ずっと一人でつらくないのかい」。……俺はどう
して旅をしているのだろう。わからない、何も。魔王を倒せば楽になるのか?
そうして勇者は辿り着く。
この作品は自サイト・カクヨム・ノベプラにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-28 18:00:00
3403文字
会話率:36%
インターハイ全国大会を辞めた氷室健介は、純粋さを失い、漂うように生きていた。ぼくは頑張った、誰にもそう見えなくても。だから「大丈夫?」って訊いてほしい。気にかけて欲しい。優しくしてほしい。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
最終更新:2021-02-25 00:00:00
12877文字
会話率:23%
--7年前に姉さんが自殺した。
『僕』はその死への自責の念から、故郷で地縛霊となった姉さんの姿を視るようになっていた。
互いの心の闇を見つめ合わねばない苦しみに、それでも『僕』が姉さんの墓前に灯明を供え続けるのは、かつて姉さんが灯してくれた
『燈』が心に輝いているから……。
『生』と『死』の狭間の葛藤に苦しんだ姉さんと、その苦痛に寄り添いきれなかった『僕』。灯火(ともしび)は迷いに揺らぐ姉弟を慈悲の光で照らすのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-18 00:15:17
7487文字
会話率:29%
平穏は、突然崩れ去る。
宅急便のドライバーとして働いていた火野久作はある日少年を轢いてしまう。自責の念から自殺をしてしまい、目覚めた先の女神から転生しないかと提案される。渋る久作だったが、轢いてしまった少年がそこで美女達とのほほんと暮らし
ていると知り、少年に対する復讐心から転生することを決意する。
アルファポリスでも載せています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-23 17:59:31
2808文字
会話率:48%
過去に起きた事故で、罪悪感に囚われる少年。
楽観的だが、常に前向きな少女。
そんな二人の間に起きた、突然の異世界転移。
現実離れした冒険に心躍らすメルと、彼女を心配するコマチ。
幼馴染だからこそ互いが大事で、心配で、かけがえのない存在であ
る。
これは、決して万能じゃない二人が織りなす、世界の命運を懸けた冒険譚。
別作品、『世界管理事務局社員の出張クエスト』と直接的に物語は繋がっていませんが世界は同じです。たまに出張クエストに登場した人物も介入します。もしよければそちらのほうも【作者マイページ】からご閲覧頂けると幸いです。
〜パーティーメンバー紹介〜
・藤崎 愛瑠(ふじさき める)戦闘職業:ミミックナイト
謎の青年によって幼馴染のコマチと共に異世界へ飛ばされた異世界転移者。過去に起きた事故により片足を満足に動かせないが、相手からコピーしたスキルを上手く使い戦闘を行う。
好奇心旺盛な引きこもり少女。ゲーム、アニメ好き。
・滝波 小町(たきなみ こまち)戦闘職業:シャドウ・オブ・ラーカー
メルと共に異世界転移した日本の高校生。
過去に起きた事故を自分のせいだと責め続け、自責の念から、メルに危険が及ぶ事を極度に嫌う心配性。メルに危害を加えた相手には見境い無く特攻する癖がある。
スパイや暗殺スキルを主に覚えてゆくが、他人の命を奪う事にひどく抵抗がある。
・メヴィカ・アンサークロン
別世界から転生してきた少女。『高度錬金』のユニークスキルを持ち、武具やアイテムを作成する事を得意とする。
・リルテスタ・フォン・ティアマト
見た目は幼女にしか見えないが、長い時を生きた竜人族の女性。
世界でも名高い竜人の国の女公爵。
魔術、武術の双方に長けている、最強にして不死身の女。
・スティオラ・メギオ
現エルマラント王に仕える、大魔道士の称号を持つ少年。
動物と意識を共有させることで、離れた場所からでも動物を介して意思疎通が出来る。
高度な魔法を扱える、元死人(しにびと)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-27 09:08:10
155724文字
会話率:44%
後悔と自責の念………
キーワード:
最終更新:2020-10-30 16:17:55
748文字
会話率:0%
小説家である細坂修一はデビュー作のヒット以来、続編の制作が滞ったままでいる。
そんな曖昧な日々を過ごす中、一本の電話が鳴る。
「お前に頼みたいことがある。お前の力が必要だ。頼む、話だけでも聞いてほしい」
それは大学時代の恩師からだっ
た。
そしてこの連絡は、細坂を終わらない悪夢へと誘っていく…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-04 20:00:00
12301文字
会話率:55%
どんなに抗っても変わることのない一つの事実。
そのことを噛みしめなければいけない。
そう悟った人の一時の想い。
最終更新:2020-07-28 06:38:54
418文字
会話率:0%
主人公リディの父は軍医だった。
母は幼き頃に亡くなり、父も間もなくして他界した。
父が亡くなる前、リディは自らが犯した行為により、自責の念に駆られながら育つ。
成長したリディは、陸軍学校の看護科に進学した。そこで初めて顔を合わせた教官は、か
つて、父の下で働いていた人だった。
卒業し、教官あらため上官となった彼の下で看護婦として働くリディ。回復した捕虜を国許へ送る計画に加担する。やたらと話しかけてくる捕虜の男を逃がしてから間もなく、長きにわたった戦争が終結した。
今後、どうすべきかわからなくなってしまったリディに上官が尋ねた。
「俺と一緒に来るか?」
「はい、どこまでもついていきます」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-26 18:35:22
23988文字
会話率:26%
魚が空を泳ぐ世界。
各地を旅するアジサイは、南の島へと向かった。
アジサイがたどり着いたとき、サンゴの産卵が見られるというその小島は壊滅していた。
何が起きたのか、と立ち尽くすアジサイに声をかけてきたのは村の生き残りの少女、ドクダミだった。
最終更新:2020-05-24 13:03:32
7263文字
会話率:38%
世は江戸。
天下の八泉と呼ばれた八つの秘湯をこぞって巡る時代。
大温泉ー陸奥、秘泉ー大和、
極泉ー我割唐道真(がかつとうみちざね)
油泉ー蝦蟇口(がまぐち)
超泉ー的ナ渡来(てきなとらい)
戦泉ー布告(ふこく)
亜泉ー水(すい)
大衆泉ー家
所康所(いえどころやすどころ)
佐々木小次郎が掘り当てた八つの秘湯を全て制覇することができれば、農民は二度と収穫に困らず、商人は莫大な富を生み、武士は高い地位につけ、将軍は永遠に天下を治められるとされた。
そんな中、元天下無双の剣豪宮本武蔵は、自分が切り捨てた英雄、佐々木小次郎の足跡を後悔と共に辿っていく。
自責の念に歪んだ彼の剣は何を斬るのか?
