ある日、ふと立ち寄った不思議な店で口にした一口の菓子。その味は甘くも苦くもなく、得体の知れない快感と共に体を侵食していく。やがて主人公は日常の感覚を少しずつ失い、味覚だけでなく、記憶や痛み、やがては自分自身さえも曖昧になっていく。
唯一、
あの店での食事だけが、自分を繋ぎ止める糸となっていた。しかしその代償は、確実に彼の世界を蝕んでいく――。
幸福と喪失、快楽と恐怖が交錯する繊細で幻想的な物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 15:36:02
8211文字
会話率:7%
丘の上の小さな占い小屋には、未来を読む少女がいる。
名はリュミ。師匠の形見《星霊盤》を手に、今日も誰かの心にそっと寄り添う。
恋に迷う少女。家族とすれ違う少年。帰る場所のない子どもたち。
どこにでもいるけれど、誰かにとっては世界そのものの
ような人たちが、星の導きを求めてやってくる。
未来は変えられない? いいえ、変えられるのは「いまをどう生きるか」。
たとえ痛みの先でも、星はいつだって、あなたの物語を照らしている。
――これは、迷える人々とひとりの少女が紡ぐ、優しくて、少しだけ切ない光の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-25 21:39:58
100466文字
会話率:37%
人間は五歳になると、神に祈りを捧げてギフトを授かる儀式を行う。
ウェンデル家の公爵令嬢ナーシャが授かったギフトはテイマーだった。
テイマーはただでさえ貴族界隈で疎まれる能力な上、ナーシャのギフトはさらに「生涯で一体だけマモノをテイムできる
」という制限付きだった。
制限付きは無能の証。
神から愛されていないとされ、忌み嫌われる。
代々、有用性の高いギフトを授かってきたウェンデル家にとって、ナーシャは公爵家の面汚しとなってしまう。
かわいがられてきた日々から一転、ナーシャは公爵家の半地下の部屋に閉じ込められ、監禁生活を送ることとなった。
しかしナーシャはいつかまた家族に笑いかけてもらえる日を夢見て強く生きた。
鉄格子が外れることに気づいた日から、夜な夜なこっそり気分転換に外へ出る。
しばしの自由を堪能し、誰にもバレない内に部屋へと戻るのだ。
しかしある日、兄の妻に見つかってしまい、ナーシャは魔の森へと捨てられる。
魔の森は魔国との国境。人間が一歩でも立ち入れば生きては帰れないと言われていた。
たった一人、森に取り残されたナーシャはそこで黒いドラゴンに遭遇する。
死を覚悟し、せっかく神様にもらったギフトを使ってみたかったと考えた時、眩い光と魔法陣が現れ——
「テイムされたぞ、どうしてくれる!?」
ドラゴンは黒髪の美青年へと姿を変えて激高する。
どうやらナーシャは魔の者(マモノ)の頂点にたつ魔王をテイムしてしまったらしい。
絶対的強者のため、配下に敬われはするものの愛を知らない孤高の魔王相手に、ナーシャは怯えながらも魔王城で暮らすこととなる。
主従関係をなんとか解消したい魔王と、たった一人の味方となり得るマモノを手放したくないナーシャ。
孤独の痛みをゆっくり癒していくナーシャの姿に、当たり散らすばかりだった魔王の心も少しずつ解れていく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-25 21:00:00
56391文字
会話率:33%
夢を失った26歳のフリーター、彼女いない歴=年齢、童貞。
人生をどこかで諦めかけていた僕のもとにやってきたのは、既に真っ当な人生を諦めていた18歳の少女。
「先輩と後輩」から始まったふたりの関係は、
やがて“父と娘”のような、不思議で温か
くて、
どこか痛みを抱えた絆へと変わっていく。
これは、
誰にも必要とされなかった僕と、
誰にも守ってもらえなかった彼女が、
半年間だけ見つけた「家族」の記録。
すべて実話。ノンフィクション。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-25 08:00:00
6574文字
会話率:23%
毎日のルーティーンに加わった一つの出来事・・・帰宅後に殺される。
帰宅して玄関を開けた瞬間、背中に焼けるような痛みがあった。一度ではなく、何度も。
どれくらい時間が経ったのか。数秒かもしれない、数分かもしれない。
