●あらすじ
男子大学生、月土米(つきどめ)力一(りきいち)は、オリジナルの精力剤を作ってよう、と思い立つ。それから数ヵ月後、食材や調理器具を一通り揃えた力一は、さっそく精力剤作りを開始するが……。
●備考
この作品は、小説家になろう・カクヨ
ム・Pixiv・Twitterに掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-19 18:52:07
3934文字
会話率:26%
永久機関を題材にしたお話です。
永久機関(えいきゅうきかん、英: perpetual motion machine)、それは、外部からエネルギーを受け取ることなく、仕事を行い続ける装置である。
古くは単純に外部からエネルギーを供給しなくて
も永久に運動を続ける装置と考えられていた。しかし、慣性の法則によれば外力が働かない限り物体は等速直線運動を続けるし、惑星は角運動量保存の法則により自転を続ける。そのため、単純に運動を続けるのではなく、外に対して仕事を行い続ける装置が永久機関と呼ばれる。
これが実現すれば仕事を得ることに関して、石炭も石油も一切不要となり、エネルギー問題など発生しない。18世紀の科学者、技術者はこれを実現すべく精力的に研究を行った。しかし、18世紀の終わりには純粋力学的な方法では実現不可能だということが明らかになり、さらに19世紀には熱を使った方法でも不可能であることが明らかになった。永久機関は実現できなかったが、これにより熱力学と呼ばれる物理学の一分野が大いに発展することとなる。(Wikipediaより)
そんなすごいものを主人公が作ってしまいます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-16 19:21:42
15209文字
会話率:81%
『ねぇ、聴こえる?』
頭上から聞こえた少女の声に、ある男子高生の幸谷――コーヤは目を覚ました。けれど、彼が目覚めた場所は、悪魔の支配下にある異世界だった――
異世界に来た経緯も分からず、混乱するコーヤ。そんな彼に少女は、真実を伝える。
『君は神に選ばれたんだよ――』
これは神に選ばれた少年と、神々の父祖と同じ名を持つ少女の小さな旅物語。
そして、二人を待つのはなんとも個性的な仲間たちで――!? 創造神と人間を繋ぐ役割を担う、アイ・アパエク。元・天使の堕天使コカビエル。そして、先程コーヤを助けた少女、エル・カムサイド。
それぞれ、神の精力を受け継いだ少年少女達が世界の闇を晴らすために今立ち上がる。
そして、その先に待つのはオルゴール・ワールド。悪を作り出すその世界は、一体なにを表しているのか。それを暴き、コーヤ達は世界を救えるのか。歴史の一部分に過ぎない物語でも、コーヤ達は確実に強くなっていく――
『どうか、未来で目を開けたときに笑ってくれますように』
また君の名を呼べるように。
彼の人生は新たなスタートを切る。
笑え、抗え、生きろ、叫べ――。
神々と人々がお互いに手を取ることができる世界を作るために、コーヤの秘められし力が今、動き出す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-11 17:04:16
3896文字
会話率:28%
妖怪がこの世にごくごく一般的に出現するようになった時代。
一寸法師の妖怪である与那覇一寸法子は、妊娠した人間の女性の胎内で育ち、人として産まれた。
そんな一寸法子は高校生になっても身長は一寸もない。
妖怪はそれぞれが固有の特殊能力を持
っていて、一寸法子も『打ち出の小槌を召喚して、ものを小さくする』という能力を持っていた。
そんなある日、一寸法子の母親ががんに侵され、医者に余命を宣告された時、『異世界を創る』という新たなユニーク能力に目覚めた。
母親の体に異世界を創ったところ、その世界では癌細胞がRPGのモンスターのようになって現われていることを知る。
更に、それらのモンスターは倒せば倒すだけ、母親の体の中からがん細胞が消えるという仕組みになっている。それを知った一寸法子は日課として、母親の胎内でポップする癌細胞モンスターの退治を精力的に行うようになり、母親の状態を良くしようとする活動に取り組むようになった。
