御伽噺は囁かれる。
村の外れにある、沼の上に連なる、顔より大きな蓮の橋。その線の先に続く針葉樹が空を覆う森の一本道。
なだらかな山から流れる幅の小さな川底まで透き通るせせらぎに沿って、木々が幾重にも重なって、射す光さえ通さない薄暗い、ぐね
ぐねと弧を描き、向かう方角を惑わすその道の先には、底の見えない黒く深い穴があるのさ。
その穴をどうにか下った先、色とりどりの鍾乳洞の洞窟をも超えて、歩き続けた森の奥の奥。
そびえ立つ、青々とした蔦(つた)が絡まるよう張り付く大木の下、底まで透き通った青い湖の中心に、魔女が住んでいたその城はそこあるんだ。
誰も住んでいないはずの城は、今でも綺麗で。
苔一つ無いままに光を帯びて、どんな王都の城と比べてもそれでもなおに美しい。
……ならば何故、誰もが羨む古城を使う人間がいないのか?
実は一度だけ、身ばかり綺麗に装飾した、いけ好かない貴族様が件(くだん)の城の噂を聞きつけて。我が物にせんと後ろにぞろぞろ家来を引き連れ、魔女の話を語る村長の話も聞かずに意気揚々とその道を辿っていった。
一日経ち、二日経ち。
歩いて半日もかかる訳がない程度の距離のはずなのに、城へと行くことを止めた村長の元に貴族は帰って来ない。
気になった村長が幾人と共に見に行った城は記憶に変わらずに綺麗なまま、静かな湖畔の上に佇(たたず)んでいたんだ。大きな扉は閉じたままに。
…城は入ることは出来るのかもしれない。
けれど、入ったら二度と出ることは出来ないのさ。
ずっと、永遠にお城の中で。
――――どうなるのかは、お楽しみ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-12 22:30:55
68630文字
会話率:38%
「竜の花嫁」として、主人の娘の身代わりで生贄にされた奴隷の少年が、竜の力を受入れ子を宿し、産み、己の想いに向き合うお話。
特殊性癖を含むお話のため、基本的にあまり閲覧はお勧めしません。
同好の志さんはいらっしゃいませ。
主人公が虐げられ
た展開を含みますがざまぁやすっきり展開は少なく、読後感は「もやっと」です。
薄暗い話で、BL・GL要素の両方、近親相姦要素、主人公が性的に虐待されてたことを匂わせる表現を含みます。
書き忘れている特殊性癖が含まれる可能性もあります。
穴やガバもいつも通り健在です。
人によっては気分が悪くなる可能性が多分に含まれますので、ちょっとでも嫌だなと感じたら即時読むのを止めることをお勧めしますし、これらの文を読んで嫌な予感がした方には、そもそも最初から読まないことをお勧めします。
全14話、すべて予約投稿済みです。
4/29~5/12、毎日20時に投稿されるように予約してます。
一気読みがご希望の方は、5/12の最終投稿後にお越し下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-12 20:00:00
30352文字
会話率:39%
家庭内モラハラを受けている以外は、何も変わったところのない主婦の 森乃 麗子 43歳。
ある日、インフルエンザによる高熱で寝込んでいたところ、目を覚ますと見知らぬ薄暗い森で少年に出会った。少年にバケモノと言われ恐れられた麗子は人の
姿をしていなかった。
状況が全くつかめない麗子は知らない世界で、忌み嫌われる存在として様々な出会いをする。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-12 18:22:26
118502文字
会話率:46%
王の告げる言葉
万人に与えられた栄誉と安泰の機会
剣と杖が薄暗い地下牢で織りなす物語
小説投稿サイトハーメルンに掲載していたモノをこっちにも持ってきました
最終更新:2024-05-09 15:38:29
43512文字
会話率:57%
妻を助手席に乗せて温泉旅行に向かっていた涼宮孝弘は突如として意識を失い、目が覚めると薄暗い畳敷きの大広間に居た。妻とは引き離され戸惑う孝弘だったが、そこには同じように困惑する孝弘含め7人の男女が居り、やがて室内に姿なき声が響き渡る。「君たち
を我が領域に招待した。愉しんでくれ給え」唐突な事態により混乱が広がる中、遂に7人の中の一人があきらかな他殺で死んでいるのが発見され、少し目を離した隙にその遺体は霞のように消え去ってしまう。和洋折衷の奇妙な空間に閉じ込められた人々と、正体不明の〈城主〉による人間狩りが開始された瞬間だったーー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-07 12:18:47
6812文字
会話率:32%
