(編集のうちに、この物語は『夢幻犬鏡』の一部となりました)
将門を失った狐女は人の世のまにまにただよいます。
愛する男を忘れるため、狐女はさまざまな男たちと付き合いますが、彼ほどの男と出会うことはあいませんでした。その一方で、狐女は短
命の人間の男を本気で愛することを恐れていました。
そして、二百四十年後の平安末期――
狐女は官女ゆかり子となって後宮に住みつき、そこで知り合った平清盛の息子、重衡の愛人となっていました。
彼はこれまでの男とはちがいました。ゆかり子は重衡との関係は遊びと割り切ろうとすしますが、美しく才に長けた彼に魅かれていきます。
しかし、日本国中に反平家の機運が上がり、重衡も武将として戦闘へ向かわねばならなくなります。狐女として妖力を使い、重衡を守ろうとするゆかり子でしたが、やがて彼との愛人関係に疲れ、男を見限ろうとします。
一方、武将として天賦の才能をもつ重衡は常勝不敗、平家の大軍勢を率いますが、頼朝が派遣した義経軍との戦いで敗れ、囚われの身となります。
鎌倉の頼朝のもとへ送られることを知ったゆかり子は重衡を救い出そうとしますが、彼の子を身ごもったことで霊力を失っていました。
本作は、狐女と平将門の悲恋を描いた過去作『星の夜明けに流れゆく』の続編となります。
※今回は恋愛がメインで、合戦シーンは少なめですが、相変わらず人がいっぱい死にます。いつものくせで警告タグに『残酷描写あり』とは入れてません。(作者が本サイトに掲載した物語は血飛沫やら生首やらが飛び交いますが、合戦物なのにわざわざ警告もないだろうということで)しかし、今回はさずがにタグを入れようか迷いました。合戦シーンは淡泊でも、非戦闘地域での幼児の首ちょんぱとか、その髑髏を母親が抱いて歩く場面(元ネタ:源平盛衰記)があります。
残酷かどうかは読者の方々にゆだねたいと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-27 19:05:36
30470文字
会話率:15%
失意のうちに都を後にした平将門。彼にとって、故郷の坂東もまたさまざまな矛盾に満ちていた。
親類たちの理不尽に苦しめられ、戦いをしかけられた将門はついに挙兵する。
彼のそばには、京で恋仲となった狐女、桔梗の姿があった。桔梗は己れの霊力
をふりしぼり、将門の戦闘を幾度も勝利に導くが、その力の及ばぬところで、将門の家族を死なせてしまう。
孤独を抱え込んだ将門のもとへ、下野の名家にして元罪人の藤原秀郷が近づく。自分に似たものを秀郷に見た将門は、秀郷に親しみを覚えた。
一方、狐女は将門を愛し続けながら、別の目的で秀郷と関係をもった。
秀郷の身に龍神の霊力が秘められていることを掴んだ狐女だが、二人の関係は将門に知られてしまう。秀郷は将門のもとを離れ、狐女と将門の心はすれ違う。
京では、将門の行いが反乱と認定され、従兄の貞盛が、朝廷より追捕使に任ぜられ彼の敵となる。親友でもあった貞盛の裏切りに将門は怒り狂った。
将門と仲違いした狐女であったが、孤軍奮闘する彼を陰ながら霊力で守っていた。そんな狐女の前に立ちふさがったのは、「夷をもって夷を制す」として朝廷から追捕使に任ぜられた秀郷だった。さらに彼のそばには護法神の龍神がいた。人間たちの戦いとは別に、霊獣同士の戦闘が始まるが――
『夢幻犬鏡』の第一章です。小山氏サーガは、全てここから始まります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-02-05 19:22:07
51657文字
会話率:20%
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この物語は史実に基づいて創作されておりますが、完全な史実本ではありません。
歴史エンターテイメントとしてご覧頂ければ幸いです。
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今は昔、豊田と呼ばれた邑の物語。
繁栄の頃には領内に下総国庁を抱え
た由緒あるその里は、平将門が起した承平天慶の乱を迎えて一時代が過ぎ去ると、次第々々に鄙へとその姿を変えて行った。
そして時代は移ろい天正の御世。
豊田三十三郷と呼ばれて久しいこの地は、常陸平氏の末裔とされる豊田氏が統治していた。
しかし、連綿と続く一族支配も関東から吹き荒れ始めた戦国の渦に巻き込まれた今、最早安穏としてはいられなくなっていた。
隙あらばと、豊田領を狙う勢力があったのだ。
茨城県内の隠れた戦国史を現代に蘇らせた戦国時代小説、謀略。
豊田氏と多賀谷氏の相克は何れに軍配が上がるのか。
縦書きに変換してからご覧いただけると読みやすいようです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-26 22:00:00
127161文字
会話率:39%
現世(うつしよ)と幽世(かくりよ)が曖昧に交錯し、魔物と人が渾然と存在した時代――
人々はまだ濃密な闇を孕んだ微睡の中に暮らし、神話の残り香に包まれて生きていた。
――それは、『剣』と『神』を巡る物語。