これは、一寸法子が同じく妖怪の友人と共に、母の癌の完治を目指しながらも、のんびりとスローライフする物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-08 13:00:00
117012文字
会話率:68%
大学生の白川誠(しらかわ まこと)は、高校のときに出会った先輩、楠木詩葉(くすのき うたは)に一途な片思いをしている。
しかし、自称悪魔を名乗る女、小夜(さよ)に唇を奪われてから体に異変が。
小夜の口付けにより、悪魔の苗床になってしまっ
た誠は、小夜に精力を与え続けなくては、死んでしまう体に変化していたのだ。
不本意ながら、小夜と同棲生活が始まる。
しかし、片思いの相手である詩葉のことも諦められず…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-05 16:00:00
303494文字
会話率:54%
政府が管理する『SWTH』システムから、何とか戻った神樹鈴音と佐々木雪菜は、政府の管理の下で生命維持装置にいる強制切断者の救出を行っていた。現実世界の二人だけでは実現不可能だが、管理者権限をもつ実の兄、神樹響がいるからこそできる芸当だった
。響も過去を挽回するチャンスととらえ精力的に手伝い続け、半年の時間をかけ残る全ての人間を再接続することに成功した。幾人かは、この仮想世界に見切りをつけ鈴音と雪菜のように元の生活へと戻ったが、大半はここで一生を終えると決断したのだった。その中には響のよく知る師匠たちも交じっており、複雑な気持ちでいっぱいだった。だが、そんなヒビキも愛する人との生活、親友や妹が待つ現実世界へ戻るか決断する日が迫ってきていた。
そんなおり、鈴音から第一エリアでリイナの体が保管してある場所の目安が送られてきた。不治の病だったリイナは、幼くしてなくなり脳死状態と判断されたことで、政府の仮想現実世界システムの実験体一号として扱われたのだった。
全ての情報は政府が隠蔽されていたが、二人が手伝うことで情報を取得することができたのだった。いまでは不治の病ではなくなっていた。コールドスリープしている体を見つけ再接続すれば現実世界へリイナが復活できる可能性がみつかった。
響は、AI管理者であるシューリンに相談すると第四エリアのリイナではデジタルブレインが破損しており過去の出来事、現実世界で暮らした情報が足りないとのことだった。第一エリアにいるであろうリイナのオリジナルのデジタルブレインのNPCを見つけ出し融合し、第一エリアでAI管理者となることで、リイナと共に現実世界へと戻れる唯一の可能性が出てきた。いろいろ問題が山積みの中、リイナを連れて第一エリアへと旅立つ決意を決めたのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-08 06:00:00
51944文字
会話率:44%
皮を剥げ!腹を掻っ捌け!省略されるファンタジーの裏側……それは解体だ!
第8回ネット小説大賞 一次選考通過しました。
https://www.cg-con.com/topics/11422/
二次選考はお察し
ハンターギルドから、素材
の採取方法の本を書くように依頼された、監修のおっさんハンターと著者の大魔道士の少女の物語。
メインは、架空の生き物の解体とその素材処理です。
*注意事項*
残酷描写あり、魔物を解体するので、グロい表現が何度もでてきます。
暴力表現あり、魔物を斬首したり、皮を剥いだりします。
性描写あり、ヒトガタの魔物用の保険です。現実でもあるようにアレを煎じて飲むと精力が……とかのやつです。
悪役とかでてきません。淡々とファンタジー生物の素材処理の話だけになりますがよろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-03 00:00:00
124894文字
会話率:37%
平凡な人生を生きてきて、ありふれた落後人生を送る神田真悟人。
人生に何の意味も見出せないまま消えて行くんだろうと思っていたある日、夢を見た。
これからの人生を大きく変えていく出来事が起こる。
今までは考えられなかったように精力的に生きる意味
を見出していく。
まだ、人生捨てられない!