気付けば自分を見下ろしてい
た。
呆然としていると、横から抑揚のない声が聞こえた。
「あなたはお亡くなりになられました。」
・・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-24 21:45:10
8070文字
会話率:24%
終電を逃したある雨の夜、主人公[]は、駅で一人佇んでいた。スマホの電池は切れかけ、頼れる相手もいない——そんな孤独に包まれていた彼のもとに、一本の缶コーヒーとともに現れたのは、見知らぬ少女だった
「こんなときに限って降るんだよね、雨って」
それが彼女との最初の出会いだった。名前も連絡先も知らないまま、彼女はふと現れ、やがて消える。だがそれ以来、雨が降る夜にだけ、彼女は現れるようになる。雨、缶コーヒー、他愛ない会話。ふたりの距離は、ゆっくりと、しかし確かに縮まっていった。
けれど彼女はどこか現実味に欠けていて、まるで幻のようだった。彼女の姿はコンビニの防犯カメラに映っておらず、誰も彼女ことを詳しくは知らない。やがて主人公[]は、自身がかつて雨の日に失った恋人の記憶と彼女の面影を重ねはじめる。
「私は、世界の気まぐれみたいなもんだから」
彼女のその言葉の意味を知るとき、主人公[]は自分のなかの痛みと向き合うことになる。そして最後の雨の夜、彼女はふたたび静かに現れ、彼の心にある変化をもたらして消える——
名もなき優しさが、人生を少しだけ変えることがある。
これは、雨の夜に出会ったふたりが残した、ささやかで確かな記憶の物語。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-24 20:04:35
18951文字
会話率:16%
腰の痛みを理由に半生をかけて育成してきた勇者パーティを追放された老魔導士ジコン。
彼は追放の裏を知ってか知らずか、東の国の秘術を使い勇者よりも先に魔王軍に辿り着くため世直しをしながら前進する。
毎週火、金更新
最終更新:2025-06-24 20:00:00
31312文字
会話率:50%
ルピアは大国の王女だ。秘密だけれど、滅んでしまった魔女の末裔で、『婚姻相手の怪我や病気をその身に引き受け、完全に治癒する』魔法が使える。
「けどねー、痛みや苦しみもそのまま引き受けるから、よっぽど相手を好きでもない限り、身代わりなんてできな
いから!」と周りを説得し、幼い頃から恋をし続けてきた隣国の王フェリクスに輿入れする。
彼のことを一途に思い、気持ちを隠そうともしないルピアのことをフェリクスは好ましく思うけれど、……誤解から彼女が裏切ったと考え、冷たく当たってしまう。
―――そんな彼の身代わりとなり、ルピアは深い眠りについた。
「……いいよ、ルピア。君にとって苦しみでしかないのなら、私への思いを忘れればいい。だが、私はずっと君を愛するし、必ず君を取り戻すから」
夫のことが大好きな妻と、妻のことがもっと大好きな夫の話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 22:00:00
482836文字
会話率:31%
かつて、世界は『物語』によって動いていた。
物語は決して空想ではなく、世界を書き換える『力』そのもの。
太古より選ばれし者――『作家魔術師』たちは、『言葉の魔法』を操り、歴史の裏側で密かに戦い続けてきた。
そして現代。
文学は衰退し、言
葉の力が「忘れられたもの」となった時代に――
とある高校に通う平凡な青年、津島綾人は、文豪・太宰治(津島修治)の直系の子孫だった。
そして彼に与えられたのは、
「書いた物語が現実になる」という、あまりにも強すぎる力。
だが、その力は祝福ではなかった。
その一文の結末が誰かの運命を変える。
誰かを救えば、別の誰かが死ぬ。
選ばなかった未来を、綾人自身が背負わなければならない――。
“書く”ことは“裁く”ことと同義であり、
“語る”ことは“奪う”ことでもあった。
「そんな力、いらない」
「誰かの代わりなんてできない」
「俺に何かを創る資格なんてない」
過去の栄光に縛られた“偉大な血脈”。
逃げたくなるようなプレッシャー。
自分の言葉を書けない自分への劣等感。
だがしかし、彼は出会う。
同じく文豪の血を引き、それぞれ異なる“物語魔術”を操る継承者たちに。
芥川龍之介の曾孫であり、人の心を操る言葉を紡ぐ少女・芥川美緒。