天下八泉を巡る元最強の旅のお話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-23 01:50:44
3866文字
会話率:39%
高校二年生の石城 治郎は友人・大瀬 凪の自殺を止められなかったことに強い罪悪感を抱き、自責の念に苛まれながら学校生活を送っていた。
丁度彼女の自死から一月が経過したある日、彼の携帯に一通の着信。
「私、君に酷い事するかも知れない。御免なさい
」
その声の主は死んだ筈の凪だった。
彼はその日を境に薄明かりが照らし、異形の怪物達が潜む閉ざされた迷宮へ迷い込む事になる。
迷宮で彼が経験する出会い、出来事の果てに待つものとは。
サバイバルホラーゲームを意識して書いています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-25 20:29:40
20950文字
会話率:37%
──上陸したロスカ人を捕らえた──
16歳の若き王のもとに届いた手紙には、そう記されていた。
過去の事件によって冷めぬ憎悪のなか、捕らえられたロスカ人はセザン王都の地下へ連れられる。セザンの民のため若き王はある決断をするが、それはやがて苦悩
の発端となる。自責の念に堪えられなくなったかれは懊悩の末、自分の運命を確かめるべく王都の闇に身をゆだねる。
全十三章
「世界十空説」シリーズ 【太陽神の行方】第二部
太陽暦443~
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-23 06:00:00
297603文字
会話率:42%
活発で美しい少女高崎彩と、物静かで温和な陽菜は仲の良い姉妹だった。陽菜は、舞台に立って大勢の人の前で歌って踊るのが夢た。夢の体現者のような姉を心から慕っていた。彩もまた自分に暖かい視線を注ぐ陽菜が愛おしかった。そんな妹と、優しくて頼りがい
のある父、上品で思いやりのある母が彩の宝物だった。
高校一年生になった彩は水泳部のレギュラー選手に抜擢されインターハイ地区予選決勝を控えて厳しい練習に励んでいた。そんなある日、父が不祥事を起こし会社で降格される。自棄的になった父は家族に鬱憤をぶつけ家庭内は険悪になった。集中力を欠いた彩はタイムが出せなくなりレギュラーを下ろされる。チームは全国大会に進めず、彩は父を責めた。毎日のように続く家族の衝突に耐えられなくなった母は、身体の弱い妹を連れて家を出る。
父を責め続けた彩は、いつしか人間不信になり学校ではいじめの対象になった。家に引きこもる彩と仕事に行かない父との喧嘩は絶えず、ついに彩は家を出る。
そんな折、母と妹が事故で亡くなる。彩は家族崩壊のきっかけを作った自分を責めるが、抱えきれない自責の念は、いつしか父への憎悪に変わる。優等生でクラスの人気者だった彩は、やがて地元のレディースの総長になり、武闘派チームとしてテリトリーを拡大していた。そんな時に酒に溺れた父が亡くなる。
生きる希望を失った彩に妹の声が聞こえた。死ぬ前にやることがある。妹の夢を代わりに叶えたい。
彩は、小学生の頃、歌手としてスカウトされた芸能事務所の門を叩き、驚異的な努力で、歌とダンスを上達させ、21歳でアイドル歌手としてデビューした。北欧のマネキンのような容姿と、艶のある伸びやかな歌声、キレとスピードのあるダンスで一躍人気を集め、僅か三年で国内の名だたる歌唱賞のグランプリを独占した。
妹が夢見た舞台で数万人の観客を前にパフォーマンスしていた彩の心に、突然嵐が吹き抜け心の闇に隠れていた真実が見えた。自分をどこまでも慕ってくれた妹、心からの暖かい愛情で包んでくれた母、そして反発していた父からも溢れるばかりの愛情を注がれていた自分に気づく。こんなにもたくさん貰った愛を少しでも彼らに返したいけれど、もうこの世にはいない。どうしたら報いることができるのか。
芸能界を引退して五年、30歳になった彩はその答えを見つけた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-24 15:56:11
46346文字
会話率:41%