幸せになれるかも知れない。~俺にとっての幸せって?~
やり直しじゃないけど、もう一度思ったように人生を生きてみる男の話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-29 01:00:00
343042文字
会話率:37%
小柴嘉比芽(こしばのかいが)とその幼馴染の梅井綺羅(うめいきらら)が一緒に帰っている。梅井が小柴を家に誘って、強制的に連れて行った。梅井の部屋でレ◯プされそうになるが、その時床に魔法陣が浮かび上がり、異世界召喚される。目の前にいるのは裸の王
様!!
「この世界をまともにしてほしい。」「これはおよそ300年前、悪魔サキュパスと人間が戦争した。(淫乱戦争)圧倒的悪魔の魔力、戦力。悪魔は人間の性欲を上手く利用し、快楽に溺れさせ戦闘不能にしていった。そして、負けた人間たちは悪魔とある契約をしたのだ。その契約が人間悪魔間精力搾取契約(人間の生命を保証する代わりに一国の男性をすべて授ける。その男性が全員なくなったらまた別の国の男性を授ける。)というものなんだ。その契約のおかげで悪魔の勢力が拡大し、我々人間は衰えて悪一方。形的には王は国を統治しているが、実質統治しているのは悪魔なのだ。次男性を授けることになるのはこの国かもしれぬ。だから頼む!助けてくれないか。さっきもいった通り財産権をお前たち譲渡しよう。」それは魔王(サキュパス)に支配されたこの世界を変えたいと思う王様の唯一の願いだった。
無能最弱主人公と最エロで最強な幼馴染が繰り広げるかなりえっちでハラハラドキドキのファンタジー!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-06 22:39:22
11118文字
会話率:54%
福岡編がもはやおまけと言えないほど話が長くなっており、そのような状態で毎回完結設定で投稿するのはいかがなものかと思い、今後は連載中での投稿とさせて頂きます。
また、別の読者様からは完結設定で投稿してもらうと、時間が経っても探しやすいとのお
声を頂いておりましたが、ブックマークをして頂くと投稿状況に関係なく、いつでも拙著を読めるようになります。今後はブックマークで対応して頂ければ幸いと存じます。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
主な登場人物
【桜田紫】
エスペランサ出版社・総務課の女性社員⇒ビオランテ出版の総務主任。武下定秋と5年も付き合っていたが結婚を目前に突然ふられる。失恋後、あることをきっかけにレーシックをやることになる。あらゆることに嫌気がさして、自ら出向することを希望して、福岡へ行くことになる。
【武下定秋】
エスペランサ出版社・営業課の男性社員。結婚目前の桜田紫を突然ふって、水戸あおいと付き合い出す。仕事はできるかもしれないけど、いろんな意味で残念な人。
【水戸あおい】
「寝取り女」の異名を持つ、社内でも彼氏を寝取られた女性が多数いると言う最悪の評判の女性。
【久留米陽美】
紫には一つ上の先輩。紫の理解者の一人。水戸あおいを見返すために、桜田紫にレーシックをやるように勧めた。どうやら、水戸あおいと遺恨がある模様…。
【大泉】
総務課総務三班の班長⇒人事総務課総務班の班長補佐。紫の良き理解者。とても大柄なのに、気が意外と小さい。いい人過ぎて、いつも貧乏くじをひかされる。趣味は写経。
【稲森美和】
福岡にあるビオランテ出版の唯一の女性社員。取材班の一員として、あらゆる取材に精力的に取り組む。桜田紫が出向でやってきたことを心から喜ぶ。
【瀬々串】
福岡にあるビオランテ出版の専務。親父ギャク全開で話すが、専務としてビオランテ出版を全力で支える。部下を厳しくも優しい心で育てる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-20 00:06:50
170349文字
会話率:48%
ある日の帰り道。サイタマ・ケイスケは道端に寝転がっていた紫色の猫に気を引かれる。それはエルフ型次元超越ロボなすびが擬態した姿だった。
ロボなの猫なのエルフなの? 困惑するけーすけを余所になすびは告げる。
「そなた、我と共にちょいと異世界に行
ってそなたの種をばら撒いてはみぬか?」