夏目漱石の系譜に生まれ、論理と構造で言葉を武器にする天才少年・夏目春樹。
詩で精霊を呼び出す、宮沢賢治の後継者・宮沢ルナ。
それぞれが過去と現在の狭間でもがきながら、
“禁書”と呼ばれる、書いてはいけない物語にまつわる戦いへと巻き込まれていく。
“焚書派”――文学の魔力を否定し、すべての物語を焼き払おうとする異端組織の影が忍び寄る中、
綾人は、選ばなかった結末たちの“痛み”を通して、物語の本質と向き合っていく。
継ぐべきは、才能か、責任か、魂か。
そしてその先にあるのは、自らの手で綴る「ただ一つの物語」。
「書きたいと思った。僕は、僕の言葉で“誰か”を救いたいって、初めて――そう、思ったんだ。」
運命に書かれたレールをなぞるのではなく、
その先の“白紙”を恐れずに、筆を取る。
これは、ただの血筋の物語じゃない。
これは、“物語の力”を受け継いだ少年が、
過去も未来も超えて、“今”を言葉にするまでの成長譚。
――その一文が、君の現実を変える。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 11:10:00
7666文字
会話率:39%
かつて、世界は『物語』によって動いていた。
物語は決して空想ではなく、世界を書き換える『力』そのもの。
太古より選ばれし者――『作家魔術師』たちは、『言葉の魔法』を操り、歴史の裏側で密かに戦い続けてきた。
そして現代。
文学は衰退し、言
葉の力が「忘れられたもの」となった時代に――
とある高校に通う平凡な青年、津島綾人は、自らがかの文豪・太宰治(津島修治)の直系の子孫であることを知らされる。
彼に与えられたのは、
「書いた物語が現実になる」という、あまりにも強すぎる力。
だが、その力は祝福ではなかった。
その一文の結末が誰かの運命を変える。
誰かを救えば、別の誰かが死ぬ。
選ばなかった未来を、綾人自身が背負わなければならない――。
“書く”ことは“裁く”ことと同義であり、
“語る”ことは“奪う”ことでもあった。
「そんな力、いらない」
「誰かの代わりなんてできない」
「俺に何かを創る資格なんてない」
過去の栄光に縛られた“偉大な血脈”。
逃げたくなるようなプレッシャー。
自分の言葉を書けない自分への劣等感。
だがしかし、彼は出会う。
同じく文豪の血を引き、それぞれ異なる“物語魔術”を操る継承者たちに。
芥川龍之介の曾孫であり、人の心を操る言葉を紡ぐ少女・芥川美緒。
夏目漱石の系譜に生まれ、論理と構造で言葉を武器にする天才少年・夏目春樹。
詩で精霊を呼び出す、宮沢賢治の後継者・宮沢ルナ。
それぞれが過去と現在の狭間でもがきながら、
“禁書”と呼ばれる、書いてはいけない物語にまつわる戦いへと巻き込まれていく。
“焚書派”――文学の魔力を否定し、すべての物語を焼き払おうとする異端組織の影が忍び寄る中、
綾人は、選ばなかった結末たちの“痛み”を通して、物語の本質と向き合っていく。
継ぐべきは、才能か、責任か、魂か。
そしてその先にあるのは、自らの手で綴る「ただ一つの物語」。
「書きたいと思った。僕は、僕の言葉で“誰か”を救いたいって、初めて――そう、思ったんだ。」
運命に書かれたレールをなぞるのではなく、
その先の“白紙”を恐れずに、筆を取る。
これは、ただの血筋の物語じゃない。
これは、“物語の力”を受け継いだ少年が、
過去も未来も超えて、“今”を言葉にするまでの成長譚。
――その一文が、君の現実を変える。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 13:05:11
5565文字
会話率:31%
スラム街で暮らしていた少年レイは事件に巻き込まれ、城に連行される。
これは様々のものに巻き込まれ、時には巻き込みながら思うがままに生きていく話。
週に一度は投降したいと思っています。
タグは該当しうるものを選択しました。転生とステー
タスは設定上はある程度。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 07:09:48
299410文字
会話率:49%
物語は、過去の失敗と後悔を抱えたまま沈黙していた主人公・徹が、“思想を発表する”という決意のもと、かつての妻と暮らした部屋へ向かう歩みから始まる。彼に同行するのは、もはや人格と化した内なる思想の象徴──竹青。