【深淵の魔女】……この名は大陸で知らぬ者が居ないくらいに有名な異名であった。冒険者として最高峰のランク、Sランクとして活動したり、時にはドラゴンを単独で討伐、国同士の争いに介入して戦争を終わらせたりと数多くの伝説を残した人物である。
現在
は、ハルマール王国の魔術学院の理事長をしていたが、ハイエルフの彼女は120歳を機に引退してスローライフを送ると決断する。そんな矢先に薄暗い人気の無い路地裏で、ゴミ箱の中から女の子の赤ん坊を拾ってしまったのだ。
このお話は、子育て経験の無い主人公が母性に目覚めてしまうほのぼのとした、百合要素も強めなお話しとなります。
「あぅ……ま、んまぁ……」
「え、今この子、私の子をママって……!?」
「ばぶぃ……」
「あぁん♡ 良い子でちゅね〜よしよし♡」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-07 07:56:49
47080文字
会話率:75%
異世界転移ものでダークファンタジーと死にゲー要素を煮込み、某会社のパクリギリギリのパロディを基本の味付けに、チート控え目シリアスをひとつまみ。付け合わせに流血表現と負傷描写を贅沢に盛った、なろう風味かつ、王道要素も忘れずに滲ませた一皿でご
ざいます。
仕事から帰り、のんびりと動画サイトの配信を見ながら宅急便の箱を開けた俺は、突然見知らぬ異世界に迷い込んでしまった。醜悪な怪物が跋扈し、薄暗い雰囲気の漂う、どこか既視感を覚えるこの世界は、俺が子供のころに散々遊んだ初めてのゲームかつ死にゲー、カオスチャンピオンにそっくりだった。記憶を頼りに警戒し、死なないように立ち回り、しかし微妙に記憶との食い違いが多いこの世界に疑念を抱きつつ、俺はこの世界で歩みを進める。やがてゲームの通りに混沌の戦士となって超人と化し、現実に帰還する手段を模索していくのだが……というこの一品、味わって頂けましたら幸いです。ご賞味あれ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-04 19:32:09
63791文字
会話率:23%
この吹奏楽人生最後とも言える大会に出場した主人公の奏。だが彼は爆発事故により死んでしまう。意識が戻ると薄暗い所におり、またもや命を狙われたが、助けが入る。だが、助けに来た者が持っていたのは楽器?!音に力が与えられた世界で奏はどうする?新感覚
の音楽魔法ファンタジー!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-01 17:59:54
3631文字
会話率:23%
まだ明けやらぬ薄暗い中、なにか違和感があってふと目を覚ますとそこは・・・
知らない天井ではなかった。
が、一人暮らしのはずの部屋になんでかイケメンがいる!?
え?夫?
全く記憶がありませんけど、私、知らない間に結婚していたようですよ。
最終更新:2024-04-24 21:56:44
12107文字
会話率:25%
青春の闇をリストカットという手段で振り払う、メンヘラ男子を自認する高校生の少年。夕方の赤い街での出会いは、彼の何かを変えた。
※自傷行為・シモの単語・ボーイズラブの描写があります / バッドエンドというわけではありませんが、全体的に薄暗い
です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-21 02:05:05
6117文字
会話率:45%
一人の少女が、王都の外れにある監獄へ収監された。三ヶ月経ったころ、その薄暗い独房の中で、彼女が事件の全貌を滔々と話し出した。淡い紫色が良く似合う可憐な少女が、なぜ悪女と謗られるようになったのか。看守は、静かに耳を傾けた。
最終更新:2024-04-09 00:00:00
20085文字
会話率:31%
α、β、Ω、男女の性別の他に第二性で構築された世界。それらを差別化するのは、各バースに備わった『権能』と呼ばれる能力であった。
αに生まれたものは『全知全能』
βに生まれたものは『部分日食』
Ωに生まれたものは『無能』と分類される
。
しかし、Ωには、稀に特異的な体質を持って生まれてくる者もいた。それを──『天変地異』という。
理不尽なバース差別が横行する世界で、Ωの天変地異は極秘の処刑対象でもあった。
誰にも殺せない、逸脱した力の天変地異を持つΩ「深淵」
深淵の暗殺を日本から依頼された、ドイツ国家暗殺部隊直属の全知全能α、ヘルツ・バルツァー。
その深淵を覗くとき、彼は何を見、何を望むのか。たとえ、それが運命でなくとも。
絶対に手に入れたい攻めと平穏に暮らしたい受けの薄暗い攻防戦です。受けがとにかく強い。
作中に日本やドイツの概念が出てきますが、パラレルワールドとしてお楽しみくださいませ……!