何か始まるようで始まらない。お気楽お手軽次元超越ファンタジー。
思いついたときに不定期更新。
20191115 微妙にタイトル変更折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-15 11:20:35
12276文字
会話率:43%
ある出来事をきっかけに紳士に生きることを誓っていたアキラ(26歳)は交通事故に遭い、女神のミスで美少女JKと共に異世界へ転移する。そこは剣と魔法の世界だったが、魔法が使えるのは女性だけ。しかも女性は魔力の恩恵で力強く老いを知らず、美しく精
力に満ちていて、貞操観念も逆転していた。
アキラは男のため魔法を使えず、女が男を買う夜の街で働き始める。
ある日仮面を被った謎の変態が現れると言う噂が広がり、アキラのもとに一緒に転移した美少女や謎の美女騎士や訳ありお嬢様などが集い、大きな陰謀に巻き込まれ始め……
やがて紳士(変態)な勇者伝説が扉を開けてしまう。
※基本変態コメディ・ファンタジーです。
※残念ながらヒロインも全員変態です。
※カクヨム同時掲載中。
※2019/09/22 『仮面のマッスル紳士』より改題。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-14 22:30:15
137576文字
会話率:32%
あらすじ
都内の高校生である諌順也(イサミジュンヤ)はエントリーシートに夢:未定と書くほど裏表がなく、同時に無気力な青年で都市伝説などマイナーな知識に富み、感覚も常人と少しずつズレていたため「生きる廃人」と揶揄されていた。自分に精力がない
ことがコンプレックスな彼には疎ましい人物がいた。
それは同学年の猿飛電介(サルトビデンスケ)。猿飛はいつも純也の「少し先」に軽々しく飛び越えていくので軽い逆恨みを起こしていた。ある日いつも明るく上機嫌な彼が「声優になる!」と公言する。
腐れきった純也の心は彼の夢を一瞬蔑んだが、「叶わなそうな夢だったら俺が叶う夢を見つけて有言実行したら勝てる!」と脳筋丸出しの考えに至り、宿敵(?)に勝つための純也の終わりの見えない【夢探し】が始まる……
今回はプロトタイプなので短編扱いですが筆が進めば続きます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-09 12:55:22
2423文字
会話率:36%
moedra wiki掲載作品の重複投稿です。
幼い頃に年老いた執事とともに森で遊んでいた王女エリスは、空を飛ぶ練習をしている時に木に激突して大怪我を負ってしまった雄の仔竜を介抱したことがあった。
その10年後、老齢の為に職を辞することとな
った執事に代わって専属の召使いを雇うことにしたエリスは、口煩い小言を言われないだろうという理由で集まった候補者の中にいた言葉を話せぬ若者を召使いに選ぶことにした。
やがて沈黙を意味するレンスという名を付けられたその若者は精力的に仕事をこなし、次第にエリスにとって大切な存在となっていく。
だがある日レンスとともに森で遊んでいたエリスは突然大きな猪に襲われ、彼女を助けようと奮闘するレンスともはぐれてしまい絶望的な逃走を余儀なくされることになる。
そしてついに疲労の余り動けなくなってしまったエリスの前に猛り狂った猪が迫ったその時、意外な存在が彼女の身を護ったのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-09 01:29:53
38009文字
会話率:30%
見慣れた街中の喧騒にて、とある女子高校生の一団と偶然、遭遇した。
彼女達は白い制服を着、楽器を持ち、秩序そのものと同化するように整列していた。
そこで見舞われた美の賛歌に、僕は眼を見張るのであった。
この前街で見かけた光景を、即興的に書き
表した短編小説です。
ふと目にした女子高校生たちの美しさにたまらず、書きたい衝動に駆られましたw
初の文学的小説の投稿になります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-04 23:06:48
2165文字
会話率:0%
かつて神々の全精力を持って神殺しの悪神を封印した。
後にその悪神は神殺しの殺神と言われ歴史に名を残した。