徹は“思想に名前を与える”ため
にNOTEへの投稿を決行するが、それは単なる社会批評ではなく、自らの過去、痛み、愛、そして信念を剥き出しにした一撃だった。投稿後、彼は自首を選ぶ。だがその道中で、徹の中にあった“語るための思想”は、“生きるための信念”へと変質する。
警察署で名前を問われたとき、徹は静かに、そして笑顔で答える。
「はい、俺らは……竹青です。」
それは徹一人の声ではなかった。思想と融合した者、書くことでしか自分を確かめられなかった者の、信念の呼び名だった。
そしてその投稿は、夜道を歩く“誰か”のスマートフォンに届く。
『精神的脱殻論』という、鋭く、痛く、しかし生の匂いに満ちたNOTEを開いたその読者は、自分の皮膚の下が微かに震えていることに気づく。
“読む者”が新たな“脱殻者”になるとき、思想は名ではなく、炎として拡散していく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 04:55:03
21910文字
会話率:30%
本書「精神的脱殻論」は、文明が築き上げた虚飾的な自己──道徳や理性、SNS的善意という“滑らかな皮膚”──を意図的に裂き、内側に眠る未処理の痛みと衝動を掘り起こすことで、本物のアイデンティティと社会の創発を目指す挑戦的エッセイである。以下、
全体の流れを概観する。
序章:文明の皮膚とその亀裂
― 浪漫でも尊厳でもない虚飾としての「自己」を暴き、究極の問い「この皮膚は本当に自分のものか?」を投げかける。留置所体験を通じて、皮膚を剥がれた先に立ち現れた獣のような生存衝動を描く。
第1章:愛国心の空洞化
― 色褪せた日の丸と、観光資源化した茶道・神事を対比しつつ、海外が評価する繊細な雅びを自らの五感で取り戻す必要性を訴える。
第2章:脱殻の薪――分断を燃やす対話へ
― 左右のイデオロギー闘争を武器ではなく「対話の薪」に変え、真の愛国心とは他者否定ではなく叡智の抱擁にあると説く。
第3章:裂傷の自覚――スマホ社会と麻痺した皮膚
― 通勤電車での無自覚なスクロールを例に、倫理のアスファルトに覆われた社会の毒膜を剥がす「意図的裂傷」の行為を呼びかける。
第4章:欺瞞の多様性
― 「多様性」を掲げながら閉鎖を深める現状を斬り、痛みを分かち合うことこそ真の多様性であると主張。
第5章:逃走と覚醒の問い
― 自殺を「敗走」と決めつける社会に抗い、生と死をつなぐ一振りの刃としての選択を再定義。極限で覚醒した先に最強の自己が得られると示す。
終章:裂傷から創発へ
― 各人の衝動が偶然にぶつかり化学反応を起こすことで新たな社会秩序が胎動すると描く。裂傷の痕は勲章となり、その先に予測不能の創発が芽吹く──これが本書の問いかけであり、行動の火種である。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-19 23:06:20
7980文字
会話率:12%
この世界では、心が壊れる前に、命を賭けるーー
2029年4月13日ーー異界の門より突如として悪神・逢魔が襲来。
「逢魔時」と呼ばれる未曽有の大厄災が、日本を襲った。
そして、神仏霊妖が“堕神”となりて人を喰らう呪われた都ーー《千年京》
が生まれる。
逢魔時から、およそ一年。
千年京は依然、異形の脅威に怯える地獄であり、人々は、国家退魔師隊に頼りわずかな平穏を保っていた。
だがそんな中、国家を凌駕する謎の新勢力《暁月》が出現。
暁月を率い、逢魔の打倒を誓う青年ーー華上 亜蓮。
少人数ながらも圧倒的な力を誇る彼らは、未知の秘術ーー《浄化滅却の炎》を奮い、神域内の堕神を次々と祓い始めた。
ーー傷ついたままでいい。その痛みごと、斬り進め。
「現代和風×人間ドラマ×退魔アクション」ーー開幕。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 07:19:10
153235文字
会話率:32%
主人公『氷河龍』は18歳迄、孤児院で育ち、足なが育英会の制度を利用して有名大学院に入学。
有名大学院を主席で卒業し、大手IT企業のデジタルクリエイティブ部に所属。新社会人として働く毎日を送っていた。
氷河龍の夢は30歳迄ソコソコ働き、貯
金がある程度貯まったら……海外で物価が安い国に永久移住し、海の見える土地で家を買って、楽しく人生をおくる事‼️