*及川奈津生様主催の現代異能バトルBL企画参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-08 18:18:22
74330文字
会話率:35%
打ち切り作品。それは一般的にネット上に転がっている「無理やり終わらされた作品」「終わりが無い作品」の事を指す。
主人公の加賀 義武はいつも通りの仕事帰り、薄暗い道を歩いていると何者かに刺されて死んでしまう。
しかし、気が付けば目の前に女神が
現れ、"ある条件"を満たせば生き返らせると言った。その条件、それは『打ち切り作品の世界に入り、物語の続きを作る』という物だった----折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-31 20:36:42
6506文字
会話率:38%
異次元地下迷宮『ダイダロス』。その地下深くに神様転生してしまった哀れな青年。
『血みどろ甲冑』と呼ばれるモンスターとなってしまった男はダンジョンを彷徨う。
まともな食事もとれない、モンスターだらけで会話もできない、死体だらけのダンジ
ョン薄暗いダンジョン。
長い時間をかけてさまよい続け、やがて希望を見つける。
モンスターと人、その狭間に生きる男は今日も歩き続ける。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-31 20:00:00
99910文字
会話率:30%
気がつけば薄暗い培養室。持ち得るのはその身に宿した能力で奪った産みの親の記憶のみで、他には何もない。
目的も存在意義も持たない人形はふと思う。
とりあえず、外へ出れば何か見つかるか。
最終更新:2024-03-23 12:08:29
134280文字
会話率:22%
ジャンル:クラス30人異世界召喚冒険もの/チートなし/ハーレムなし
……春先、薄暗い雰囲気漂う3-Cの教室に、突如“女神”が降臨する。“女神”は告げる「みなさんには、異世界にてゲームに挑んで頂きます」と。ファンタジーRPG風のキャラクタ
ーメイクを行い転移させられた先は……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-21 21:43:37
216277文字
会話率:31%
やっと、念願の大学生活を送れていた。
今まで散々な目にあってきた。
ここでは満喫した学生生活を送ってやるんだと誓った。
なのに
彼女を気になってしまったから
彼女に目を奪われてしまったから
彼女を知ろうとしてしまった
から
彼女を愛してしまったから
あの日、あの時、彼女をバラのようだと言った自分を殴りたいと薄暗い部屋の中で紫苑は考えていた。
小説家になろうでの初めての作品です
よければ読んでいってください
不定期更新かもです折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-04 21:40:10
9514文字
会話率:49%
父から虐待を受けていた私はついに絶えられなくなった。私は父を殺し逃げた。だが父は身分が高くその追手から逃れられず捕まった。私が取った行動は自殺だった。
目を覚ました私は薄暗い部屋に閉じ込められていた。私の黒髪はこの世界では不吉として蔑まれて
いた。
この世界でも虐待を受けていた私に光を与えてくれた人がいた、とても眩しい光だった。
「あなたは強い子よあなたはここで命を散らす器じゃない。私についてきなさい」
この日から私の世界は変わった。
※あまり文を書くのが得意なわけではないので
誤字や表現が分かりづらかったりすることが多いと思います。
もし誤字などがあったら報告してくれると助かります。
あと、投稿は不定期になると思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-02 15:00:00
37165文字
会話率:56%
見渡す限り、霞んでいる。
きっと薄暗い闇がすっきり晴れることはないのだろうと半ば諦めていた。
闇を振り払おうとすれば、するほどに疼いていく。
ポツポツと雨が降り、心が滲んでいく。
ずっと気持ちを揺るがすように、目に見えない雨が心を
締めつけていく。
晴れてほしい。
晴れてほしくない……。
気持ちに素直になれない。
もしかすれば、気持ちを晴らすこと自体、願ってはいけないのだろうか。
雨をやますには、どうしたらいいのだろう。
素直になれない。
だからこそ、疼いていく。
疼いてしまう。
この疼きが憎らしい。
紛らわしたい。
だから手を伸ばそうとしてしまう。
決して許されないことだとしても。
そのとき、声がした。
それは咎める声。
許されることはない?
でも……。
でも微かに願ってしまう。
その声はこの疼きを鎮めてくれる声。
心に降り続ける雨を止めてくれる声。
救いの声なんじゃないか、と。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-02 14:35:15
78320文字
会話率:24%
*二面性をもつ高校生達(白王子/俺様、高嶺の花/自己愛、一匹狼/人懐っこい、温厚/自衛、友情出演:ハーレム/執着)が主に恋愛絡みでごたつく話*
※全体的に薄暗いです。全5話。
※はっきりとBLとは呼べないかもしれません。
最終更新:2024-02-13 22:26:11
46929文字
会話率:48%