それから何千年も経った今、その封印は解かれる。
最後に残るのは、世界の平和か、それとも神殺しの殺神かーー。
最終更新:2019-03-02 15:27:01
25331文字
会話率:35%
千年もの間、神殿で子供に恵まれぬ夫婦に希望を与えてきた安産と子宝の神、リスティリス。毎日精力的に神としての役割に従事してきた彼女だったが、人一倍子供好きだった彼女にとって、たびたび訪れる『無事子供を授かった夫婦の感謝の報告』は、吉報であると
同時に苦痛でもあった。
彼女が生まれて幾千年、ついに耐えきれなくなった彼女は神殿を飛び出し、自分の子供を手に入れるために奇天烈な誘惑活動を開始した――――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-10-23 19:48:18
18113文字
会話率:73%
主人公「下野陽」は三流国立大学の大学1年生。偶然、山登りをして、異世界に転移してしまった。同じ転移者の中にいる「英雄」の力を持つ勇者が異変を解決すれば元の世界に帰れるという。しかし、彼はそれに選ばれていない、ちょっと珍しい程度の一文無しの
人間だ。しかし、お約束とも言える展開から国政に関わることになり、それを生業にして生計を立てていくこととなる。彼は元の世界では、政治家志望で野心家だったため、このチャンスを利用して国民が全て本当に幸せに暮らせるような政治のために精力的に活動していく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-24 21:57:08
134301文字
会話率:58%
死刑制度の廃止を訴えて精力的に活動していた弁護士は、自分の家族が殺されたとき、その犯人の弁護を引き受けた。犯人は死刑判決を受けたが、弁護士の活動によって死刑制度が廃止となり、犯人の死刑は回避されたのだった、が……
最終更新:2018-09-21 21:39:07
4286文字
会話率:39%
好きな事が上手くいかない葛藤。
将来への漠然とした不安。
当たり前だった存在との死別。
伝わらない思いと伝えられない苦しみ。
現代に生きる若者たちの、答えの無い路を。
邦楽から着想を得て創作された、若者たちの物語。
※他投稿サイトへ多重
投稿を行なっております。
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第1話「鳴らないピアノ」
絵理は絵を描くことが好きな少女。
中学校進学と共に「創作同人即売会」の存在を知り、会場で熱気にやられた彼女はポツリと一言呟く。
「私も、本、作りたい」
高校進学と同時に始めた創作同人活動。親との約束を守り、学業にアルバイトに執筆にと精力的に活動していたが、ある回のイベントで彼女の気力は折れてしまう。
そのイベントの帰り道、偶然見つけたギャラリーカフェで北浦カナエという画家と出会う。彼女はパートナーのジョージに軽食の用意をさせつつ、絵理の書いた本を読む。
「それで、あんたはこの話どう思ってんだい?」
カナエのその一言から、最初こそ言い訳はしていたが胸の奥に仕えていた本心が涙と共に溢れ出す。
「私……私悔しくてっ! 誰も、私の作品見てくれない。私すごく、大事にこの作品作ったのに!」
絵理の本心をカナエは羨ましいと言い、自らの手でカフェに飾られていた絵を1枚切り捨てる。それは、カナエ自身が昔描いた絵の一枚だった。
「案外絵も漫画も描かなくたって大丈夫さ、生きていくには必要ないからね。でも、本当に愛していたら嫌でも辞められないのよ。私は辞められたけどね」
その言葉は、昔カナエが捨ててしまった情熱の片鱗だった。
悔しがるほど、泣くほど思いを込めても、自分が好きなものは時に振り向いてくれない。
「僕は君の本が読んでみたいな。今、買うことはできるかい? 御代はこのホットケーキとミルクティーになるけれど」
それでも絵理の描いた本を読んでみたいという人がいる。心の底から涙を流し、絵理は自分の作品の対価として手に入れたホットケーキを食べながら考えた。
──そうだ、帰ったらこの二人をモデルに話を描こう、と。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-30 23:32:21
29248文字
会話率:40%