初給料の日……育ての親、父親の誕生日が明日だった。
俺をここ迄育ててくれた父親と母親に感謝の気持ちを込めて初任給の使い道は、父親には新潟県銘酒『麒麟山』の日本酒、母親には『ダイヤモンドの指輪』を買ってから、自宅へ急いでいた。
氷河は夜がふけて、帰りが遅くなってしまった。
駅の近くに警察署があり、警察署の掲示板に『凶悪犯の指名手配書』が気になって観ていた氷河。
氷河は正義感が強く、犯罪を犯して逃げてる犯人が許せなかった。
氷河はある人物に釘付けとなった。
凶悪犯指名手配書にボヤけてる犯人の似顔絵があった。名前はサイレントキラー。
『サイレントキラー??』
氷河が言葉を発した瞬間、冷たい風が氷河の体を貫通した。氷河は嫌な予感を感じて全く動けない。
氷河の背後から不気味な笑いが聞こえてきた。
キィヒヒヒヒッヒーーー。
突然、背中に痛み出した。
氷河は胸に手を当てて、ゆっくりと手を見ると真っ赤な血に染まっていた。
『!?』(何だコレ!?)
ギャハハハハハハ~~。
ズブズブズブズブズブズブズブズブ。
氷河は何者かによって、大きなナイフで何度も何度もメッタ刺さしにされていた。
氷河は悲鳴をあげる事も出来ず、ゆっくりと地面に倒れていった。
意識が薄れていく中、微かに大きなナイフを2本持った人物を目撃しながら……
『俺が何で……こんな目に合わなければならないんだ‼️俺が死ぬのか?……又やりたい事や美味しい食べ物も食べてないのに……死……死にたく……ない』
氷河は静かに目を閉じた。
何もない真っ黒な空間に、氷河は横たわっていた。
見知らぬ男性が姿を表した。
果たして、救いの神か、それとも地獄の神か。
氷河の運命はいかに……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 02:38:25
468237文字
会話率:14%
「……なんか最近、世界が“ちょっとだけ”おかしいんだよね」
時計が止まり、会話がずれ、記憶が曖昧になる日常。
放課後、エミリアは“誰にも見えない少女”と出会う。
やがて、鏡の中の風景が歪みはじめ、猫、友人、恋、家族──
あらゆる記憶が静か
に削られていく。
そして現れる、“片翼の少女”ミリエル。
彼女は語る。「この世界は、あなたが拒絶した“死の先”でできている」と──
これは、ひとつの魂が「夢のやさしさ」と「現実の痛み」の狭間で、
“ほんとうの朝”を見つけ出すまでの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 00:06:38
4379文字
会話率:16%
皇太子アビエルの傍らには、常にひとりの『美しい少年』がいた。
だが、小川での無邪気なひとときが、すべてを覆す。
少年の姿に隠された真実──少年「レオ」は、美しい少女「レオノーラ」だった。
張り裂けそうな胸の痛み、呼吸すらままならない想い。
初めて知った「愛」という名の嵐に、皇太子は巻き込まれ、そしてそれは彼自身とそして愛する少女レオノーラの運命だけでなく国の未来をも大きく変えていく。
これは、運命に抗いながらも、ただ一人を想い続けた少年皇子とそしてその愛に応え、ただ一途に彼の幸せの為に人生を捧げた女騎士との愛の物語──。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 13:31:44
107732文字
会話率:43%
「空っぽの偽者と、膨らんだ真者。」
ステージの上では、誰よりも甘く、誰よりも魅力的に輝くアイドル、赤塚林一(あかつか・りんいち)。愛想のいい笑顔、女の子を口説く軽い言葉、ファンを虜にする天性のスター性。
――だが、それはすべて“偽り”で作
られた化けの皮にすぎなかった。
林一は、自分のすべてが「偽物」だと知っている。
赤く染めた髪も、明るい声も、理想のアイドル像すら、全部、本物の“真果”に憧れるために作った演技。
かつて「注目されたい」という純粋な夢だけを抱いていた少年は、本物になれない痛みに耐えながら、嘘を重ねてステージに立ち続けていた。
……ただひとつ、“ナンパ癖”だけは本物だったけれど。
そんな林一の前に現れたのが、同じアイドルユニットの葡上練(ぶじょう・れん)。
穏やかで慈愛深く、まるですべてを見透かすようなその瞳は、
林一の“嘘”を一瞬で見抜き、そして――否定せずに受け入れた。