最終更新:2013-09-30 23:42:25
1224文字
会話率:38%
平将門伝説のアレンジです。
塚は実在しますが、桔梗の方が実在したかどうかは謎です。
最終更新:2012-08-09 23:43:48
1386文字
会話率:9%
「日本再誕連合」のリーダーであったシゲルは、志半ばで謀殺されてしまう。そのシゲルが流れ着いたのは怨みをもった魂が集う国「空国」であった。
彼の抱いていた強大な怨み・・・すなわち大学教授であった父親を、政治家などから受けた言論封殺やそれに伴
う社会的抹殺によって自殺に追い込まれたこと、そして父親の悲願でもあった「日本を変革する」という志を折られたことに、空国の最高権力者達、通称「御三人」は自らが成し遂げられなかった現世への怨みを晴らしてくれる存在として期待を寄せる。御三人とは、かの有名な菅原道真、平将門、佐倉惣五郎である。
空国に漂着し、彼は「大目付」の任を拝命していた安藤に迎えられ、空国に流れ着いた者の中でも、とりわけ怨みの念が強い者達が入学させられる霊学校・・・「第百八霊学校」に半ば強制的に入学させられる。シゲルはそこで後に班のようなものである「三人結」を組むことになる、関西弁が苦手でヒステリックなノゾミや、「日本再誕連合」に憧憬を持っていたコミュ障ながら一流大学卒のケンジなどと出会う。現世の連合の動向を気にしながらも、自らの怨みの念を動力源とした「怨力」と呼ばれる超能力に似た力を、現世で使うための修行をすることとなる。何故そのようなことをする(させられる)かというと、現世に居る御三人を鎮魂し、現世に現れることを防ぐための寺社仏閣などを建立した者達の末裔(陰陽師一派)を根絶やしにして鎮魂を解き、再び現世を荒らすためである。それらは全て、御三人の兼ねてからの願望であったので、道真が死に鎮魂された後から現在までずっとその闘争は続いている。
そして現世に帰り、初めての実践授業を受ける。丁度その時近くで連合が計画を開始しており、気になったシゲルは安藤の目を盗んで彼らに接触、同時に映像にも映りこんでしまう。現世帰りしてきたシゲルの強大な怨力を鋭敏に感じ取っていた陰陽師一派に映像も視認され、シゲルは未熟ながら一番の標的と認定される。
二度目の修行時に討伐せしめんとす陰陽師一派と遭遇。シゲルたちは安藤やクラスメイトの殆どを滅魂されながらも何とか勝利を収め、御三人から一派の掃討を命ぜられるも、交換条件として現世帰りにて連合に加担させるよう要求する。御三人は天国からの監視に怯えながらもこれを了承、シゲルは三人結連合に加担しつつも各地の陰陽師一派ならびに寺社仏閣を滅していく-折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-02-19 14:05:59
37000文字
会話率:47%
安全祈願のため神田明神を訪れた酔いどれ軍団。 井川と平将門の因縁で平安時代にタイムスリップ。
最終更新:2011-07-19 12:50:02
25366文字
会話率:14%
源 義家(みなもと の よしいえ)は、
平安時代後期の武将。
八幡太郎(はちまんたろう)
の通称でも知られる。
源頼朝、足利尊氏などの祖先に当たる。
新興武士勢力の象徴ともみなされた。
当時の学説では「武士」は
その在地領主を
ベースとしたものであり、
平将門や藤原秀郷などは「武士」ではなく、
その前段階の「兵」(つわもの)といわれていた。
(ウエブより)
小生歴史には相当暗く、
人様に歴史等々語れる能は有りませんが、
何故か時代物を認める事に興味を覚え居る内に
古の武士社会で、
騒乱に命を賭ける程の武士も、
必勝を祈願する折り、
「南無八幡云々」と祈る
その八幡たるものを知らず、
偶々、その資料を手にし、
この人物を少し紐解いて
文章にして見たいと思った次第です。
何しろ素人結え、
何の素養も無く恥じ入るべき雑文なれど、
その辺りはどうぞご容赦あれ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-02-05 15:17:07
5520文字
会話率:38%
尚子に残された道は二つ。父と愛する祖国のために心を捨てて生きるか。それとも、父や兄弟を捨てて愛する人と共に生きるか。
それは、自分らしく生きたいと願った二人の激しい恋の物語──。エロカッコイイ(?)平将門によるラブファンタジック将門記
1(平安のロミオとジュリエット)
《※9/26加筆終了※》
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-09-26 14:40:24
144011文字
会話率:26%
幼き日、彼は見た。遥かなる故郷・坂東の大地には希望があり、理想があった。平安の世に大波乱を呼び起こし、縦横無尽に時代を駈け抜けた風雲児・平将門。青年将門はこの時まだ都で無為なる時を過ごしていたが、父の死をきっかけにその波乱に満ちた運命の歯車
が回り始める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2006-11-13 18:14:31
16783文字
会話率:47%