誰にも見抜かれなかった“偽り”が暴かれたとき、林一の心に走るのは動揺か、解放か。
“偽果”である彼が、“真果”のように輝ける日は来るのか。
そして、舞台のスポットライトの先で見つける、本当の「自分」とは――
嘘から始まる、真実のアイドルストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 11:23:44
3663文字
会話率:43%
20年間子供ができなかった夫婦だった私達。
亡くなった五月の母の49日会場に来る途中愛する夫の四月《しづき》が事故で亡くなってしまう。
まだ息があった四月は病院に運ばれてから亡くなったことを知る。
四月に会いに五月はタクシーで病院へと向か
う。
タクシーの中、五月は四月と付き合うべきではなかったのではないかと考えていた。
高校生の頃から仲良し四人組だったメンバー、互いの思いが捻れてしまったのは二年生になり一つ下の後輩が出来てからだった事を思い出す。
もっと早く知っていたら……。
私は、四月の告白を受け入れなかった。
そしたら、私達は……。
私達四人は……ずっと。
そんな事を考えていた時だった。
五月の乗っていたタクシーが、居眠り運転のトラックと衝突してしまう。
ぶつかった衝撃で、お腹に痛みが走り、血が流れるのが見えたけれど。
他の場所も痛くて五月は動けずにいる。
薄れ行く意識のなか。
ただ、願った。
『神様お願い。どうか四月を生き返らせて。そのためなら、私は一生一人でも構わないから』
痛みから解放されたと思った五月の目に飛び込んできたのは、四月と出会った高校だった。
『私はあなたの未来を変える』
過去に戻った五月は四月の死を回避するために動き出す。
※名前は漢数字。
他の数字のほとんどは英数字にさせていただいています。※
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 10:53:12
14738文字
会話率:48%
札幌の自転車乗り・伊東翔は、雪解けの街をロードバイクで駆け、ブルベに情熱を燃やす。リラ冷えの春、ピンクのノボリが揺れる通勤路で「やっとヒートテック卒業か」と呟きつつ、試走会や300kmブルベに胸躍らせる。だが、夜中の母親からの電話が全てを変
えた。「妹・祥子が心肺停止!」と聞き、冷たい夜気を切り裂き病院へ急ぐ翔。出会い頭に、謎のゆるキャラ・おパンちゃんにぶつかり転倒、腰に痛みが走る。
腰の痛みは悪化。ロキソニンを飲みつつも、試走会とブルベをDNS(棄権)せざるを得ず、翔の心は沈む。
果たして、腰を治し、夢の「登丸コースター300km」に挑めるのか?おパンちゃんの夜中の徘徊の真相は?中編へ続く!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-20 22:13:31
1534文字
会話率:35%
過去に影を抱える少年と、心に痛みを秘めた少女。二人の出会いが、止まっていた時間を静かに動かし始める。
ひと夏のまぶしさ、交わされる言葉、ふとした沈黙の中に隠された本音――ゆるやかに、しかし確かに変わってゆく二人の関係。
「人は傷ついたままで
も、美しく咲けるのか。」
そんな問いを静かに投げかける、切なくも透明な青春小説。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-20 20:14:51
30250文字
会話率:42%
帝都・青龍京の右京。日中の喧騒から隔絶された路地裏に、夜だけ開く不思議な甘味処がひっそりと佇む。屋号もなく、ただ奥から微かな灯りが漏れるその店に、心に深い影を抱えた人々が吸い寄せられるように訪れる。
声なき貴族、誤解に縛られた武家、悪夢に
怯える娘。それぞれが抱える痛みは、店主が差し出す温かな甘味によって、静かに、しかし確かに癒やされていく。そこには、ただ甘いだけではない、魂に寄り添い、凍てついた心を解かす力が宿っていた。
これは、帝都の歴史の表舞台には決して現れることのない、しかし人々の心の奥底に深く語り継がれる、夜に開く、不思議な癒やしの「異聞」――。
儚くも温かい物語を、ぜひご賞味あれ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-20 20:10:00
6264文字
会話率:1%